香典の連名(2・3・4人以上)|書き方・金額に関するマナー
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方におススメです
香典を連名で出す
香典を連名で出す場合の書き方や金額を知りたい
夫婦や友人、会社など、香典を連名で出すことは可能です。しかし、人数や関係性によって書き方や金額に関するマナーは異なります。悲しみに暮れる遺族へ余計な負担をかけないよう、正しいマナーを理解しておきたいところです。今回は香典を連名で出す際の書き方と金額に関するマナー、注意点を解説します。
目次
そもそも香典は連名で出して良いのか
香典を連名で出すことに抵抗がある人もいるのではないでしょうか。しかし、結論から言うと失礼にはあたりません。連名で多いのは、夫婦、会社・団体、友人などの複数人で包む場合です。代表者のみが葬儀に参列し、その他の人の気持ちを香典に込めます。
【会社・団体】連名で出す香典袋の書き方
香典を会社や団体内の複数人で用意する場合、一つの香典袋にお金をまとめて入れるのが一般的です。外袋の表面に連名で書きますが、書き方は人数によって異なります。まずは、香典袋の連名の書き方を紹介します。
2・3人で香典を出す:表面に全員の名前を書く
連名で包むのが3人までであれば、表面に全員の氏名を書きます。会社であれば、目上の人の氏名を中央に書き、その左側に続けて他の人の氏名を書くのが一般的です。上下関係がない友人や団体の場合は、五十音順に書きます。
4人以上で香典を出す:表面には全員の名前を書かない
4人以上の場合は全員の氏名は書かずに「〇〇一同」とします。会社の部署で用意する場合は、「〇〇会社〇〇部一同」のように記入しましょう。
<4人以上の連名の書き方>
- 会社・団体名あり:右側から会社・団体名、代表者名、「他一同」もしくは「他○○名」と書く
- 会社・団体名なし:代表者名の左側に「他一同」もしくは「他○○名」と書く
注意点:連名が3人以上の場合は別紙を中袋に入れる
中袋の裏面にも連名で書きますが、2人までがマナーとされています。3人以上の場合は、別紙にそれぞれの住所・氏名を書いて同封しましょう。別紙は白い便せんを使うのが無難です。
【家族】連名で出す香典袋の書き方
香典袋の連名の書き方は、会社・団体と家族では異なります。ここでは夫婦または親子の場合に分けて書き方を紹介します。
夫婦で香典を出す:夫の名前を書くのが基本マナー
香典は通常、家族単位で用意し、代表者である夫の氏名を書きます。夫婦で葬儀に参列する場合は連名にしても構いません。表面の中央に夫のフルネームを、その左側に妻の名前を書き添えます。
夫の代理として妻が参列する場合は、夫のフルネームを書き左下に「内」と小さな文字を添えます。なお、旧姓を書かなければわかりにくいと思われる場合には、中袋に「旧姓〇〇」と書き添えてください。
故人が妻の血縁や友人である場合は、どうなのでしょうか。葬儀は基本的に家単位でおこなわれ、香典は世帯主が出すのが一般的です。日本はほとんどの世帯主が夫であることから、夫の氏名を中央に書きます。
妻の友人であっても同様です。本来なら連名も不要ですが、夫婦で好意にしていた故人などの場合は、連名で書いてもマナー違反ではありません。
親子で香典を出す:書き方は子どもの収入によって変わる
親子で包む場合は子どもの収入によって書き方が変わります。
<子どもがまだ小さく、収入がない場合>
香典袋に子どもの名前を書く必要はありません。どうしても書きたい場合は、子どもの名前に「小学〇年生」と書き添えると、香典返しが必要ないことを伝えられます。
香典袋に子どもの名前を書く必要はありません。どうしても書きたい場合は、子どもの名前に「小学〇年生」と書き添えると、香典返しが必要ないことを伝えられます。
<子どもが大きく、収入がある場合>
子どもが葬儀に参列できない場合は連名で出して構いません。代表者である父親のフルネームを中央に書き、左側に妻、長男・長女、次男・次女の順で名前を書き添えます。ただし、親子の場合でも書くのは3名までがマナーです。
子どもが葬儀に参列できない場合は連名で出して構いません。代表者である父親のフルネームを中央に書き、左側に妻、長男・長女、次男・次女の順で名前を書き添えます。ただし、親子の場合でも書くのは3名までがマナーです。
香典袋の書き方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【分かりやすい】香典袋の正しい書き方。金額などのマナーも
香典袋の正しい書き方を外袋と中袋に分けて紹介。また、中袋がない香典袋の書き方や記入する際に使うペンの種類など、注意点やマナーも分かりやすく説明します。
連名で出す香典の金額について
香典を連名で出す場合、金額にも配慮が必要です。続いては、会社・団体と夫婦で包む金額について紹介します。
会社・団体の連名:金額の考え方は2種類ある
会社や団体内の複数人で香典を用意する場合は、「目標額を決めて人数で割る方法」と、「それぞれ出し合って集まった金額を包む方法」があります。
<目標額を決めて人数で割る方法>
目標額は組織の規模や故人との関係性によりますが、5,000円や1万円といった金額が多いようです。
目標額は組織の規模や故人との関係性によりますが、5,000円や1万円といった金額が多いようです。
<それぞれ出し合う方法>
1人あたり1,000円~2,000円が目安です。1,000円札が集まってしまうため、1万円札や5千円札に両替してから包みましょう。
1人あたり1,000円~2,000円が目安です。1,000円札が集まってしまうため、1万円札や5千円札に両替してから包みましょう。
夫婦連名:1人分の金額で良いとされる
先述したように、香典は家族単位で用意するため、金額は1人分で良いとされています。ただし金額は用意する側の年齢や故人との関係性で変わります。
年齢・関係性別の香典の金額については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
香典の金額は年齢で変わる!年齢と故人との関係性からみる相場
香典の金額は故人との付き合いの深さ、関係性、自分の年齢によって変動します。訃報を受けてから通夜までの時間はあまりないものなので、すぐに香典の金額を決められるように相場を知っておくと安心です。
【マナー】香典を連名で出す際に注意すること
香典を連名で出す場合は、参列する人数や合計金額について気を付けたい点があります。また、故人の家族の負担にならないように配慮することも大切です。それぞれの注意点を見ていきましょう。
葬儀に参列する人は香典を連名で出さない
代表者以外の人が葬儀に参列する場合は、連名で出さずに個別に包むのがマナー。香典返しの相場は、2,000円~3,000円です。複数人で包んだのにもかかわらず、代表者以外の人が葬儀に参列すると、1人が出した金額が香典返しと同程度やそれ以下になる可能性もあります。そのため、遺族へ金銭的な負担をかけないように配慮が必要です。
なお、葬儀が家族葬の場合、参列して良いのか判断に迷うこともあるでしょう。そのようなときの判断基準や香典に関するマナーは、以下の記事を参考にしてください。
家族葬に参列しても良い?判断基準や辞退方法、香典マナーも
まずは家族葬における参列者の判断基準について説明します。一般葬とは異なり、家族葬では基本的に遺族より案内があった人のみ参列します。
香典の金額は縁起の悪い数字を避ける
連名で香典を包む場合は、合計金額の数字に注意が必要です。偶数や「4」「9」の数字を含む金額はタブーとされています。
偶数は「割り切れる」数字であることから「離れる」を連想させる数字です。また、「4」は「死」を、「9」は「苦しむ」を連想させます。そのため合計金額が4,000円や9,000円、4万円などにならないよう注意が必要です。
偶数や「4」や「9」は避けながら、「1」「3」「5」「7」といった奇数で揃えましょう。ただし近年では偶数金額で出す場合もみられたり、地方によっては偶数金額でも問題視しない場合もあります。なお、連名の場合は金額に端数が出てもマナー違反にはなりません。
香典返しの辞退を検討する
悲しみの中にいる遺族にこれ以上の負担をかけないよう、香典返しを辞退するのも一つの方法です。連名で出した場合の香典返しは、代表者にのみに渡されるか、会社などにお菓子などを送られることが多いです。しかし、一人ひとりにお礼を渡したいと考える遺族もいます。
遺族への配慮として、辞退することも検討しましょう。辞退する場合は、中袋か別紙に「香典返し等のお気遣いはご無用に願います」と書き添えてください。
香典を連名で出す際はマナーを守って弔意を表そう
香典は連名で出しても構いませんが、その際は書き方や金額に関するマナーを守りましょう。その上で、葬儀に参列する人は香典を個別で用意する、香典返しの辞退を検討するなど、遺族に負担をかけないよう配慮もしたいところです。また、香典は書き方や金額以外に香典袋の入れ方にもマナーがあります。この機会に、香典について理解を深めてはいかがでしょうか。
香典の正しい入れ方。中袋の有無による違いとお札のマナー
お札の入れ方は香典袋の種類によって異なります。香典袋の主な種類は「中袋あり」「中袋なし」「中包み」の3つです。ここでは、お金の入れ方を香典袋の種類別に紹介します。
この記事の監修者
政田礼美 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーの講師も務める。東京・神奈川・埼玉を中心に都市部の葬儀相談をおこなっている。
家族葬のファミーユ初の女性葬祭ディレクター。葬儀スタッフ歴は10年以上。オンライン葬儀相談セミナーの講師も務める。東京・神奈川・埼玉を中心に都市部の葬儀相談をおこなっている。