喪中はがきの文例集【基本・シーン別】続柄一覧やマナーも解説
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方におすすめです
喪中はがきの基本の文例を知りたい
喪中はがきを書き方やマナーを知りたい
喪中はがきとは、年賀の挨拶を遠慮することを伝えるはがきです。日常的なことではないからこそ、出す際にはマナーや常識・文例を改めて確認する必要があります。今回紹介するのは、喪中はがきの基本文例や書く際の注意点。伝えるべきことを無駄なく簡潔に盛り込む方法です。
【基本】喪中はがきの文例
まずは喪中はがきの基本的な文例を内容ごとに分けて紹介します。冒頭は挨拶文から始まり、故人についての報告やお礼の言葉を述べ、結びの挨拶で締めるのが一般的です。
文例|冒頭の挨拶
喪中はがきの書き出しには挨拶文が必要です。通常の手紙は前文・主文・末文で構成されるのが主流ですが、喪中はがきなど弔事に関わる手紙では前文を省略します。
喪中は悲しみに沈んでいる気持ちを表すため、簡潔に済ませるのが一般的です。時候の挨拶などは書かずに、冒頭で喪中のために年賀を欠礼する旨を述べる構成にします。
喪中は悲しみに沈んでいる気持ちを表すため、簡潔に済ませるのが一般的です。時候の挨拶などは書かずに、冒頭で喪中のために年賀を欠礼する旨を述べる構成にします。
<文例>
・喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
・喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます など
・喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
・喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます など
文例|喪中の説明文
次に、喪中の説明として故人の名前や亡くなった日を続柄とあわせて記載します。故人の名前はフルネームを書きますが、自分と苗字が同じ場合は名前のみでも問題ありません。また、1枚の喪中はがきで複数の故人について同時に記載してもよいとされています。
故人の年齢は数え年で記載するのが一般的でしたが、最近は満年齢(実年齢)での記載も多く見られます。夫婦連名で送る場合は、世帯主から見た続柄を記載するのが通常です。
はがきの余白に一言添える「添え書き」は、喪中はがきには必要ありません。ただし、故人が生前お世話になった人に感謝の気持ちを伝えたい場合などは、添え書きをしてもよいとされています。
<文例>
・本年〇〇月に妻〇〇の父〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
・かねてより病気療養中の岳父〇〇が本年〇月に〇〇歳にて永眠いたしました
生前のご厚誼を深く感謝申し上げます
・去る〇月 母〇〇が天寿を全ういたしました
平素のご芳情を厚くお礼申し上げます など
・本年〇〇月に妻〇〇の父〇〇が〇〇歳にて永眠いたしました
・かねてより病気療養中の岳父〇〇が本年〇月に〇〇歳にて永眠いたしました
生前のご厚誼を深く感謝申し上げます
・去る〇月 母〇〇が天寿を全ういたしました
平素のご芳情を厚くお礼申し上げます など
文例|結びの挨拶
本文の最後は結びの挨拶で締めます。先方がよい年を迎えられるようにとの祈念の言葉を添えるのが基本です。
<文例>
・時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
・明年も倍旧のご交誼をお願い申し上げます
・みなさまによい年が訪れますようお祈りいたします など
・時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
・明年も倍旧のご交誼をお願い申し上げます
・みなさまによい年が訪れますようお祈りいたします など
喪中はがきの続柄一覧
喪中はがきの続柄とは、故人と喪中はがきの差出人との関係を表します。一般的に喪中は、2親等までの親族が亡くなった場合を指します。2親等よりも離れている場合は喪中はがきを用意しなくてもよいとされていますが、生前に親しくしていた親戚が亡くなった場合など、喪中はがきを用意する人もいます。故人の続柄をどのように書けばよいか分からない場合は以下の一覧を参考にしてください。
【0親等(親等なし)】
続柄 | 書き方(例) |
配偶者 | 夫・妻 |
【1親等】
続柄 | 書き方(例) |
父母
義父母
子ども
|
父・母・実父・実母
義父・義母・妻の父・夫の母・岳父
長男・長女・次女・次男・次女
|
【2親等】
続柄 | 書き方(例) |
兄弟姉妹
祖父母
義祖父母
孫
兄弟姉妹の配偶者
義兄弟姉妹
義兄弟姉妹の配偶者
|
兄・姉・弟・妹
祖父・祖母
祖父・祖母
孫・孫息子・孫娘
義兄・義弟・義姉・義妹
義兄・義弟・義姉・義妹
義兄・義弟・義姉・義妹
|
続柄の基準は、夫婦連名で送る場合であっても「世帯主から見た際の続柄」です。そのため、夫婦であれば夫、家族であれば父親を基準とするのが通常です。
喪中はがきの注意点
喪中はがきを出す際は、いつまでに準備し投函するのでしょうか。また書く際には、「年賀」の言葉や句読点を使わない、一字下げをしない、喪中以外の話題に触れないなどいくつか注意したい点があります。喪中はがきに絶対的なルールはありませんが、最低限押さえておくべきマナーをチェックしておくと恥をかく心配もないでしょう。
12月上旬までには投函する
喪中はがきを出す時期の目安は、11月上旬~12月上旬です。10月の発送では早すぎて忘れられてしまう可能性があり、12月中旬以降では既に準備し投函されてしまうことがあるためです。
喪中はがきを出すタイミングは?
年末が近くなると届き始める喪中はがき。出す側になる経験はそれほどなく、どんなことを書くのか、いつまでに出すのかなど、わかりにくいものです。ここでは喪中はがきを出す側が知っておきたい基礎知識について詳しくお話しします。
「年賀」は使わない
喪中はがきの本文は冒頭に挨拶を持ってくるのが通常ですが、その際、年始であっても「年賀」の言葉は使わないようにします。「賀」の文字には祝福するという意味があり、喪中はがきの内容には向かないためです。代わりに「年始・年頭・新年」のいずれかを使用するのが基本とされています。
もちろん「年賀はがき」も使用しません。切手部分が胡蝶蘭の柄のものが多く使用されています。
もちろん「年賀はがき」も使用しません。切手部分が胡蝶蘭の柄のものが多く使用されています。
一字下げしない・句読点を入れない
喪中はがきでは、通常の文章のように句読点を入れたり行頭を一字下げたりはしません。なお参考までに、このマナーは弔辞のみならず、結婚式の招待状や表彰状なども同様です。
また縦書きが一般的ではあるものの、横書きでも問題はありません。ただし、横書きは縦書きよりもカジュアルな印象が強いため注意が必要です。
個人的内容や近況報告は記載しない
喪中はがきには、喪中であるために年始の挨拶状を送れないおわびと故人の情報のみを記すのが基本。それ以外の個人的な内容や近況報告を書き込むのはマナー違反です。冒頭の挨拶、喪中の説明、結びの挨拶以外の内容は書かないようにしてください。もし近況報告などをしたい場合は、喪中はがきとは別に手紙を送るとよいでしょう。
派手なデザインにしない
喪中はがきはあくまでも喪中のお知らせであるため、派手なデザインのはがきは避けるのが無難です。イラスト入りなら落ち着いた印象のものを選び、文字色は黒か薄墨色を選びます。市販の喪中はがきを使う場合はマナーに沿っているため問題ありませんが、自分でデザインを選んだり作成したりする場合は注意してください。
【シーン別】喪中はがきの文例
実際の喪中はがきの文例をシーン別に紹介します。伝えるべきポイントを絞り、無駄なく簡潔な文章にまとめてみてください。
既に葬儀を済ませている場合
葬儀を済ませている場合は、「葬儀を済ませた事実」「通知が遅れたおわび」を記載します。香典を辞退する場合は、その旨もあわせて記載するとよいでしょう。
<文例>
喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます
去る○月 母 ○○が天寿を全ういたしました
本来ならすぐにお知らせすべきところでしたが 故人の遺志もありまして
葬儀は身内で執りおこないました
通知が遅れましたことをおわび申し上げます
なお お供え物や御香典などのお気遣いは辞退させていただきます
生前賜りましたご厚誼に深く感謝いたします
喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます
去る○月 母 ○○が天寿を全ういたしました
本来ならすぐにお知らせすべきところでしたが 故人の遺志もありまして
葬儀は身内で執りおこないました
通知が遅れましたことをおわび申し上げます
なお お供え物や御香典などのお気遣いは辞退させていただきます
生前賜りましたご厚誼に深く感謝いたします
故人が複数いる場合
故人が複数いる場合は、亡くなった順番に記載するのが通常です。
<文例>
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年○月に祖父○○が○○歳にて
本年○月に祖母○○が○○歳にて
永眠いたしました
生前のご厚情に深謝いたしますとともに
時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年○月に祖父○○が○○歳にて
本年○月に祖母○○が○○歳にて
永眠いたしました
生前のご厚情に深謝いたしますとともに
時節柄一層のご自愛のほどお祈り申し上げます
故人の情報を記載しない場合
故人の名前なしで出したい、故人の情報を記載したくない場合は、年賀欠礼とお世話になったお礼、引き続きのお付き合いのお願い、相手の健勝を祈る言葉のみの文面でも問題ありません。
<文例>
喪中につき新年のご挨拶は差し控えさせていただきます
本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
寒さに向かう折からくれぐれもご自愛ください
喪中につき新年のご挨拶は差し控えさせていただきます
本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
寒さに向かう折からくれぐれもご自愛ください
法人・会社として出す場合
最後は、取引先などビジネス関係の人に喪中はがきを出す場合の文例です。会長や社長が亡くなった場合や社葬をおこなった場合などに送ることもあるでしょう。
しかし、法人に喪中はないため、取引先などに気を遣わせないよう喪中はがきを出さないケースもあります。もし出す場合は、社名を添えて出すようにするのが主流です。
<文例>
喪中のため新年のご挨拶をご遠慮させていただきます
本年◯月 弊社◯◯(会社名) ◯◯(役職名) ◯◯(氏名)が永眠いたしました
ここにお得意様各位から賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
今後とも変わらぬご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます
喪中のため新年のご挨拶をご遠慮させていただきます
本年◯月 弊社◯◯(会社名) ◯◯(役職名) ◯◯(氏名)が永眠いたしました
ここにお得意様各位から賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
今後とも変わらぬご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます
喪中はがきの内容は文例を参考に熟考しよう
喪中はがきには、「冒頭の挨拶」「喪中の説明文」「結びの挨拶」を記載します。続柄の書き方のほか、「年賀」の言葉は使わない、句読点を入れないなど基本的なマナーを理解したうえで、故人を悼む心を忘れずに送ることが大切。シーン別に伝えるべきポイントが異なるため、紹介したシーンごとの文例を参考にして作成してみてください。
監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史
家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了