5人の家族葬は可能?費用相場や葬儀の流れ、注意点を解説

ご家族の通夜・葬式準備
5人の家族葬は可能?費用相場や葬儀の流れ、注意点を解説

この記事はこんな方におすすめです

5人でも家族葬をおこなえるか知りたい
5人の家族葬の費用相場や流れについて知りたい
家族葬には人数の決まりはなく、5人で執りおこなっても問題はありません。近しい人のみが集まる家族葬だからこそ、ゆっくりと故人と最後のお別れの時間を過ごせます。本記事では5人で家族葬をおこなう場合の費用相場や葬儀の流れ、注意点などを解説。家族葬以外の少人数でおこなう葬儀形式についても紹介するので、参考にしてみてください。

そもそも家族葬とは?

家族葬とは、故人と近しい関係にあった人でおこなう葬儀のことです。ここでは、家族葬の具体的な概要や一般葬との違いを紹介します。

家族葬とは、故人と近しい人が集まる葬儀

家族葬とは、故人が生前親しくしていた人を中心におこなう葬儀のこと。家族とついていますが、参列者の範囲や人数に決まりはありません。親族に限らず、友人・知人を呼ぶ場合もあります。
一般参列者の目を気にする必要がないため、儀式や形式、参列人数などの条件に縛られず、故人とゆっくりお別れの時間を過ごせるところが魅力です。

一般葬との違い

一般葬とは、昔からおこなわれてきた伝統的な葬儀形式のことです。おおまかな流れは家族葬と同じですが、参列者に違いがあります。
知人や勤め先など、故人とつながりのあった人たちを幅広く受け入れる一般葬は、古くからの慣習を重んじるのが特徴です。家族葬は近しい人のみを招くため、受付の負担を減らせるだけではなく余計な気苦労を負わずに済みます。
また、一般葬では香典を断らない一方で、家族葬は辞退するケースがあるのも両者の相違点です。四十九日法要で香典返しと挨拶状を送る一般葬に対し、香典を辞退したときの家族葬は、参列者に対しては挨拶状を送り、参列を控えていただいた方には事後報告として訃報を伝えます。

家族葬は5人でもできる?

家族葬に人数の決まりはなく、5人でも営めます。「近しい人のみで故人を見送りたい」「家族以外に呼ぶ人がいない」など、さまざまな理由で参列者が5人のみになる場合も少なくありません。一般的な家族葬の参列者は10〜20人ほどのケースが多いですが、家族の状況に合わせて少人数の家族葬を選択できます。
また、人数だけではなく、参列してもらう親族の範囲にもルールがありません。故人や家族の意向に合わせて人数や呼ぶ範囲を決められます。

<家族葬5人の構成事例>

  • 配偶者と子ども2人、きょうだい1人、親友1人
  • 配偶者、子ども1人とその配偶者、孫2人
  • 子ども2人とその配偶者2人、孫1人
  • 両親、配偶者、子ども1人、きょうだい1人
  • 配偶者、きょうだい1人、叔母1人、従弟1人、親友1人

5人で家族葬をおこなう場合の費用相場と内訳

参列者が少人数になることの多い家族葬は、一般葬よりも費用相場が低めです。ただし、高級な花材を使った祭壇を手配したり、特別な食事を用意したりする場合は、相場も上がります。ここでは5人で家族葬をおこなう場合の費用相場や、内訳を紹介します。

5人の家族葬の費用相場は82万円~177万円ほど

5人で営む家族葬の費用相場は、82万円〜177万円ほどです。10人以下の少人数用葬儀場はほとんど存在しないため、10人規模の家族葬と同等の相場になります。
内容は、通夜と葬儀・告別式をおこなわない火葬だけのシンプルなプランから、故人との思い出や感謝を形にできるオリジナル性の高い葬儀プランなど、選択肢はさまざま。プランの内容が異なれば、価格にも幅が生じます。ほかには、火葬場の予約状況や会食の有無などによって費用が変動するでしょう。

葬儀社のセットプランの内訳

葬儀社による家族葬のセットプランは「葬儀費用一式」「葬儀本体費用」などと表示され、主に以下の費用を含みます。

<含まれる費用>

  • 会場の利用料
  • 棺・遺影・祭壇の準備費
  • 葬儀社の人件費、霊柩車の手配費
  • 会食費や返礼品(香典返し) など
なお、少人数の葬儀では会食をおこなわないケースもあります。
葬儀社選びで注意したいのは、相場よりも極端に低い価格のプラン。火葬費用などが含まれていない場合があるため、見積もりをよく確認してください。プランにない費用は、喪主が個別に支払うことになります。

火葬式(直葬)を選択する場合

通夜、葬儀・告別式をおこなわない火葬式(直葬)を選択した場合は、プランとしては10万前後からあります。ただし、面会ができない場合や柩、骨壺など火葬式に必要なもののみの用意となっていることが多いので、よく内容を確認することが大切です。

<プランに含まれない場合の参考に>個別の費用相場

葬儀社のセットプランは、会社によって内容が異なります。寺院や宗教者へのお布施・御車代、火葬代、会食費用などは大抵プランに含まれておらず、喪主が個別に支払う必要があります。

お布施・御車代・御食事料(御膳料)

読経や戒名授与へのお礼として渡すお布施の相場は、40〜50万円ほどです。金額は、参列者の人数に左右されません。
お布施のほかに、御車代として5,000円〜1万円ほど渡します。僧侶が会食に参加しない場合は、御食事料(御膳料)として5,000円~2万円ほど渡すのが基本です。
金額に関する明確な決まりはなく、地域や宗派によっても変わるので、心配な場合は事前に親族や葬儀社などに確認すると良いでしょう。

火葬費用

火葬費は、公営であれば市区町村の委託事業者などに、民営なら運営元に費用を支払います。民営より公営の方がリーズナブルな価格である場合が多いでしょう。
東京都では民営が多く、料金は6万円~28万円ほど。さらに、控え室の利用料として数千円~2万円ほどかかります。さらに別途、燃料費が必要なこともあるため、全体費用を把握しておくと安心です。

会食費用

通夜振る舞いや火葬後の会食費の相場は、1人3,000円~5,000円です。プランに含まれる場合も多いですが、含まれていない場合は食事会場やレストラン、弁当屋などに支払います。

5人でおこなう家族葬の流れ<一般的な二日葬の場合>

人数にかかわらず、家族葬の流れは通常の一般葬と同様です。ここでは、1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式をおこなう二日葬の流れを紹介します。

【葬儀まで】

  • 逝去〜安置

【家族葬1日目】

  • 逝去〜安置
  • 納棺式
  • 通夜

【家族葬2日目】

  • 葬儀・告別式
  • 出棺
  • 火葬
  • 拾骨
  • 繰り上げ初七日法要
  • 精進落とし

5人の家族葬における二日葬以外の形式と選び方

5人で家族葬を営む場合は、二日葬以外に直葬や一日葬といった選択肢もあります。悔いのないお別れの場を設けるためには、故人や家族の希望を汲み取りながら、最もふさわしい形式を選ぶことが大切です。ここからは、各形式の特徴や二日葬との違い、選び方のポイントを解説します。

火葬のみをおこなう直葬

直葬とは、通夜、葬儀・告別式を伴わず、火葬のみをおこなう形式のことです。儀式の省略によって費用が安くなるとともに、体力的に長時間の式が厳しい高齢者でも参列しやすいところがメリットです。ただし、儀式をおこなわないため、お別れの実感が湧きにくかったり、親族や菩提寺からの理解を得られなかったりする場合があります。

葬儀と火葬を1日で終える一日葬

一日葬とは、通夜を営まず、葬儀・告別式と火葬のみを1日でおこなう形式のこと。1日で儀式が完結するため、遺族の負担が少なく、遠方の人は日帰りで葬儀に参列できるのが特徴です。しかし、葬儀当日に予定がある人は参列できないため、事前にスケジュール調整が必要になるでしょう。

葬儀形式を選ぶ際のポイント

葬儀形式を選ぶときは、故人と家族の希望や、そのときの状況に合わせることが大切。各形式におすすめのケースは、以下の通りです。

【二日葬】

  • 通夜と葬儀・告別式を省きたくない
  • 故人とゆっくりお別れがしたい

【直葬】

  • 費用を最小限に抑えたい
  • 儀式を省略することに対して親族や菩提寺からの理解を得られている #### 【一日葬】
  • 1日で儀式を終えられるようにしたい
  • 飲食費(通夜振る舞い)の負担を軽くしたい

家族葬を5人で営む際の注意点

家族葬を5人でおこなう際には、気を付けておきたいことがいくつかあります。ここでは主な注意点について紹介するので、意識してみてください。

あらかじめ親族に相談し、了承を得る

5人という限られた人数で葬儀をおこなう場合、親族に相談し、了承を得る必要があります。全く相談をしないままだと、葬儀に呼ばなかった親族から不満が出てトラブルに発展することも。
そのため、あらかじめ了承を得るべき親族を確認し、連絡を取ることが大切です。また、葬儀が滞りなく終わったことも忘れないように伝えてください。

葬儀プランに不要な項目がないか確認する

葬儀社が提供するプランには、5人以上の返礼品や会食代など、不要な項目が含まれていることもあるので、よく確認しておくと良いでしょう。また、葬儀の内容によっては費用が追加されることもあるため、葬儀社としっかり打ち合わせをしてください。

葬儀後の対応準備を整えておく

訃報を送っていない人や葬儀に呼ばなかった人へ、家族葬をおこなったことをハガキで伝える準備も必要です。ハガキを送るタイミングは、納骨後や四十九日法要後が一般的。年末なら、喪中ハガキとして送っても問題ありません。
連絡をした人から弔問の申し出があるかもしれないため、香典返しの手配など、弔問客への準備も整えておくとスムーズです。弔問客への対応が難しいときは、家族葬を終えたことを伝える際に弔問を辞退することも明記してください。

葬儀費用を誰が払うか明確にする

基本的に、葬儀費用を支払うのは喪主です。ただし、喪主の経済状況によっては家族で分担したり、遺産から支出したりすることもあります。
親が亡くなり、子どもだけで家族葬をおこなう場合、費用負担でトラブルが起きることも珍しくありません。例えば、喪主は兄弟で費用を分担したいのに、ほかの兄弟が応じてくれないケースなどが挙げられます。前もって家族で話し合い、それぞれの経済状況に応じて誰がどのくらいの費用を負担するのか決めておくと安心です。

家族葬の費用や注意点を確認し、納得のいく形で故人を見送ろう

家族葬は、人数や条件に縛られず、故人や家族の希望に合わせて内容を決められるお葬式です。5人でも家族葬をおこなえますが、親族の了承を得るなど、周りへの配慮も欠かせません。どのような形がふさわしいのかよく検討し、故人を見送る場を設けてはいかがでしょうか。