葬儀用ふくさのマナーを知ろう!購入できる場所・代用品も紹介

お葬式のマナー・基礎知識
葬儀用ふくさのマナーを知ろう!購入できる場所・代用品も紹介
香典を包むのに用いられる布が「ふくさ」です。のし袋が汚れたり型崩れしたりするのを防ぐ物理的な役割の他に、暗い色のふくさを持つことで視覚的にお悔やみの気持ちを表す役割があります。葬儀の際に使うふくさのマナーや、急に必要になった場合におすすめの購入場所・代用品について紹介します。

ふくさの種類と包み方

「ふくさ」とは一般的に、贈り物を包む風呂敷よりも小さい、一重または二重の四角い布のことを言います。ふくさにはいろいろなタイプがあります。ここでは、ふくさの種類と、タイプ別の包み方を解説します。

基本のふくさ

風呂敷のように1枚の四角い布が基本のふくさです。包み方の基本は「左包み」といいます。まず、ふくさを上下左右に角が来るように広げて、その真ん中に香典袋を表向きにして乗せます。右・下・上の順番にたたみ、最後に左側をたたんで、先端を裏側に織り込めば完成です。

爪付きふくさ・台付きふくさ

爪付きふくさは、最後に布を留める爪が付いているものです。また、台付きふくさは袋を乗せる台が付いたもの。両者を使えば、ふくさが鞄の中で開いてしまったり、中の香典袋がずれたりすることを防げます。仕様は違っていても包み方は基本のふくさと同じです。爪付きのものを使う場合は、爪の付いている部分が左側に来るように広げてから使うようにします。

金封ふくさ

金封ふくさは、中がポケット状になっていて、まるで長財布のような形をしています。使い方は驚くほど簡単。ポケット部分に香典袋を入れる、たったこれだけです。布を折りたたんで包む手間がなく、ふくさを初めて使う人であっても、悩むことなく使えます。

葬儀のときのふくさの使い方とお香典の渡し方

香典の渡し方には、ふくさの種類ごとに細かい作法の違いがあります。持っているふくさの種類に合わせて、正しい渡し方を覚えておきましょう。いずれの場合も、受付に着いたらまずお辞儀とお悔やみの挨拶を忘れずに。

渡し方①基本のふくさ

挨拶が終わったら、右の手のひらにふくさを乗せ、左手で開いて、中の香典袋を出します。次に、香典袋を反時計回りに180度回して、書かれた文字が相手側から正しく見える向きに直します。

受付の台にたたんだふくさを置いたら、両手で香典袋を持って相手に渡します。このとき、袋を乗せる台としてふくさを使っても構いません。

渡し方②台付きふくさ

台付きふくさは、ふくさの中から台を取り、その台の上にお香典袋を置いて渡します。このとき、相手側が文字を読める向きにすることが大切です。また、わざわざ台を取りださなくても、たたんだふくさの上に置いて渡しても全く問題はありません。

渡し方③金封ふくさ

金封ふくさも右手にふくさを乗せます。開いてポケットの中から袋を取り出したら、袋の向きを相手側に変えてふくさの上に置き、両手で渡します。このように、ふくさそのものが袋を置く台とになります。そのため、受付の台にふくさを置くことはありません。

葬儀用ふくさの選び方

ふくさを購入する場合は、使うシーンや用途に合わせた正しい選び方も押さえておいた方が安心です。

渡す金額にふさわしい形を選ぶ

お香典の金額は故人との関係性などによって変わってくるものです。ふくさも金額に見合ったものを使うことが重要です。包む金額が3万円までの場合は挟み込むタイプのもの、3万円以上になる場合は、爪付き・台付きのものを使うのが一般的です。

葬儀にふさわしい色を選ぶ

慶事と弔事とでふくさの色を使い分けなければいけません。慶事は明るめの色、逆に弔事は暗め・寒色系の色を選びます。使い分けが面倒という人は、慶弔の両方のシーンで兼用できる紫色のふくさがおすすめ。既にふくさを持っている人であっても、紫のふくさを1枚持っておくと便利です。

台付きのふくさに付属している台は表裏で色が異なるので、慶事用と弔事用ごとに使い分けられます。ただし台を使う際は、表裏を間違えないようにしっかりと確認することが大切です。

弔事用にぴったりな寒色系であっても、金色の刺繍や、鶴などのおめでたい絵柄が入っているものは葬儀には使えません。葬儀に使える柄かどうか不安であれば、無地のふくさを選ぶのが無難です。

お香典袋や鞄にふさわしいサイズを選ぶ

ふくさは香典袋が入るように作られているものがほとんどですが、普通よりも少し大きめの香典袋を買ってしまうと、入らないという事態にもなりかねません。

また、フォーマル用のバッグはコンパクトサイズが多いので、ふくさ(香典袋)がバッグに入らないことも十分にあり得ます。そのため、それぞれのアイテムの大きさを事前に確かめてから購入するのが望ましいです。

葬儀用ふくさが売っている場所

どこでふくさを買えば良いか悩んでしまう人もいるでしょう。実は、ふくさを取り扱っているお店は意外と多いもの。急に必要になった場合や予め用意しておく場合など、状況に応じて利用するお店を選ぶのがおすすめです。

仏具店

葬儀関連のものを置いてある専門のお店です。ふくさについて不明な点があっても、すぐに店員さんに聞いたり相談したりできるので、ふくさ選びに失敗することもありません。また、ネット通販をおこなっている仏具店もあります。直接買いに行くことが困難なときには便利です。

百貨店

百貨店は多くのものを取り揃えており、もちろん弔事関係の商品も販売されています。また、百貨店のふくさ売り場は、取り扱っている種類が豊富で、高品質なものが多いのが特徴です。自分の使い方にぴったりなふくさを選べますし、贈り物にもできます。

文具店・スーパー

香典袋は大型量販店(スーパー、GMS)やコンビニ、文具店などでもよく見かけます。その中には、ふくさを販売しているお店もあります。仏具店や百貨店で買えるような高級品は置かれていないことが多いですが、定番的な価格と質のふくさを購入することが可能です。

100円均一のお店

地域や店舗によりますが、100円ショップでもふくさの取り扱いがあります。緊急時は本当に便利です。ただし、品質は100円の価格相応です。長く、何度も使うというよりも、一時的な利用を前提に買うことをおすすめします。

葬儀用ふくさがない場合の代用品

あまりにも急な知らせでふくさの準備が間に合わない場合は、身近なもので代用するという方法もあります。万が一のときは、以下の代用方法を試してみてください。

暗い色でシンプルなハンカチ

暗い色のハンカチで代用することも可能です。ハンカチで代用する場合は、白・黒・グレーなど地味な色味を選びます。また、上でも触れたように、葬儀にふさわしくない刺繍や柄が入っていないかの確認も忘れてはいけません。

小さめの風呂敷

もし小さいサイズの風呂敷が家にあるのであれば、それをふくさとして代用できます。1枚布タイプのふくさがあるほどなので、風呂敷を使うことは許容できる範囲と言えるでしょう。

葬儀にあったふくさを選ぼう

通夜や葬儀は急な場合が多いですが、香典はふくさに包んで持参しましょう。その場にふさわしい悲しみを示すようなふくさは、相手への気遣いにもなります。