檀家とは?檀家の仕組み・費用・辞める方法など

お葬式のマナー・基礎知識
檀家とは?檀家の仕組み・費用・辞める方法など
お寺との関わりの中で「檀家(だんか)」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、具体的に自分の家がお寺の檀家になっているのか、そもそも檀家とはどのような意味があるのかなど、檀家についてあらためて考える機会はあまりないかもしれません。そこで今回は、檀家の仕組みやメリット・デメリット、費用面、檀家を辞める方法など、檀家に関して皆さんが知りたいと感じていることを詳しく解説します。

檀家の仕組みとメリット・デメリット

まずは檀家とはどのような仕組みなのか、檀家のメリット・デメリットを交えながら解説していきます。

檀家とは

檀家とは、とある寺院の信徒になってお布施などの経済的支援することで、葬式・法事をおこなってもらえる家のことを指します。

檀家になるには、契約を結んで入檀の手続きを踏みます。自分の先祖のお墓が寺院にあり、お彼岸やお盆など、定期的にお参りをしているという方も少なくないでしょう。

檀家だからといって、必ずしもその寺院にお墓があるとは限りません。ご本人が知らなくても、先祖代々特定の寺院の檀家になっている場合もあります。

檀家のメリット

檀家のメリットとして、まずあげられるのは、法要の際、優先的に対応してもらえること。
法要では僧侶に読経などをおこなってもらいますが、僧侶の人数は限られています。もし同じタイミングで複数の法要が被ってしまったら、時間帯や日程の調整が必要です。こういったときに、檀家は優先的に対応してもらえます。

また、葬儀や法要の事前相談ができる点もメリットです。葬儀や法要はそう頻繁におこなうものではないため、いざ取り仕切る場面になると、何をどうすれば良いのかわからないこともあり得ます。
檀家になっていれば所属している寺院にすみやかに相談し、必要な対応をおこなってもらえます。

お墓をしっかり管理してもらえることも大きなメリットの1つです。
家族の誰かが毎日お墓を管理するのは現実的ではありません。しかし、檀家になれば、お墓のある寺院に管理を任せることができるため安心です。

檀家のデメリット

デメリットは、入檀や離檀、お布施、寄付などさまざまな場面で払わなければならない費用があることです。
檀家制度は無料ではありません。費用の設定の仕方は寺院によって異なりますが、ほとんどの場合、少なくない金額が発生します。

檀家として発生する費用と相場

それでは、檀家になるとどのような費用が発生し、だいたい相場はどのくらいなのか、具体的にみていきましょう。

入檀料

檀家になるときにかかる費用です。10万円~30万円ほどが相場となっています。
なお、入檀料は入檀するときに限り発生する費用です。

葬儀・法要などのお布施

葬儀や法要の際、檀家は所属している寺院にお布施を払います。葬儀の場合、お布施の相場はだいたい30万円~50万円、法要の場合は3万円~10万円ほどです。
なお、葬儀の内容によってお布施の金額は大きく変動する可能性があります。
具体的には、葬儀の規模、僧侶の位、僧侶の人数、読経の回数などが金額変動の要素です。

寺院・墓所などの維持管理にかかる寄付

そのほか、寺院や墓所などの維持管理にかかる費用の寄付もしなければなりません。
寄付金額は、その目的などにもよりますが、1口1円~数万円に設定されている場合が多いでしょう。
なお、寺院や墓所が古く、修繕の必要が頻繁に発生するようなら、寄付を求められる頻度も当然多くなります。大規模な改修や建て替えをおこなうとなると、通常の相場以上の寄付を求められる可能性もあります。

檀家を辞める場合の手順と注意点

もし檀家を辞めたいときは、どのように行動すればよいのでしょうか。具体的な手順と、檀家を辞める前に確認しておきたい注意点などを解説します。

檀家は辞められるのか

結論から言えば、檀家を辞めることは可能です。
檀家になるには「入檀」という契約をしますが、これを破棄することを「離檀」といいます。具体的な離檀の内容には、お墓を別の場所に移す「改葬」などがあります。

檀家を辞める場合の手順

まずは寺院に離檀の意を伝えます。
離檀は檀家の自由ですが、長年お世話になった寺院に伝え辛いと感じる方もいることでしょう。面と向かって離檀を言い出しにくかったり、居住地から遠かったりする場合は、手紙も有効です。
檀家が減れば、お布施や寄付をしてくれる人が減るので、寺院もこころよくは思わないかもしれません。揉めごとに発展すれば、スムーズに離檀を進められなくなる可能性もあります。
そこで「家庭の事情で墓じまいをすることになった」などと、うまく状況を説明できれば、離檀もやむを得ない状況として、話を進めやすくなります。直接出向く場合でも手紙の場合でも、寺院に離檀を伝えるときのポイントは同じです。

離檀の意を伝えたら、次に離檀料を支払います。離檀料の相場はおおよそ5万円~20万円ほど。

その後お墓の引き上げを行います。引き上げの際には、お墓の閉眼供養など、さまざまな供養をしてもらいます。お墓の撤去や墓地の整備なども必要です。お墓から遺骨を移動させるには、自治体の「改葬許可証」がいります。

檀家を辞めるにはさまざまな手続きが必要になります。しっかり段取りを確認しておきましょう。

檀家を辞める前に考えておきたい注意点

まず注意したいのは離檀料です。相場よりはるかに高額な料金を請求されるなど、金銭トラブルに発展する場合もあります。できれば、入檀の際に離檀料についても確認をしておくべきです。

葬儀や法要の際、頼れる寺院がなくなることも留意します。
檀家を辞めることは、それまで寺院から受けてきたメリットも手放すということです。今後、法要や葬儀をするときには、どのように対応するかを考えておく必要があります。
また、離檀後のお墓の所在も決めなければなりません。

檀家について正しく理解し寺院との関わり方を考えよう

檀家について詳しく知ることは、自分たちの家庭の状況やライフスタイルを見直すことにもつながります。寺院とどのように関わっていけばよいのか、さらには葬儀をどのようにおこないたいのか、を考える機会にもなることでしょう。