お通夜の所要時間は?一般的な流れ・遅れる場合のマナーを解説
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方におすすめです
お通夜にかかる時間を知りたい
お通夜に遅れそうな場合のマナーを知りたい
お通夜は故人の家族や友達が最後の夜を過ごすための儀式で、一般的な所要時間は1時間半ほどです。開始時間に間に合わなかったとしても、できる限り参列するのが望ましいとされています。この記事では、お通夜全体にかかる時間、当日おこなう内容とそれぞれの所要時間、参列する際の基本のマナー、遅れる場合のマナーを解説します。
目次
お通夜にかかる時間は?一般的な開始時間も
お通夜にかかる時間は1時間~1時間半ほどです。地域によっては、お通夜の読経の後に「通夜振る舞い(つやぶるまい)」の食事の席が設けられることがあります。全体の所要時間と合わせて、お通夜の開始・終了時間を紹介します。
お通夜が始まるのは18~19時が一般的
お通夜の開始時間は18時~19時ごろが一般的です。お通夜をおこなうのは故人が亡くなった翌日が多いですが、夜中から午前中にかけて亡くなった場合などは当日の夜におこなうケースもあります。
また近年、家族葬が増加してきたことから17時から開始ということもでてきました。
お通夜の所要時間は1時間半前後
お通夜の儀式にかかる時間は40分前後です。参列人数が多いと焼香時間も長くなるため、かつては1時間近く要していました。家族葬の増えた令和では確実に短くなっています。
本来、お通夜というのは故人を夜通し見守るものでしたが、現代ではその日のうちに終了する半通夜が主流です。地域によっては儀式の後に通夜振る舞いと呼ばれる食事の席が用意されることがあり、出席するとさらに1~2時間ほどを要します。
本来、お通夜というのは故人を夜通し見守るものでしたが、現代ではその日のうちに終了する半通夜が主流です。地域によっては儀式の後に通夜振る舞いと呼ばれる食事の席が用意されることがあり、出席するとさらに1~2時間ほどを要します。
散会時刻は参列者の人数にもよりますが、20〜21時ごろと思っておくと良いでしょう。具体的な時刻を知りたい場合は、遺族ではなく会場スタッフに確認してください。
お通夜の後に遺族が遺体を見守る「寝ずの番」について、こちらの記事で紹介しています。
夜通し故人に寄り添う「寝ずの番」。意味や過ごし方を解説
時代の変化とともに、おこなわれる機会が減少している寝ずの番。慣例にならう場合は、基本的なやり方を押さえつつ、無理のない範囲での実施をおすすめします。こちらでは基本的な過ごし方とともに、文明が発達した現代だからこそ取り入れられる方法を紹介します。
【一般参列者向け】お通夜の流れと所要時間
ここでは、参列者向けの一般的なお通夜当日の流れと、各項目の所要時間の目安を紹介します。なお、宗派宗旨や地域の慣習が優先される場合は、そちらに倣うようにしてください。
①受付
お通夜の開始時間の30分~1時間前くらいに参列者受付が始まります。受付では簡潔にお悔やみの言葉をかけて香典を渡し、芳名帳に名前・住所・連絡先を記帳します。遅刻はなるべく避けたいですが、早すぎても受付の準備が整っていない可能性があるので、開始時間の30〜15分前くらいを目指して会場に向かうのがおすすめです。
所要時間:30分ほど(待機時間含む)※実際に受付にかかる時間は5分程度
②一同着席
お通夜が始まる10分前くらいになると、遺族・参列者は着席するよう案内されます。席に着いたら静粛に開式のときを待ちます。僧侶が開始の少し前に到着するので、合掌する、起立するなど迎え方は司会者の指示に従ってください。
所要時間:10分ほど(全員が着席し儀式が始まるまでの時間)
③読経
定刻になると司会者が祭壇の前で開始を宣言し、僧侶の読経が始まります。
所要時間:40分ほど(全体の読経時間)※焼香中も読経は続きます
④焼香
僧侶の読経が始まってから10〜15分ほど経った程よいタイミングで、司会者が参列者に焼香を促します。焼香は喪主→遺族→親族→友人→知人の順におこないます。焼香では会場の中央の通路を進み、席の外側を通って席に戻りますが、遺族の前を通る際は軽く会釈をするのがマナーです。
所要時間:20分ほど(参列者の人数により変動あり)
⑤法話(説法)
読経・焼香の後、僧侶による法話がある場合があります。主に仏教の教義をわかりやすく説明してくれることが多いようです。
その後、僧侶は退出となりますが、見送り方は司会者の指示に従うようにしてください。例えば入場時に起立で迎えたら起立で見送るなど、入場と同じ作法を案内されるケースがほとんどです。
所要時間:10分ほど
⑥喪主の挨拶
遺族代表となる喪主の挨拶をもってお通夜は閉式となります。挨拶の内容は、参列のお礼や生前の厚誼に対する感謝の言葉などが主です。
挨拶が終われば、司会者の指示に従って参列者は退出します。なおこの後、通夜振る舞いが用意されている場合は、その旨の案内もあるので聞いておいてください。
所要時間:10分ほど
⑦通夜振る舞い(※おこなわない場合もある)
お通夜の後には、場所を移して参列者を食事やお酒でもてなす通夜振る舞いの席が設けられる場合があります。参加は任意ではあるものの、都合が悪くなければなるべく参加したいものです。故人を偲んで思い出を語り合うのも、ひとつの供養となるでしょう。
通夜振る舞いは全体で1~2時間ほどですが、一般参列者は最後までいる必要はありません。翌日に葬儀・告別式を控えた遺族のことを考え、親族以外はあまり長居しないのも気遣いとされています。なお、通夜振る舞いをおこなわない代わりに、お土産が用意されることもあります。
所要時間:1時間~
キリスト教・神道のお通夜に参列する場合は、こちらで流れを確認しましょう。
お通夜の流れとマナー。宗教による違い、参列する時の注意点
キリスト教では、もともとお通夜はないものですが、日本の習慣を取り入れて前夜祭である通夜祭が執り行われます。カトリック、プロテスタントともに前夜祭の流れは、だいたい以下の通りです。
お通夜に参列する際の持ち物・香典や服装のマナー
お通夜ではお葬式と同じく香典・数珠を持参するのが基本ですが、急なことで喪服が用意できない場合は 略喪服で良いとされています。ここでは、お通夜の持ち物・香典・服装に関するマナーを紹介します。
お通夜に参列する際の持ち物
お通夜で必要な持ち物は、主に下記の4つです。
- 香典:故人の霊前に供えるお金。香典袋に入ふくさに包む。
- ふくさ:冠婚葬祭で使われる祝儀や香典を包む布。弔事では黒・紺・緑・紫色のものを用意する。
- 数珠:仏教のお通夜・葬儀で使用。手元にない場合は持参しなくても構わない。
- ハンカチ:白か黒の無地のものを。カラフルなもの、タオル地のものは避ける。
その他に持っていくと便利なものは、こちらの記事を参考にしましょう。
お通夜に行くときの持ち物は?必要なものを男女別に紹介
お通夜では、さまざまな不測の事態も予測されます。悲しみの場であるからこそ、持ち物の細部まで気を配りたいもの。女性がお通夜に持っていくと便利なものを紹介します。
香典のマナー
お通夜でも香典を包み、受付で渡すのがマナーです。包む金額は故人との関係や自分の年齢によって変わりますが、友人・知人の関係なら5,000~10,000円ほどが相場です。表書きは宗派によって異なるので、事前に確認しておいてください。
なお、お通夜の開式に遅れてしまった場合などは、会場には入らず香典だけ渡して帰るのもマナー違反ではありません。他にも参加できそうにないなら代理人に託す方法もあります。詳しくは次の項で紹介します。
お通夜に持参する香典袋の書き方については、こちらを参考にしてください。
お通夜に持参する香典袋の書き方は?「御霊前」と「御仏前」の違い
香典袋は「御霊前(ごれいぜん)」「御仏前(ごぶつぜん)」など表書きもさまざまで、どれを選べばよいか悩んだ経験もあるのではないでしょうか。ここでは、香典袋の表書きの書き方と、その注意点についてご紹介します。
服装のマナー
一般参列者としてお通夜に行く場合の服装は、喪服もしくは黒・濃紺などのスーツやワンピースがふさわしいとされています。喪服が最も無難ではありますが、必ずしも喪服でなくても構いません。靴やバッグなどの小物は、服と合わせて黒で統一するのがマナーです。
また髪が長い人は、低い位置でシンプルにまとめると印象が良くなります。
お通夜に適した髪型については、こちらで詳しく紹介しています。
お通夜の髪型マナー【女性・男性・子ども】注意点も解説
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お通夜の開始時間に遅れる場合のマナー
開始時間から30分ほどまでの遅刻であれば、焼香だけでもあげさせてもらえるよう事前に連絡を入れておくと良いでしょう。遅れる時間別の、喪主・遺族に負担をかけづらい対応を紹介します。
ケース①30分ほど遅れそうな場合
やむを得ない理由でお通夜の開始時間に間に合わなさそうでも、できる限り参列はしたいもの。お通夜が始まってから30分ほどの遅刻なら、焼香には間に合う可能性が高いです。「忙しい中駆けつけてくれた」と喪主や遺族に悪い印象を与えることもほとんどないでしょう。
また親族であれば連絡をした方がよいですが、一般の参列者であれば通夜中に到着できるので連絡は不要です。読経が終了していても焼香させていただけることが多いです。もし連絡をしたい場合は、お通夜の前後は慌ただしくなるので、開始前に余裕をもって連絡を入れておくなど配慮が必要です。
当日、到着時にまだ受付が開かれていたなら、受付で遅刻したことを簡潔に詫び、静かに入場してうしろの席に座ります。既に受付が終了していた場合は、入口近くにいるスタッフなどに声をかけ、指示されたタイミングで会場に入ります。受付で渡せなかった香典は、お通夜終了後に直接遺族に渡すか、翌日以降の葬儀・告別式の際に渡すと良いでしょう。
ケース②1時間ほど遅れそうな場合
お通夜開始から1時間経過していると、早い場合ではお通夜(読経)が終了してしまっている可能性はあります。しかし、会場に向かえば遺族はいるので焼香をさせていただくことはできます。
また、予定が合うようであれば、翌日以降の葬儀・告別式に参列するか、もしくは後日の弔問を検討してもよいかもしれません。なお、通夜振る舞いが用意されているなら間に合う可能性はあります。通夜振る舞いだけでも参加すると喜んでもらえるでしょう。その際に、香典は遺族に直接渡すのがベターです。
ケース③2時間以上遅れそうな場合
大幅に遅れそうで間に合わないことが予想される場合は、無理に会場に向かうよりも、お通夜に参列できない旨を連絡した上で翌日以降の葬儀・告別式に参列、もしくは後日弔問に訪れる方が遺族の負担になりません。もし知り合いがお通夜に参列するなら、香典を託して参列できない旨を喪主・遺族に伝えてもらう方法もあります。
時間と流れを把握してお通夜に参列できるよう調整を
お通夜にかかる時間は、1時間から長くても2時間ほど。開始も夕方からなので仕事がある人も都合をつけやすいでしょう。遅れそうな場合や、参加が難しい場合は遺族に迷惑をかけないよう前もって連絡を入れるのがマナーです。なるべく参列できるよう調整し、故人に最後のお別れを伝えてください。
監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史
家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了