家族葬の事後報告はいつ、どうする?方法を文例付きで解説

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家族葬の事後報告はいつ、どうする?方法を文例付きで解説

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家族葬の事後報告の方法を知りたい
事後報告の文例を知りたい
近親者のみの家族葬で葬儀を執りおこなう場合、後日参列者以外の人に事後報告するのが一般的です。家族葬の事後報告のタイミングや、知らせ方に決まりはありませんが、生前故人がお世話になった人たちに失礼のないよう対応したいと考えるのではないでしょうか。本記事では、家族葬の事後報告のタイミングや知らせ方、文例、マナーを解説します。

いつがベスト?家族葬の事後報告をするタイミング

家族葬の事後報告のタイミングに、いつまでにおこなうといった決まりはありません。一般葬では参列者を制限しませんが、近親者のみで執りおこなう家族葬は、葬儀を終えた後で参列しなかった人に訃報を伝えます。
家族葬の場合、葬儀を終えて1~2週間以内に報告するのが一般的とされます。遅くても四十九日法要までにするのが望ましいとも言われます。ただし、ほぼ年賀状のやり取りをしているだけなど、関わりが少ない人は四十九日法要を終えてから喪中はがきで報告する場合もあります。

どうする?家族葬の事後報告をする際の知らせ方

ここからは、どのように家族葬を終えてから事後報告をするのかを説明します。家族葬の事後報告をする際は、連絡方法や伝えるべき内容、知らせる範囲を決める必要があります。

事後報告をする際の連絡方法

家族葬の事後報告は、一般的に以下のような方法でおこなわれます。相手によって使い分けても問題ありません。
①電話 事後報告を電話でおこなってもマナー違反ではない。電話では話が脱線してしまうことも考えられるので、伝え漏れがないようにメモ書きして準備しておく。
②手紙(はがき) 有料で事後報告用の挨拶状(死亡通知ともいう)を作成してくれる葬儀社もある(要相談)。自分でも作成可能だが、どのような文章を書くべきか迷ったときは葬儀社に相談するのがおすすめ。
③メール 最近はメールで事後報告するケースも。紙よりもカジュアルなので、相手によっては悪い印象を与える可能性もある。気心が知れた親しい間柄だけのやり取りに留める。相手がメールに気付かず、報告が遅れることもあるので注意。
④SNS 個別で事後報告することがない幅広い交友関係にお知らせすることができる。フェイスブック(Facebook)で故人の死亡を共有したり、故人アカウントを家族が引き継いで配信したりすることが増えてきた。家族がX(旧ツイッター)で報告することもある。

事後報告で伝えるべき内容

家族葬を終えた後に参列を控えてもらった人へ訃報を伝える内容は、以下の通りです。
  1. 訃報
  2. ・故人の名前
    ・逝去した日(年月日)
  3. 既に葬儀を執りおこなったこと
  4. 注意点として、事後報告に不満を持つ人がいる可能性も。トラブルを避けるためにも、理由も合わせて伝えてください。
    (理由の例)「故人の意向」、「昨今の状況を鑑みて」など
  5. 事後報告になったことへのおわびの言葉
  6. 生前の故人がお世話になったことへの感謝の気持ち
また、弔問や香典辞退の意向があれば、伝え忘れないようにしましょう。

どこまで?事後報告をする範囲

事後報告する人の範囲に、特に決まりはありません。迷う場合は、報告することを推奨します。
(報告先の例)
  • 生前お世話になった故人の友人・知人
  • 療養中にお見舞いに来てくれた・お見舞いの品をもらった人
  • 勤務先の関係者
  • 遺族の友人や知人
  • 毎年年賀状を送っている人 など
また、以下のように事前に報告するのが望ましい相手もいます。
家族葬への参列を控えてもらいたい親族 故人の親や兄弟など近親あるいは特に親しい親戚づきあいだったが、疾病や遠距離などの事情があり参列できそうにない人。または冠婚葬祭の習わしに厳格な親族。事前に訃報を知らせて理解してもらうと安心。
勤務先 会社での手続きが必要なので事前に連絡する。家族葬で執りおこなうため、参列を控えてもらいたいことを失礼のないように伝える。

家族葬の事後報告をする際の文例

続いて事後報告の文例を電話、手紙、メールといった連絡方法別に紹介します。報告する際の参考にしてください。

電話

突然のご連絡をお許しください。わたくし〇〇の妻の〇〇と申します。
入院療養中だった主人が 〇〇月〇〇日に亡くなりまして、本日はそのことでお電話いたしました。
主人の遺志により、葬儀は先日近親者のみの家族葬にてすませました。このような形でのご連絡となり大変申しわけございません。
〇〇様には主人が生前お世話になったことへの感謝の気持ちをお伝えしたくご連絡させていただきました。
ありがとうございました。

手紙(はがき)

祖父(続柄)〇〇〇〇儀 かねてより入院療養中でしたが
去る〇〇年〇月〇日 〇〇歳にて永眠しました
ここに謹んでご通知申し上げます
葬儀につきましては故人の遺志により
近親者のみで葬儀を執りおこないました
本来であれば早くお伝え申し上げるべきところ 
ご連絡が遅れましたことを深くおわび申し上げます
ここに故人が生前賜りましたご厚誼に対し
心より御礼申し上げます
なお誠に勝手ながら
弔問 香典 供物のご厚意については
辞退申し上げます
〇〇年〇月
〇〇県〇〇市〇〇町〇〇-〇
喪主氏名

メール

件名:訃報のお知らせ
本文:
平素より大変お世話になっております
父 〇〇〇〇 につきましては かねてより入院療養中だったところ
去る〇〇年〇〇月〇〇日 〇〇歳にて逝去いたしました
ここに謹んでご通知申し上げます
葬儀につきましては昨今の状況下を鑑みて
近親者のみで葬儀を執りおこないました
ご連絡が遅れましたことを深くおわび申し上げます
ここに故人が生前賜りましたご厚誼に対し
心より御礼申し上げます
〇〇年〇月
〇〇県〇〇市〇〇町〇〇-〇
喪主氏名

家族葬の事後報告をする際のマナー

最後に家族葬の事後報告をする際に気を付けたいマナーを説明します。特にはがきや書状を書く際に気を付けたいことを見ていきましょう。

時候の挨拶や頭語は使用しない

家族葬の事後報告では、「〇〇の候」などの時候の挨拶、「拝啓」などの頭語はいっさい使用せず、故人が亡くなったことをすぐに伝えるのがマナーです。
これには、「時候の挨拶を記載することを忘れるほど、大切な人を突然失った悲しみに暮れている」といった意味合いがあります。

句読点を使用しない

葬儀の挨拶状など、慶事や弔事の文章では句読点を使用しません。句読点は、文章を切ったり、終わらせたりするときに使用するので、「切る」や「終わる」といった不幸を連想させてしまうためです。
また、かつては毛筆を使って縦書きで書かれており、句読点はありませんでした。これにならい、正式な書面では句読点を使用したい場所に1文字分スペースを入れて対応します。

忌み言葉や重ね言葉を使用しない

不幸を連想させる忌み言葉、何度も繰り返すことを連想させる重ね言葉は使用しません。古くから縁起が悪い言葉とされ、弔事や慶事の際に使用するのはタブーです。
忌み言葉の例 壊れる、切れる、追って、崩れる
重ね言葉の例 重ね重ね、次々、益々、たびたび、わざわざ

薄墨を使用して書く

弔事関連の書面は、薄墨を使用して書くのがマナー。これは故人の死を悲しみ、涙で墨が薄まったことを意味します。パソコンで作成する場合は、黒ではなく、薄墨のように見えるグレー系の文字色に設定してください。喪中はがきの場合は、黒色を使用しても問題ありません。
手紙の場合でも、宛名は黒色で書きます。受け取る人は喪中ではないので薄墨を見て不快に思う場合や、郵送時に薄墨の文字では郵便局の機械が読み取れない可能性もあるためです。

家族葬を終えたら、故人が生前お世話になった人へ事後報告を

相手との関係によっては、事前に連絡できずに家族葬を終えてから事後報告をすることになります。なかには「早く知らせてほしかった」と不満を抱く人もいるかもしれません。
そのようなことも踏まえて、事後報告する場合は、なるべく早めに知らせるとともに、故人に対する生前の厚意への感謝を伝えてください。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーの講師も務める。東京・神奈川・埼玉を中心に都市部の葬儀相談をおこなっている。