正座でしびれない方法とは?しびれない座り方や対策・コツ

お葬式のマナー・基礎知識
正座でしびれない方法とは?しびれない座り方や対策・コツ
長時間の正座は足がしびれてつらいものです。足をしびれさせないためには、そのメカニズムを理解し、正しい座り方を意識することが大切。この記事では、正座でしびれない方法やしびれを防ぐ対策を紹介します。法事などで正座をしなければならなくなったときに役立ててください。

正座でしびれる理由としびれないコツ

正座で足がしびれるメカニズムやしびれないコツを紹介します。

足がしびれるメカニズム

正座は両膝をつけ、足を折り曲げて座る姿勢が基本です。この姿勢で長くいると、足に体重がずっしりと乗ることで血管が押し付けられて血流が悪くなり、また、足やお尻の神経が圧迫されて動きが鈍くなります。いつもと違う状態を察知した神経が「異常事態が起きている」ことを体に知らせるための電流が、足のしびれの正体です。

正座の状態が長引くほどに足の感覚がなくなるのは、神経が麻痺しているサイン。触っても何も感じなくなり、立ち上がるのが困難になります。足のしびれでつらい思いをしないためには、血流を良くし神経を圧迫しないことが重要です。

正座でしびれないコツは「体重のかけ方」

正座でしびれない一番のコツはある程度の慣れだそうです。ただ、畳よりもフローリング、こたつよりもテーブルや椅子での生活が多くなった現代では、正座に慣れていない人も多いと思います。長時間正座しなくてはならない場合は、足の甲や足首などの一点に体重がかからない座り方を心掛けてください。足の神経の圧迫を防ぎ、しびれを回避できます。具体的な正座の仕方、体重移動の方法は次で詳しく説明します。

足がしびれない正座の方法

しびれを防ぐためには、正しい座り方を心がけるのがコツです。ここでは、気を付けたい3つのポイントを紹介します。

背筋を伸ばす

お尻側に体重がかかると、足の甲や足首などが圧迫されます。正座でしびれることが多い人はお尻側に体重をかける傾向があるので、注意が必要です。背筋を伸ばして正座をすれば重心が変わり、足の先端部に負担がかかりにくくなります。猫背になり、姿勢が悪くなるほど足を圧迫します。

背筋を伸ばせば体重が1点にかかりにくいだけでなく、見た目が良くなります。周囲にきちんとした印象を与えるためにも、ピンと伸びた背筋を意識的に作ることが大切です。長時間正座をすると徐々に背中が曲がりがちな人は、頻繁に背筋に注意を向けると良いです。

足の間にお尻を収める

かかとの上にお尻を乗せるとそこに体重がかかって足がしびれやすくなる上、前傾姿勢になって見栄えが悪くなります。足のしびれを抑え、きれいな姿勢を保つためには足とお尻の位置関係を気にかけてください。

まず膝をついた状態で、左右の親指を重ねて八の字の形にします。続いて、八の字を作った足の間にお尻を収めるように腰を下ろします。この座り方なら足先に重心が偏らず、しびれを抑えられます。

重ねた親指の上下を定期的に入れ替えるのも有効です。血流が良くなり、しびれが予防できます。座布団がある場合は、指先が座布団の端にくるように座るのがおすすめ。座布団のクッションにより指先の圧迫が防げて、しびれにくくなります。

膝と腹筋を意識する

膝をくっ付けず、少し離して座ると足への圧迫を防げます。男性は、こぶし1個分程度なら膝の間隔をあけても違和感はないと考えられます。女性は、膝の隠れる服装や着物であれば3、4センチほど間隔をあけると良いです。間隔をあけすぎると周囲の印象が悪くなることがあるため、見栄えにも注意しながら座りやすい姿勢を作ってください。

また、座るときに腹筋を意識することも重要です。腰を上げるイメージで腹筋に力を入れると、足への負担を軽減できます。お腹を出して座る姿勢が普通になると腹筋に力を入れるのを忘れやすくなるので、日頃から腹筋を意識した座り方を取り入れてはいかがでしょうか。

正座中の対策

正しい座り方以外にも、しびれを防ぐポイントがあります。ここでは、その他に気を付けておきたいしびれ対策を紹介します。長時間にわたって正座をする必要がある場合は、ぜひ参考にしてください。

服装に気を付ける

法事など長時間の正座が求められる場面では、血流を圧迫しない服装を選んだ方が無難です。きついズボンやタイトなスカートは避け、なるべくゆったりとしたデザインの衣服を取り入れてください。
また、しびれを予防する方法として膝の間隔をあける方法を紹介しましたが、丈の短いスカートだとそれができません。正座をするときは膝をあけているのを周囲に悟られないように、膝が隠れる服装がおすすめです。座ったときの見え方も考慮して、正座時の服装を選んでください。

座布団・正座椅子を活用する

畳や床に直接座るよりも、座布団を使った方がしびれの防止につながります。座布団を使っても長時間の正座がつらい場合は、正座椅子が役立ちます。正座椅子とは、お尻と足の間に入れられるクッション付きの椅子のこと。正座がつらい人だけでなく、膝に持病があったり、腰痛持ちだったりする人にも適しています。
正座椅子は足とお尻の間に置くだけで簡単に使えるので、気軽に活用できるのが嬉しい点です。組み立て式などさまざまなタイプがあり、用途に合わせて選べます。利用したい場合は法事などの会場にあるかどうかを確かめておきます。

足がしびれたときの解消法

正しい姿勢で座っていても、足がしびれてしまうことがあります。正座の最中、また正座を終えた後のしびれの解消法を紹介します。

正座中のしびれ解消法

正座中にしびれそうになったら、片方の足に重心を移してください。様子を見て交互に足を休ませると、しびれ解消につながります。これも、膝が見えない長さのスカートや着物なら、重心を移す動きがわかりづらいです。

大切なのは、神経と血管を圧迫しない状態を作ること。慣れもあるので、正座の予定がある場合は事前に練習をすると良いかもしれません。

むずむず動くのを見られたくない場合は後ろの方の席を陣取るのも有効です。

正座後のしびれ解消法

足がしびれたときは無理に立ち上がらないことが大切です。足が麻痺して感覚がなくなっている状態なので、すぐに立ち上がろうとすると転倒の危険があります。しびれの解消を待ってから立ち上がってください。
しびれてしまったときは、立ち上がる前に爪先を立てるのがポイントです。かかとの上にお尻を置き、少しずつ重心をかけるとしびれが取れやすいはず。この方法なら周りから見ても違和感がないので、気軽に取り入れられます。他には、足の親指を曲げ伸ばしする方法もおすすめです。血流が良くなり、立ち上がった際のふらつきを防げます。

葬儀ディレクターでも足はしびれる

どうしてもしびれが良くならない場合は座ったままゆっくりと足を伸ばし、しびれがなくなるのを待つと良いです。しびれたことを周囲の人に説明すれば、姿勢を崩しても理解を得られるでしょう。長い正座のあとの足のしびれは誰でも起こりうるので、恥ずかしく感じることはありません。うまく切り抜けられただけで、周りも同じような状態かもしれません。

お葬式や法事の打ち合わせなどをする葬儀ディレクターも正座で足がしびれることはあります。中にはしびれているのに無理をして立ち上がって転倒し、骨折したという人もいます。正座の後は無理をしないという教訓になっています。ファミーユの家族葬ホールはもちろん、昨今の葬儀場は椅子での打合せなのでご安心ください。

正しい座り方を心がけよう

正座の“正しい座り方”はしびれ防止になるだけでなく、美しい姿勢が身に付きます。インナーマッスルも鍛えられそうです。また正座には慣れも必要です。長時間の正座をする予定がある場合は、普段の暮らしにも正座を取り入れて練習してみてはいかがでしょうか。