葬儀用ハンカチの色は?シンプルならレースや刺繍も大丈夫

お葬式のマナー・基礎知識
葬儀用ハンカチの色は?シンプルならレースや刺繍も大丈夫
ハンカチは、葬儀の参列に必要な持ち物のひとつです。思っている以上に人の目につきやすいアイテムなので、遺族や他の参列者に不快な思いをさせないようにマナーに合ったものを選びたいものです。本記事では、葬儀用ハンカチの選び方や注意点などを解説します。

葬儀用ハンカチの選び方

葬儀に持参するハンカチの色は、白が正式とされています。ですが、黒色のハンカチでもマナー的には問題ありません。葬儀にふさわしいハンカチの色やデザイン、素材別の選び方について解説します。

色は白色が正式

日本では古くより神事や弔事を白装束でおこなってきました。そのため、葬儀に参列する際も白色のハンカチを持つのが正式なマナーとされています。冠婚葬祭用の白色のものを1枚持っておけば、結婚式にも使えるので便利です。白色以外では、喪服に合わせて、黒色のハンカチを持っても失礼にはあたりません。ピンク、赤、黄色など派手な色のものはタブーとされています。

デザインは無地またはシンプルなもの

葬儀用ハンカチのデザインは、無地またはシンプルなものを選びます。できる限り無地が良いですが、控えめなレースや刺繍があしらわれたデザインでもマナー違反にはなりません。ただし、シンプルであってもきらびやかなラインストーンの装飾があったり、柄が奇抜なものであったりするのは失礼にあたるので注意してください。

素材は綿がおすすめ

綿素材のハンカチは吸水性が高いため、涙や汗を拭くシーンのある葬儀には最適です。綿以外の素材ではポリエステルや麻であれば、マナー的にも問題ありません。その他に吸水性の高いタオル生地のものも冠婚葬祭用が販売されています。しかし、タオルハンカチはカジュアルな印象を与えやすいので、汗をかきやすい夏場などは綿とタオル生地を2枚持参するのが良さそうです。

サイズは45~50cm程度

葬儀用のハンカチに推奨サイズはありませんが、正方形で通常45cm程度の主流サイズのハンカチや、50cm強の大判ハンカチを手にするといいでしょう。あまり大きなサイズのハンカチはポケットやバッグに収納しにくく、20~30cmと小さすぎるタオルハンカチは前述の通りカジュアルすぎると判断されてしまいそうです。

ハンカチは葬儀のどの場面で必要か

ハンカチは葬儀で涙を流したときのためだけでなく、さまざまな場面で役に立つちます。こちらでは、どのような場面でハンカチが使えるのか解説します。

涙をぬぐう、汗を拭くときに使用する

葬儀では故人との思い出を振り返ったり、お別れを惜しんだりするときに涙を流してしまうことも。また、暑い時期はもちろん、着る機会の少ない喪服で思ったより汗をかいてしまうということもあるため、ハンカチは忘れないようにしたいですね。

ひざ掛けやふくさの代わりになる

葬儀中に腰掛けるときなどには、ひざ掛けとして使えます。また、慌てていて、ふくさに香典を包むのを忘れてしまったような場合にふくさの代用になるので便利です。
【香典をハンカチで包む方法】
  1. ハンカチを自分から見てひし形に置く
  2. 香典を表書きが見えるようにハンカチの真ん中に置き、右、下、上、左の順でたたむ
弔事は左開きがマナーですので、左開きができるように包みます。

葬儀で注意すべきハンカチのマナー

葬儀では、使用するとき以外はバッグやポケットにハンカチをしまっておくのがマナーです。その他にも、男性のポケットチーフや子どもに持たせる場合のマナーは、見落としやすいので注意が必要です。こちらでは、注意すべきハンカチのマナーについて解説します。

必要なとき以外はバッグなどにしまう

葬儀でのハンカチは、涙をぬぐうなど必要なときにだけ手に持つのが基本です。それ以外は、女性はバッグの中、男性はスーツのポケットの中にしまっておきます。喪服が和装の場合は、袂(たもと)に入れておくと使うときに取り出しやすいです。また、ポケットティッシュは袋から出してハンカチに包んでおくと、ガサガサと音がするのを気にしなくて済みます。

男性のポケットチーフは避ける

男性がジャケットの胸ポケットに挿すポケットチーフ。結婚式など慶事の際によく見かけます。フォーマルシーンに使えるポケットチーフも、日本の葬儀では華やかに見えてマナー違反の印象を与えかねないので避けた方が無難です。

子どもには色や柄が控えめなものを持たせる

子どもの場合、大人ほど葬儀のマナーに関してうるさくありませんが、キャラクターや派手な柄のデザイン、原色など華美なものは避け、控えめな色やデザインのものを選ぶのが基本です。子どもがハンカチを使わないときは、洋服のポケットまたは親のバッグにしまっておきます。

葬儀用ハンカチを買える場所

フォーマルウエアを取り扱っているスーツ店や百貨店では、葬儀用のハンカチを取り扱っています。コンビニエンスストアや100円ショップでも販売されていることが多いので、葬儀へ出かける際に忘れてしまっても安心です。こちらでは、葬儀用ハンカチが買える場所について見ていきます。

スーツ店や百貨店のフォーマルウエアコーナー

葬儀用のハンカチは、喪服を販売しているスーツ店や百貨店のフォーマルウエアコーナーで販売されています。無地や控えめな刺繍のデザインのものが主流で、500円程度から買えます。他にも、靴下やネクタイなどのアイテムも販売されているので、喪服や身の回り品を一式揃える際に便利です。

インターネット通販

今すぐ必要ではないけれど、もしものときに備えて事前に葬儀用ハンカチを買っておきたい場合は、インターネット通販でも購入できます。白色と黒色の2枚セットや、刺繍やレースをあしらったデザインのものも販売されています。ただし買う際に実物を手に取ることができないので、商品情報で素材やサイズを確認してから買うのがおすすめです。

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアでも、葬儀で使える無地で落ち着いた色のハンカチが買えます。葬儀会場へ向かう途中で忘れたことに気づいたら、通り道のコンビニエンスストアをチェックしてみてください。ただし、店舗によっては取り扱っていないところもあります。

100円ショップ

100円ショップでも葬儀用ハンカチが売っていますが、価格を抑えるために、原価の安いポリエステル素材を使用していることが多いようです。中には光沢感が強いものもあるので、購入するときは注意して選んでください。

葬儀用のハンカチに関するQ&A

葬儀用ハンカチは、あまり頻繁に使用するものではありません。そのため葬儀にふさわしいハンカチがどんなものか、あまり詳しく知らないという人も少なくないようです。こちらでは葬儀用ハンカチについてよくある疑問をQ&A形式で紹介します。

葬儀用のハンカチは法事や法要にも使える?

法事や法要でも、葬儀と同じハンカチが使えます。法事や法要では白色、黒色以外にグレーや紺色のものでもマナー違反にはなりません。デザインは、無地または控えめなレースや刺繍のものを選ぶのが基本です。葬儀ほどマナーに厳しくありませんが、派手な色やデザイン、光沢のあるものは避けるようにしてください。

喪主と参列者でハンカチのマナーは違う?

喪主も参列者もハンカチのマナーは一緒です。ただ、喪主を務める場合には黒色よりも白色のものを持つ人が多いようです。素材は綿またはポリエステルのものを選び、光沢のあるシルク製やカジュアルなタオル生地のものは避けた方が良いでしょう。

葬儀にふさわしいハンカチを選ぼう

葬儀は、お世話になった故人との最後のお別れをする儀式。故人だけでなく、故人との突然のお別れで哀しみにくれるご遺族に失礼のないよう心遣いが必要です。ハンカチは見落としやすい小さなアイテムですが、葬儀の場にふさわしいものを選んでください。

この記事の監修者

瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。