葬儀には片化粧で参列を。正しいメイクマナーで思いやり美人
お葬式のマナー・基礎知識
片化粧とは、葬儀を主催する遺族や参列者に求められるメイクのマナーの一種です。控えめで全体的に色味が薄い化粧を指します。お葬式に参列するときのメイクは、故人や遺族、他の参列者にもできるだけ配慮しておきたいところです。この記事では葬儀にふさわしいメイクについて解説します。
葬儀におけるメイクマナー
葬儀では、服装や持ち物などにマナーがあるのと同様に、メイクにも節度が求められます。まずは、葬儀での化粧の考え方について紹介します。
葬儀の片化粧という考え方
葬儀では片化粧というメイクのマナーがあります。控えめで全体的に色味が薄いメイクを指す言葉で、薄化粧と同じような意味です。
片化粧は、しっかりメイクをしながらも、そうとは見せないナチュラルメイクとは異なります。葬儀の主役はあくまでも故人であるとする考えから、主催者となる遺族や参列者が華やかな装いをすることはマナー違反となるのです。
片化粧は、しっかりメイクをしながらも、そうとは見せないナチュラルメイクとは異なります。葬儀の主役はあくまでも故人であるとする考えから、主催者となる遺族や参列者が華やかな装いをすることはマナー違反となるのです。
葬儀にノーメイクはマナー違反
全く化粧をしないノーメイクもいけません。その理由は、フォーマル感に欠けるためです。お葬式の参列に派手なメイクは論外ですが、手抜きもまたNGです。故人への哀悼を表すためにも、最低限の身だしなみは必要です。
葬儀でのベースメイク
葬儀では、ベースメイクを作りこみ過ぎないこと、色味が濃くならないようにすることが大切です。
ファンデーションは艶感を抑える
艶感のあるベースメイクは、葬儀のメイクマナーに反しています。マットな肌を作るには、パウダータイプのファンデーションがおすすめです。リキッドタイプの場合は、プレストパウダーで艶を抑えます。ラメ入りのファンデーションは使用しないようにします。ファンデーションは薄く塗り、シミやクマが気になる部分にはコンシーラーを使ってください。
チークは基本的に使わない
葬儀に参列する場合のメイクでは、チークは基本的に使いません。チークは血色が良くなり必要以上に健康的に見えるので、葬儀の場にふさわしくないからです。とはいえ、顔色が悪く不健康に見えてしまうのも周囲に心配をかけてしまうので要注意。顔色が悪く見える場合は、肌に近い色のチークを薄く使います。ファンデーションと同じく、パールやラメ入りのチークはNGです。
ハイライトも基本的に使わない
立体感を出すハイライトは明るく活発に見えるので、葬儀の場にふさわしくありません。ベースメイクは、あくまでも葬儀に参列することを念頭に置いた上でアイテムを選び、艶を抑えることが大切です。
葬儀に臨むときのアイメイク
続いて、葬儀のマナーを押さえたアイメイクを解説します。アイメイクもあくまでもナチュラルに、きちんとした印象を作ることを心がけます。
アイシャドウはナチュラルカラー
片化粧では、アイシャドウも基本的には使いません。特に濃い色や派手な色、明るい色のアイシャドウはマナー違反です。ただし、顔色が悪く見えたり不健康に見えたりする場合は、ナチュラルなブラウン系かベージュ系を使うようにします。その場合でも、ラメやパール入りはおすすめしません。
アイラインは基本的には使わない
葬儀でのメイクマナーでは、目元をぱっちりとさせるアイラインも基本的には使いません。使う場合は、さりげなく少量でラインを細く書きます。ブルーやホワイトなどのカラータイプは、派手な印象を与えるので避けてください。涙で落ちることがあるので、ウォータープルーフタイプがおすすめです。
マスカラはウォータープルーフ
マスカラも基本的には使いませんが、使う場合は一度塗り程度にとどめます。まつげのボリュームや長さを出し過ぎると華やかな印象になってしまうからです。マスカラもアイラインと同様の理由で、ウォータープルーフタイプが推奨されています。
つけまつげは色や長さに注意
従来、つけまつげはマナー違反とされてきました。しかし、最近ではまつげエクステも含め、つけまつげを日常的に使用している人も増えています。華やかになり過ぎていなければ、そのまま付けていても構いません。色付きのつけまつげや、長すぎるものは葬儀の場では外した方が無難です。
お葬式でのリップ・眉毛メイク
続いて、葬儀のマナーを押さえたリップメイクと眉毛メイクのマナーを解説します。リップに関しては葬儀のメイクで唯一色味が許される部分ではありますが、基本的には薄くナチュラルな色を使います。
リップメイクのマナー
本来、片化粧では口紅も塗らないことがマナーとされています。ただし、顔色が悪く余計な心配をかけてしまう場合もあるので、近年はリップメイクもマナー違反ではなくなりました。
葬儀のシーンでのリップメイクは、派手な色や明るすぎる色、ラメやパール入りは避けます。また、慶事を連想させる「紅色」は使いません。おすすめのカラーは、ベージュピンクなどナチュラルな色です。淡い色を薄くのばします。
葬儀のシーンでのリップメイクは、派手な色や明るすぎる色、ラメやパール入りは避けます。また、慶事を連想させる「紅色」は使いません。おすすめのカラーは、ベージュピンクなどナチュラルな色です。淡い色を薄くのばします。
眉毛メイクのマナー
眉毛は自然な形に整えることがポイントです。太い眉は、トレンド感が出過ぎるので要注意。アイブロウを使用する場合は、くっきりとした眉を描くペンシルタイプより、薄付きのパウダータイプがおすすめです。髪色や肌色に合ったナチュラルな色味を選ぶと、マナーを押さえた眉毛メイクになります。
ファミーユの1級葬祭ディレクターによると、「俗説の一つだと思いますが、人間の顔の急所にあたる眉・目・口から魔が差す(悪霊に付け込まれる)と言われており、女性の魔除けのために『化粧』が生まれた」そうです。悲しみの想いにとらわれがちな葬儀の場でも、アイブロウとアイラインと口紅くらいのお化粧が辛さを和らげてくれるかもしれませんね。
ファミーユの1級葬祭ディレクターによると、「俗説の一つだと思いますが、人間の顔の急所にあたる眉・目・口から魔が差す(悪霊に付け込まれる)と言われており、女性の魔除けのために『化粧』が生まれた」そうです。悲しみの想いにとらわれがちな葬儀の場でも、アイブロウとアイラインと口紅くらいのお化粧が辛さを和らげてくれるかもしれませんね。
葬儀におけるメイク以外の身だしなみ
メイク以外でも葬儀の際は身だしなみのマナーがあります。こちらでは、ネイル・香水・髪型に関するマナーを紹介します。
ネイル・香水のマナー
ネイルは華美に見えるので、従来のメイクマナーでは基本的に使わないもの、と認識されてきました。しかし近年では、クリアやベージュなどのネイルをシンプルに使う分には問題ないとされています。ただし、あくまでもきちんとした印象を与えることが目的なので、ネイルのデコレーションはしません。簡単に落とせないジェルネイルをしている場合は、手袋で爪を隠す方法もあります。
また、香水は華美なイメージがあるため基本的に使用しません。
また、香水は華美なイメージがあるため基本的に使用しません。
髪型のマナー
葬儀に参列するときの髪型は、清潔感があること、派手ではないこと、そしてまとまっていることが重要です。弔事はフォーマルなシーンなので、きちんとした髪形が推奨されます。ヘアゴムも派手な色は避け、髪色に合わせた黒や茶色を使ってください。髪を束ねる場合は、耳よりも下のラインで結ぶと落ち着いた印象になります。
1つに束ねるのが難しい長さのショートヘアやボブヘアの人は、前髪をピンで留めたりスプレーで固めたりするとすっきりします。サイドの髪の毛は耳にかけてピンで留めるスタイルもおすすめです。
ミディアム・ロングヘアの人は、パーマがかかっているだけでも派手な印象を与えてしまう場合があるので要注意です。できるだけタイトにまとめるようにします。1本に結ぶか、シニヨンのようにまとめると華やかさが抑えられます。
葬儀における髪型のマナーは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
ミディアム・ロングヘアの人は、パーマがかかっているだけでも派手な印象を与えてしまう場合があるので要注意です。できるだけタイトにまとめるようにします。1本に結ぶか、シニヨンのようにまとめると華やかさが抑えられます。
葬儀における髪型のマナーは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
葬儀での髪型は?マナー違反をしないポイントを解説 - 家族葬のファミーユ【Coeurlien】
葬儀への参列は突然に決まるもの。喪服のルールやお焼香の作法などはなんとなくわかっているものの、髪型のことまでは理解していないという人は意外と多いかもしれません。けれど、人目につきやすい髪型は、葬儀の場ではできるだけ配慮しておきたいところです。この記事では葬儀にふさわしい髪型についてわかりやすく解説。押さえておきたい知識はもちろん、具体的例もあわせて紹介します。
葬儀にはメイクマナーを守って参列を
亡くなった人を悼み最後のお別れをする場面である葬儀には、メイクに関してもマナーを守って参列することが大切です。また、メイクだけでなく髪型にも気を配る必要があります。身だしなみを守った上で葬儀に参列し、故人と最後のお別れをしてください。