納骨式の参列マナーとは?服装や香典、お供えの選び方
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方にオススメです
納骨式に初めて参加する
納骨式(のうこつしき)とは、骨壺に収容した遺骨をお墓や納骨堂に納める儀式を指します。今回は、納骨式へ参列することになった人に向けて、どんな服装で行けばいいのか、お香典など何を持っていけばいいのかなど、参列マナーの疑問にお答えします。
納骨・納骨式に呼ばれたときのために
納骨式(のうこつしき)への参列マナーを知る前に、納骨と納骨式について整理しておきましょう。
納骨とは
納骨は、火葬の後に遺骨を骨壺に納めることです。また、寺院や霊園にあるお墓や納骨堂などに納めることも指します。
納骨式とは
納骨式は、亡くなった方の遺骨を墓石のカロートと呼ばれる場所などに埋蔵する儀式のことです。火葬されたお骨を骨壺に入れ自宅に安置して供養するのは一般的に命日から49日目までとされています。49日目を迎える前に家族・親族で四十九日法要を営み、納骨式がおこなわれます。納骨式のみの所要時間は30分ほどが主流です。
納骨と納骨式について詳しくは以下の記事でご紹介しています。式を取り仕切る喪主(施主)向けの内容にもなっているので、参考にしてください。
納骨のいろは。知っておきたい納骨に関する知識とマナー
お葬式やお通夜に参加する機会があっても、納骨式に参列したことがあるという方は少ないでしょう。今回は、納骨に適している時期や準備、マナーについてご紹介します。
納骨式に参列する際の服装マナー
お通夜や葬儀・告別式へ参列するときは一般的に喪服を着ます。その知識はあっても納骨式へは何を着ていけばいいのか悩む人も多いはず。こちらでは納骨式への参列時の服装に関するマナーをご紹介します。
納骨式の時期で着る服が違う
納骨式が亡くなってから49日目よりも後におこなわれる場合には、参列者は平服(略喪服のこと)でも構いません。火葬のすぐあとなど、四十九日法要を迎える前に納骨する場合は基本的に喪服で参列します。
なお、施主および遺族は一周忌までは喪服を着るのがマナーとされています。
なお、施主および遺族は一周忌までは喪服を着るのがマナーとされています。
具体的にどんな服装がふさわしいか
どの法要においても参列者は遺族の服装よりも格上にならないようにするのがマナーとされています。女性も男性も黒のほか、紺やダークグレーなど地味な色のワンピースやスーツを選びましょう。靴やストッキング・靴下も黒で統一します。寒い時期の納骨式への参列は黒やダークカラーで、無地か落ち着いたデザインのコートを羽織るとよいでしょう。
服装への考え方は地域によっても異なるため、事前に確認しておくと安心です。
服装への考え方は地域によっても異なるため、事前に確認しておくと安心です。
家族だけの時の服装は?
家族だけで納骨を済ませることもあります。親族や友人が参列しない場合の服装にとくに決まりはありません。かといってジーパンにTシャツなどのカジュアルスタイルでよいというわけではないので、施主や年長者の意見を聞いて、喪服にするのか平服にするのか判断するといいでしょう。
参列者が納骨式に用意しておきたい香典
参列する際に知っておくべきマナーについて、しっかりと確認しておきましょう。服装やお香典、お供え物などの基本を知っておくことで、故人を気持ちよく送ることができます。
納骨式の香典の相場
参列するときは、お香典を準備しておきます。納骨式のみの香典の相場は5,000円程度といわれています。会食があるケースではその分をプラスして、10,000円程度を用意します。ただし納骨が葬儀と間をおかずに執りおこなわれる場合には、お通夜や葬儀・告別式で渡す香典のみ準備します。四十九日法要と同時に納骨をする場合も法要のための香典をひとつ準備し、納骨式への香典は不要となります。
納骨式の香典は薄墨か
納骨式に持参する香典の表書きは濃墨(こずみ)で書き、その下に氏名を記します。お札も納骨の時期は俗にピン札と呼ばれる新札でも問題ないとされています。香典は薄墨(うすずみ)で書くものと聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、薄墨を使うのはお通夜と葬儀・告別式のときのみです。
お香典の表書きは、納骨式がおこなわれるタイミングによって異なります。四十九日法要までは「御霊前」、法要以降は「御仏前」とします。迷った場合には、「御香典」と記載すれば、失礼にはなりません。
また、神道では「御玉串料」や「御神前」とし、キリスト教では「御花料」と書きます。
お香典の表書きは、納骨式がおこなわれるタイミングによって異なります。四十九日法要までは「御霊前」、法要以降は「御仏前」とします。迷った場合には、「御香典」と記載すれば、失礼にはなりません。
また、神道では「御玉串料」や「御神前」とし、キリスト教では「御花料」と書きます。
【分かりやすい】香典袋の正しい書き方。
一般的な香典袋には外袋と中袋があり、それぞれ記載する内容が決まっています。本記事では、香典袋の正しい書き方を外袋と中袋に分けて紹介。また、中袋がない香典袋の書き方や記入する際に使うペンの種類など、注意点やマナーも分かりやすく説明します。
納骨式を欠席する場合、香典はどうする?
案内をもらっても、さまざまな事情で納骨式に参列できないこともあるでしょう。その場合は、なるべく早めに参列できないことを施主に伝えます。その上で相場と同じく5,000円程度の香典を包んで、手渡しもしくは郵送します。このとき、納骨式よりも前に届くようにしましょう。
欠席する場合の香典は必須ではありませんが、故人を想い、遺族の気持ちを慮って贈ることで自分の気持ちも落ち着くのではないでしょうか。
香典を郵送する際には手紙を添えて現金書留で。送り方のマナーについては次の記事を参考にしてください。
欠席する場合の香典は必須ではありませんが、故人を想い、遺族の気持ちを慮って贈ることで自分の気持ちも落ち着くのではないでしょうか。
香典を郵送する際には手紙を添えて現金書留で。送り方のマナーについては次の記事を参考にしてください。
香典を郵送するときは手紙を添えて。マナーや文例を紹介
遠方であったり、コロナ禍で外出を控えていたりするような場合には、手紙とともに香典を郵送することで、お悔やみの気持ちを伝えられます。本記事では香典を郵送する際に添える手紙のマナーと文例、郵送の仕方を解説します。
納骨式への参列にお供えを持って行く?
納骨式には香典のほかにお供え物を持っていってもいいのか気になるところ。こちらではお供え物についてのマナーを確認していきます。
納骨式にお供え物は必要?
お墓へのお供えの品は施主が準備していることが多いです。そのため用意しなかったからといって失礼にあたることはありません。
自主的にお供えをしたい場合や納骨式に参加できなかった人からお供えを預かることもあるでしょう。その際は、「品物」はもちろん、「御供物料(おくもつりょう)」として現金を渡してもいいでしょう。ちなみに、お供え物(品物)の掛け紙は黒白や黄白の水引のもので表書きは「御供物」とします。また、お供えの金額の目安は、5,000~10,000円ほどです。
自主的にお供えをしたい場合や納骨式に参加できなかった人からお供えを預かることもあるでしょう。その際は、「品物」はもちろん、「御供物料(おくもつりょう)」として現金を渡してもいいでしょう。ちなみに、お供え物(品物)の掛け紙は黒白や黄白の水引のもので表書きは「御供物」とします。また、お供えの金額の目安は、5,000~10,000円ほどです。
持参するとよい納骨式のお供え物とは
納骨式のお供え物としてはお花やお菓子、フルーツなどが一般的です。故人の生前の嗜好に合わせて食べ物を用意してもいいでしょう。お菓子を選ぶときは個包装されていて日持ちがするものにすれば受け取った施主や遺族が分けて持ち帰りできるのでおすすめです。お酒はお寺や霊園によっては避けた方がよい場合があるので確認すると安心です。このほか線香やろうそくも好まれます。また、墓前にスペースが取れないときは、果物などのお供えがカゴに入っているものが重宝します。
お花は、菊やカーネーション、リンドウなど、落ち着いた色で香りの強すぎないものを選びます。
お花は、菊やカーネーション、リンドウなど、落ち着いた色で香りの強すぎないものを選びます。
マナーを押さえて納骨式へ参列を
あまり参列する機会のない納骨式でも知識を備えておけば、案内状をもらったときに慌てることなく安心です。納骨式を無事に終えて、故人のあの世での幸せをゆっくり祈りたいですね。
この記事の監修者
瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。