【男女別】お通夜の参列者の服装マナー。季節別の注意点も
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方におすすめです
お通夜の服装の基準を知りたい
お通夜の服装の注意点を知りたい
お通夜は、予期せぬ形で訪れることが多いものです。突然の訃報を受けて参列することになったものの、どのような服装が良いか戸惑う人もいるかもしれません。この記事では、女性・男性・子ども別のお通夜の服装マナーや季節に応じた注意点などを解説します。服装に迷ったときの参考にしてください。
目次
お通夜の参列者の服装は平服でも良い
「平服(へいふく)でお越しください」と言われて困った経験はありませんか。国語辞典には「普段着ている服」と書いてありますが、お通夜の場に本当に普段着でいいのか不安に思うかもしれません。
お通夜の知らせは、たいていが突然訪れるため、遺族でなければ落ち着いた色味の平服であれば参列しても問題ありません。
葬儀の平服とは、「喪服でなくても良い」という意味です。ただし、「平服=普段着・カジュアル着」というわけではなく、最も簡易的な喪服を指します。「平服でお越しください」は、「喪服ほどかしこまった服装でなくて良いです」と解釈すべきです。
こうなると喪服と平服の線引きは難しく実際、どのような服を着るべきか迷うこともあるのではないでしょうか。始めに、お通夜に参列する人の平服について解説します。
お通夜の知らせは、たいていが突然訪れるため、遺族でなければ落ち着いた色味の平服であれば参列しても問題ありません。
葬儀の平服とは、「喪服でなくても良い」という意味です。ただし、「平服=普段着・カジュアル着」というわけではなく、最も簡易的な喪服を指します。「平服でお越しください」は、「喪服ほどかしこまった服装でなくて良いです」と解釈すべきです。
こうなると喪服と平服の線引きは難しく実際、どのような服を着るべきか迷うこともあるのではないでしょうか。始めに、お通夜に参列する人の平服について解説します。
喪服が一般的だが、地味な色の平服でも問題はない
お通夜に参列する際の服装は洋装の喪服が一般的ですが、目立たないデザインであれば平服でも差し支えありません。喪服と平服の違いを知るため、正喪服から略喪服までの特徴を押さえておきましょう。
正喪服 | 最も格の高い喪服で、喪主や親族が着用するものだが、現代ではあまり着られなくなっている |
準喪服 (喪服)
|
一般的に「喪服」とよばれるもので、遺族は仮通夜から一周忌まで着用し、参列者は通夜から四十九日前まで着用する |
略喪服 (平服)
|
準喪服より格が下がり、遺族は仮通夜や三回忌以降に着用し、参列者は「平服」と案内があった場合に着用する |
<具体例>
・正喪服
女性:黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどのフォーマルウェアまたは、五つ紋付きの黒無地の着物
男性:黒のモーニングコートまたは、黒羽二重染め抜き(くろはぶたえそめぬき)五つ紋付きの長着・羽織と、仙台平(せんだいひら)もしくは博多平(はかたひら)の袴
・準喪服(喪服)
女性:黒のフォーマルウェアまたは、一つ紋か三つ紋の黒・茶・灰色など地味な色の着物
男性:喪服用のブラックスーツ
・略喪服(平服)
女性:黒・紺・グレーなど落ち着いた色のワンピースやビジネススーツ
男性:紺やグレーのダークスーツやビジネススーツ
・正喪服
女性:黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどのフォーマルウェアまたは、五つ紋付きの黒無地の着物
男性:黒のモーニングコートまたは、黒羽二重染め抜き(くろはぶたえそめぬき)五つ紋付きの長着・羽織と、仙台平(せんだいひら)もしくは博多平(はかたひら)の袴
・準喪服(喪服)
女性:黒のフォーマルウェアまたは、一つ紋か三つ紋の黒・茶・灰色など地味な色の着物
男性:喪服用のブラックスーツ
・略喪服(平服)
女性:黒・紺・グレーなど落ち着いた色のワンピースやビジネススーツ
男性:紺やグレーのダークスーツやビジネススーツ
お通夜は急に参列の知らせが来るため、昔は死を予想して準備していた印象を与えないように、遺族以外は質素な色味の平服で参列していました。
現在は火葬場が混みあう影響で、お通夜や火葬まで時間がかかることもあり、準備期間がとれるため喪服を着用するのが基本になっています。ただし「突然の訃報を受けて仕事先からそのままお通夜に参列することになり、準喪服の準備が難しい」といったケースでは、ダーク系や落ち着いた色の略喪服(平服)でも大丈夫です。
仮通夜では地味な色の平服を着用する
仮通夜では、喪服ではなく落ち着いた色の平服が一般的。亡くなった当日に遺族や親族のみで故人との最後の時間を過ごす仮通夜には、服装やマナーに厳格な規則がないからです。
ただし、殺生を想像させる革製品や毛皮、その場面に相応しくないデニム、露出過多なデザイン、きらびやかなアクセサリーなどは避けてください。
仮通夜とは?本通夜や半通夜との違い
まずは仮通夜の概要とともに、似た言葉である本通夜と半通夜との違いを紹介します。仮通夜への理解を深めるための参考にしてください。
【女性】お通夜に参列するときの服装マナー
女性が参列する場合、洋装の喪服か黒か紺、ダークグレーといった落ち着いた色のスーツやワンピースを着用する場合が多いです。ここからは、女性がお通夜に参列するときの服装マナーを紹介します。
喪服または地味な色のスーツやワンピースを着用する
お通夜まで時間に余裕がある場合は、喪服を準備します。喪服の中でも最も簡易的な略喪服(平服)として、ツヤのない素材のアンサンブルやワンピース、パンツスーツなどを選びます。トップスは五分袖や長袖、スカートはふくらはぎ程度の丈や膝下丈を着用します。インナーに着るブラウスも黒無地にしてください。
なお、お通夜まで時間がない場合は、黒や灰色、濃紺などの落ち着いた色であればワンピースやスーツの平服で参列しても問題ありません。和装の喪服は遺族や故人と関係が深い親族が着るため、参列者は控えます。
足元は黒のストッキングに黒か地味な色の靴を履く
足元も黒を始めとした落ち着いた色で揃えます。ストッキングは、黒地で30デニール以下の薄手タイプを選んでください。肌色や色柄がついたもの、厚手のもの、網タイツは避けます。
靴は黒もしくは落ち着いた色で装飾やツヤのない質素なパンプスを履くのがおすすめです。ヒールは3~5センチ程度の高さで、細すぎないものを取り入れます。ピンヒールや細いヒール、エナメル素材、サンダル・ミュール類はマナー違反と捉えられるため注意が必要です。
【葬儀用パンプスの選び方】イラスト解説付きです。
バッグは光沢のない布製、アクセサリーはつけない
バッグは柄や光沢がない黒色の布製ハンドバッグを選びますが、布製を持っていないときはツヤのない合皮バッグでもマナー違反にはなりません。装飾のない質素なデザインで、ふくさや数珠を収められるサイズが理想的。大荷物になる際は、黒の布製サブバッグを使います。
【男性】お通夜に参列するときの服装マナー
続いては、男性がお通夜に参列するときの服装マナーを紹介します。男性の服装にも一定の決まりがあるため、意識してみてください。
喪服または地味な色のスーツを着用する
男性はツヤや柄のないブラックフォーマルを始めとした喪服(準喪服)を着用するケースが大半です。ジャケットはシングルとダブルのどちらでも良く、パンツの裾上げはシングルを選びます。ワイシャツは、レギュラーカラーの白無地を合わせてください。突然の知らせで喪服の準備が間に合わないときは、黒やグレー、紺などの落ち着いた色のスーツで代用しても大丈夫です。
靴やベルトなど小物も黒で統一する
靴やソックス、ベルトなどの小物も黒で統一します。靴はツヤ感や金具のない黒地を履いてください。就業後にお通夜へ参列する場合は、ソックスやネクタイを黒に替えるのを忘れないように注意が必要です。
【子ども】お通夜に参列するときの服装マナー
子どもがお通夜に参列する際の服装は、年齢や制服の有無によって変わります。制服がある場合は、制服を正装として着用するのが基本です。ここからは、子どもがお通夜に参列する際のマナーを紹介します。
小学生以上:制服があれば制服を着用する
基本的に、学校の制服を正装として着用します。明るい色柄のデザインでも、制服は正装と捉えられるため差し支えありません。故人を偲ぶ場であることを考慮に入れ、スカートの丈を短くしたり、ワイシャツを出したりするのは避けます。
制服がない場合は、黒と白をベースとした服装にまとめます。例えば黒や灰色、紺などのジャケットとパンツまたはスカートに、白のシャツやブラウスを合わせることが多いです。もしくは、ワンピースなどの正式な印象を与えるコーディネートにしてください。
乳幼児:地味な色の服を着用する
幼児が通っている保育園・幼稚園の制服があれば、制服を選びます。制服がなければ、黒や灰色、紺などの落ち着いた色の服装を意識してください。例えば、黒のカーディガンやベストと白のシャツもしくはブラウスのような組み合わせが挙げられます。
ソックスは黒か白、靴もなるべく黒を選ぶのが望ましいでしょう。乳児用に特別な服を準備する必要はありませんが、赤やピンクなどの明るい色は控えて装飾のないシックなコーディネートにまとめるのがマナーです。
お通夜に参列するときの服装の注意点
最後に服装を決める際の注意点を紹介します。故人への哀悼の意を示し、遺族の気持ちに寄り添うためにマナーを意識してみてください。
夏でも上着を着用するのがマナー
気温の上がる夏も基本的には上着を羽織ります。現代のお通夜は室内の冷房が寒いと感じることもあるため、マナーとしてだけではなく冷え対策としても上着が必要。屋外でお通夜をおこなうときは、上着を脱ぐよう促されたら脱ぎます。たとえ暑くても、透け感の多い生地や過度な露出がある服装は故人を見送る場にそぐわないため避けてください。
冬は場にふさわしい防寒対策をする
冬の時期にお通夜へ参加するときは、防寒対策を意識します。コートを羽織っても良いですが、会場の入り口で脱いでください。ツヤや装飾のない黒無地のコートが基本ですが、黒がない場合は濃い灰色や紺などの落ち着いた色味を選びます。
殺生を想起させる羽毛のダウンジャケットや毛皮は、故人を偲ぶ場にふさわしくありません。女性の場合、厚手のタイツだとカジュアルな雰囲気になるため、冷えが気になるときは肌色のストッキングに黒のストッキングを重ねるなどの工夫が必要です。寒さが厳しい日は、カイロで体を温めるのも良いでしょう。
喪服の上に羽織るコートについて
気温や天気などによっては、通夜や葬儀・告別式に参列するときにコートが必要な場合があります。亡くなった人を悼み最後のお別れをする場面では、マナーをわきまえた服装が大切です。まずは、喪服とコート着用時の心得から紹介します。
急きょ参列するときも、ネクタイと靴下は黒に替える
前述の通り、突然の知らせを受けて仕事先などからお通夜に参列する場合は、落ち着いた色味であればそのままの服装で参列してもかまいません。ただし、黒地のソックスやネクタイはコンビニエンスストアなどで手に入れられるため、替えるようにしてください。皮小物やツヤのある飾りは外しておきます。
お通夜だけに参列するなら喪服を着用する
葬儀・告別式に参列せず、お通夜のみに出席する場合は喪服を選びます。近年は、日中の葬儀・告別式に参列できず、夕方からのお通夜のみに出席する人も少なくありません。故人とお別れをする最後の場になるからこそ、できる限り喪服を用意することが大切です。
お別れの場にふさわしい服装でお通夜に参列しよう
お通夜に参列する際の服装は、遺族でなければ落ち着いた色の平服でも失礼にはなりません。ただしツヤのある素材は避け、すぐに用意できる小物は黒に替えるのがマナーです。一番大切なことは、故人への哀悼の意を表すこと。遺族の悲しみに寄り添うためにも、別れの場にふさわしい服装でお通夜に参列してください。
監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史
家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了