手元供養の方法や遺骨の保管方法を解説!故人といつまでも一緒に

わたしのお葬式
手元供養の方法や遺骨の保管方法を解説!故人といつまでも一緒に
手元供養(てもとくよう)とは、遺骨を自宅で保管して供養することです。最終的にはお墓に入れる、散骨をするなどの埋葬が必要にはなりますが、少しでも長く故人を身近に感じていたいと選ばれる遺族が増えています。本記事では、手元供養の方法や手続き、遺骨の保管方法を分かりやすくお伝えします。

手元供養の概要と手続き

大切な人とはいつまでも一緒にいたいもの。故人のそばにいられる手元供養について、概要や手続き、注意点について紹介します。

手元供養の概要

手元供養とは、遺骨をお墓に納めずに自宅で保管して供養することです。手元供養には、すべての遺骨を自宅保管する「全骨安置」と、遺骨の一部を手元に残し残りを納骨・散骨する「分骨安置」の2種類があります。遺族は自由に選ぶことができるのです。

また、遺骨の納め方と言えば骨壺をイメージする人が多いかもしれませんが、手元供養のアイテムにはいろいろあります。より身近に故人を感じたい、見守ってもらいたいなどという思いから、遺骨をアクセサリーにしたり、インテリアに加工したりする人もいます。

手元供養が選ばれる理由

手元供養をする人が増えてきている理由として一番に挙げられるのは、故人を身近に感じていたいという思いです。大切な人を亡くしてしまったことによってできた心の穴を、そう簡単に塞ぐことはできません。手元供養でその人を身近に感じることで、心が癒されるのです。

また、お墓が遠い、経済面や後継者がおらずお墓を立てられない、お墓があってもその維持が負担になるなどの問題から、選ばれるという背景もあります。

手元供養で分骨する場合の手続き

手元供養そのものに手続きは必要ありません。ただし分骨する場合には、状況に応じて書類を発行してもらう必要があります。あらかじめ手元供養と分骨を決めている場合には、火葬場で「分骨証明書」を発行してもらいます。

一方、お墓に納めた後に手元供養がしたくなった場合は、納骨した墓地の管理者に「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。また、手元供養した遺骨を後からお墓に納めたいという場合にも「分骨証明書」が必要です。将来的に遺骨をお墓に納める可能性が少しでもある場合には、念のために「分骨証明書」を取っておくことをおすすめします。

手元供養品の種類と価格相場

実際の手元供養に使う、手元供養品の種類とそれぞれの価格相場を紹介します。

ミニ骨壺

骨壺と聞くと大きなものを想像しがちですが、ミニ骨壺は従来の骨壺よりかなりコンパクトです。サイズは片手に収まるものから両手で持てるくらいのものがよく使われています。陶器製、金属製、木製、ガラス製など素材も、色柄といったデザインも豊富なので、インテリアに馴染みやすいです。

ミニ骨壺には遺骨を粉骨してパウダー状にして納めます。カビなどから遺骨を守るためにも、密閉できるようなミニ骨壺がおすすめ。価格は素材やデザインによって異なりますが、お手ごろなものであれば1,000円くらいで購入できます。デザイン性が高ければ数万円、さらに高価なものになると数十万円と、価格もさまざまです。

ミニ仏壇

数十年前までは、大きくて立派な仏壇が置いてある家は決して珍しくありませんでした。しかし最近は、さまざまな住宅タイプに馴染むようなミニ仏壇を購入する人も増えています。

ミニ仏壇は和室、洋室など部屋のタイプに関係なく置けるのが利点。デザインも豊富なので、設置する部屋のインテリアに合う仏壇がきっと見つかるはずです。デザインによっても異なりますが、価格帯は3,000円~150,000円程度になります。

遺骨アクセサリー

大切な人の存在を常に身近に感じていたいという人におすすめなのが遺骨アクセサリーです。これは、遺骨を中に入れられるネックレスや指輪、ブレスレット、ペンダントなどのことで、手元供養の方法として男女問わず人気があります。

故人を身近に感じられるアクセサリーですが、中には金属アレルギーのため、アクセサリーを習慣的に付けないという人もいるでしょう。そのような人の場合は、アレルギーが出にくいとされている、プラチナ素材・チタン加工素材・ステンンレス素材・ガラス素材などがおすすめ。アクセサリーの種類や素材などによって価格が異なるため、1,000円以下のものから100,000円以上のものまでと幅広いです。

遺骨プレート

手元供養の中でも、最近注目を集めているのが遺骨プレート。これは別名メモリアルプレートやエターナルプレートとも呼ばれており、遺骨を加工してプレート上に成型します。遺骨プレートは大変手間をかけて作られており、はじめに火葬後の焼骨から不純物を取り除き、白くてきれいな遺骨だけを使用していきます。その後パウダー状にしたら、金属化合物粉末と合わせて加工し、プレート状にしたものをゆっくり焼き上げてようやく完成します。価格は100,000円~300,000円が一般的です。

手元供養の注意点

手元供養をする際に気を付けたいのがカビの発生。湿度の高い日本では、保管方法を誤るとカビが増殖します。そこで、遺骨をカビから守る方法を含めた保管方法と、その他の手元供養の注意点について紹介します。

注意点①保管場所

カビは高温多湿の場所を好みます。そのため、カビが増殖しやすいような台所や風呂場などの水回り付近には置かないように気を付けなくてはいけません。遺骨の保管場所としておすすめなのは、風通しが良く、直射日光が当たらない場所です。また、高温の場所でなくても気温差が生じるような窓の近くなどの場合は、結露の水滴などによりカビが生える可能性があります。

また、骨壺の場合は密閉・密封することによってカビを防ぐことができます。しっかりと密閉される骨壺を選ぶか、もしくはパウダー状にした遺骨を真空パックにして収納するのもおすすめです。

注意点②紛失

手元供養品を選択する際には、紛失する可能性についても考慮しておいた方が良いです。例えば災害のとき。万が一、地震や火事などの災害に遭ってしまった場合に、遺骨を紛失することもあります。また、身に付けるタイプの手元供養品は、落としてしまう可能性も考えられます。
手元供養は、紛失の可能性について理解した上で、どのようなタイプにするのかを考えると良いです。

注意点③親族トラブル

近年、分骨や手元供養が増えてきていると言っても、中にはそれらを快く思わない人もいます。特に意思の確認をしておくべきなのが親族間です。分骨や手元供養をする際は、事前に親族間で十分に話し合いをして置くことが大切。トラブル回避のためにも、自分1人で決めることは避けるのが賢明です。

手元供養で大切な方といつまでも一緒に

大切な人をいつでも身近に感じられる手元供養は、残された家族の心の支えになります。ただし、供養方法についての意見が異なる場合には親族間での話し合いが大切です。手元供養について十分に理解した上で、手続きを進めましょう。