四十九日のお供え物は何が適している?選び方・相場・マナーを解説

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四十九日のお供え物は何が適している?選び方・相場・マナーを解説

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四十九日のお供え物を贈る
四十九日のお供え物に関するマナーを知りたい
四十九日法要に参列する際は、香典かお供え物、またはその両方を贈ります。お供え物は何でも良いわけではなく、なかには適さないものもあるので選ぶ際は注意が必要です。今回は四十九日のお供え物に適しているもの・適さないものを紹介します。あわせて、お供え物の相場と渡す際のマナーについても解説します。

【基本】四十九日に適したお供え物と選び方

四十九日などのお供え物は、後に残らない「消え物」が適しています。贈るタイミングが違っても、お供え物に関するマナーは基本的に同じです。しかし、なかには四十九日にふさわしいものもあるので、知っておいて損はありません。まずは四十九日に贈るお供え物に適したものと、選ぶ際の注意点を紹介します。

お花:白い花を選ぶ

四十九日までに贈る花は、白で落ち着いた印象のものを選ぶのがおすすめです。例えば、胡蝶蘭やユリ、リンドウ、キンセンカといった花がよく選ばれます。法要では生花を贈るのが基本ですが、プリザーブドフラワーでもマナー違反ではありません。

お菓子:日持ちするものを選ぶ

法要後すぐに消費できないことを考えて、なるべく日持ちがするものを選びましょう。お菓子は洋菓子でも和菓子でも構いません。洋菓子なら、クッキーやマドレーヌ、ゼリーなどが人気です。和菓子は、ようかんや饅頭、せんべい、落雁などがよく選ばれています。
遺族が分け合えるように、小分けされているものがおすすめです。生菓子は日持ちしないので避けた方が良いでしょう。

果物:旬のものを選ぶ

果物は故人が好きだったもの、旬のもので問題ありませんが、モモやリンゴ、ブドウといった丸い形のものが好ましいとされています。丸い形は「魂を表す」という説もあります。ただし「円(まるい)=縁」を連想させることもあり、縁を連想させることは冠婚葬祭の葬祭では避けられてきた背景から気にされる方もいます。送り先に確認をした上で選ぶのが望ましいでしょう。
果物の数は、5・7・11個といった奇数を選ぶのが望ましいです。偶数は割り切れることから「別れ」を連想させます。なかでも4(死)個は縁起が悪いので避けましょう。その他、9(苦しみ)個も避けるのがマナーです。
四十九日法要には、飾る際の見栄えを考えてカゴに盛られたものがよく選ばれています。なお、法要の果物は、高島屋や千疋屋、その他ネットショップ、スーパーなどで購入できます。

飲み物:故人が好きだったものを選ぶ

お茶やジュース、お酒など、故人が好きだった飲み物もよく選ばれています。ただし、お酒の場合は遺族が飲まないともらった後の対応に困ってしまうことも。なかには、お酒がタブーな宗派もあるため、お酒を贈る際は遺族に確認した方が良いでしょう。飲み物は重たいので持参ではなく、郵送で贈る人が多いようです。

お線香・ロウソク:香りを意識して選ぶ

お線香とロウソクは仏壇へのお参りの際にも使うので、喜ばれやすいお供え物です。お線香とロウソクがセットになったものもあります。お線香の香りは無香から花の香りまで種類が豊富にあるので、故人や遺族のことを考えながら選ぶと良いでしょう。
お線香の選び方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

【注意】四十九日や他の宗教に適さないお供え物

お供え物を選ぶ際は、どの宗教であっても遺族への負担にならないものを選ぶのが基本です。神道やキリスト教では四十九日法要はおこなわれませんが、それにあたる儀式などに贈り物をする場合は注意が必要です。ここでは、仏教の四十九日や他の宗教儀式に適さない供え物を紹介します。

基本:遺族に負担のかかるものは避ける

お花や果物を贈る際は次の点に注意してください。
<お花>
バラを始めとするトゲのある花や、香りが強すぎる花は避けた方が良いでしょう。トゲのある花はお供え物にふさわしくないとされている上に、お手入れも大変です。また、香りの好みは人それぞれあり、強すぎると不快に感じられることもあります。
<果物>
日持ちしないもの、ニオイが強いものは避けましょう。日持ちしない果物は、傷んだ際に出る汁で仏壇が汚れてしまう可能性があります。またお花と同様、ニオイが強い果物も避けた方が無難です。

仏教:肉・魚・酒は避ける

仏教では殺生が禁じられているため、「四つ足生臭もの」と呼ばれる肉や魚は、仏教のお供え物に適しません。お酒は先述した通り、宗派によっては適さないとされる場合があるので注意しましょう。
しかし、故人が好きだった場合は、仏壇に供えてあげたいと思うかもしれません。その場合は一方的に贈ることはせず、遺族に確認してから贈ることをおすすめします。

神道:お線香は贈らない

神道の五十日祭が、仏教の四十九日にあたります。神道ではお線香を一切使用しないため贈らないように注意しましょう。神道でも「四つ足生臭もの」は避けた方が良いとされています。
神道の五十日祭では、故人が好きだったものを始め、お米やお酒などを供えます。仏教ではお酒がタブーの場合もありますが、神道ではお酒を贈っても問題ありません。

キリスト教:供物ではなくお花を贈る

キリスト教には仏教の四十九日にあたる儀式はなく、1~2ヵ月後に墓地への埋葬や納骨施設への収蔵をおこないます。

プロテスタントでは亡くなってから1カ月目の命日を召天(しょうてん)記念日として、牧師が記念式を取り仕切ります。同じく1カ月後の月命日に、カトリックでは神父による追悼ミサがおこなわれます。両者とも式後に納骨します。
仏教や神道と違ってお供え物を贈る習慣もありません。哀悼の気持ちを示したい時には、葬儀が終わり落ち着いた頃に、バスケットフラワーや花束を遺族の自宅へ贈るのが良いとされます。花は白いユリやカーネーションなどがよく選ばれています。

四十九日のお供え物の相場

四十九日のお供え物の相場は、香典の有無によって異なります。

<相場>

  • 香典なし:5,000~10,000円程度
  • 香典あり:3,000~5,000円程度
遺族側はお供え物を受け取ったら返礼品を用意します。お供え物や香典が相場以上に高いと、遺族に負担がかかってしまうため、香典を渡す際はお供え物の金額を控えめにしてバランスを取りましょう。

四十九日のお供え物に関するマナー

四十九日のお供え物を用意するときや、渡すときにはいくつかのマナーがあります。それぞれのマナーを紹介します。

お供え物は到着したタイミングで渡す

法要に参加する場合は、玄関に到着したときがお供え物を渡すタイミングです。施主に出迎えられた際に、「この度はお招き頂きありがとうございます」と挨拶をし、「こちらを御仏前にお供えください」と伝えてから渡しましょう。
手渡すときは袋や風呂敷から品物だけ取り出します。勝手に仏壇に供えたり、施主以外の人に渡したりするのはマナー違反です。

四十九日法要に参列できない場合はお供え物を郵送する

何らかの理由で四十九日法要に参列できない場合もあるでしょう。そのようなときは、お供え物を郵送する方法もあります。贈るタイミングは、四十九日法要の2~3日前か遅くとも前日まで。郵送の際はお届け予定日を遺族へ事前に知らせておくと親切です。お供え物を郵送する際には、手紙を添えて送るようにしましょう。

のしではなく掛け紙を使う

四十九日のお供え物には、のしではなく掛け紙を使います。のしは慶事に使うものなので、弔事である葬儀や法要には適しません。水引は結び切りで、色は白黒か双銀のものを使いましょう。関西などの西日本では黄色と白の水引を使うこともあるため、身近な人に確認してから贈ると安心です。

掛け紙の表書きは「御仏前」

四十九日法要の前に渡すお供え物には「御霊前」と書いた掛け紙を使いますが、四十九日以降は「御仏前」とするのが一般的です。四十九日をもって故人は極楽浄土へ行くと考えられていることが理由です。ただし浄土真宗では、死後にすぐ極楽浄土へ行くという考え方があるため、常に「御仏前」と書きます。
なお、神道の場合は「奉献」、それ以外の宗教または宗教や宗派が分からない場合は、「御供」「御供物」として贈りましょう。

四十九日のお供え物はマナーを守って気持ちを伝える

四十九日のお供え物は、適したもの・適さないもの・相場などを確認して選ぶのがおすすめです。基本的には他の法要で渡すのと同じお供え物なので、この機会に把握しておくと今後も役立つでしょう。お供え物を用意するときや渡すときのマナーも守り、故人を偲ぶ気持ちを伝えてください。

この記事の監修者

政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーの講師も務める。東京・神奈川・埼玉を中心に都市部の葬儀相談をおこなっている。