親族の葬儀を欠席しても大丈夫?連絡の仕方と香典の送り方

お葬式のマナー・基礎知識
親族の葬儀を欠席しても大丈夫?連絡の仕方と香典の送り方
親族の葬儀や法事に欠席してもいいのか、悩ましい問題です。これまでも体調不良や不慮の事故などでやむを得ず欠席する場合がありましたが、今は新型コロナウイルスの流行で移動を制限されるなど新しい欠席事情が生まれています。本記事では、葬儀や法事の欠席のマナーや参列できない場合の対応を紹介します。

親戚でも葬儀を欠席しても良い?

親戚の葬儀がおこなわれる場合、遠方からでも出席するのが一般的です。しかし、どうしても出席できないときもあります。ここでは、親族の葬儀をどういった理由ならば欠席しても良いかに対する考え方や、慶事と弔事の優先順位について紹介します。

やむを得ない場合は欠席しても良い

親族の葬儀でも、どうしても出席できない事情がある場合は欠席しても構いません。先述の新型コロナウィルスの流行のように、外出・移動制限がかかるかもしれません。また、妊娠中や体調不良、事件・事故、緊急性のある仕事の依頼など、予測不能の事態が発生することもあるでしょう。

決して無理に出席しようとはせずに、まずは欠席の連絡を入れることを考えます。一方的な情報伝達にならないように他の家族や親戚と相談して、遺族に余計な時間をとらせたり、気を遣わせたりしないようにします。理解を得られる伝え方をすればその後の関係に影響を与えることはないはずです。

慶事より弔事を優先するのがマナー

葬儀と結婚式が同日になった場合はどうでしょうか。葬儀のような弔事は、結婚式を始めとした慶事よりも優先順位が高いので、葬儀を優先します。

親しい間柄ではない人の葬儀と親族の結婚式が同日におこなわれることもあるでしょう。本来は葬儀を優先すべきですが、結婚式にでて、お祝いしたい気持ちの方が大きいかもしれません。難しい状況ですが、どちらも相手の気持ちを大切に考えた上で決断しましょう。

葬儀に欠席した日に結婚式に出席していたとなれば、遺族の心象は良いはずがありません。できれば、お通夜に出向く、後日の弔問を伝えておくなど、弔意を表す行動をしておきたいものです。

葬式・法事を欠席するときのマナー

葬式や法事の欠席を故人と遺族への配慮のあるように伝えるには、どのようにすればいいのでしょうか。欠席の意の連絡方法や弔意を伝える、弔電、香典、供物・供花の手配について紹介します。

欠席するときのマナー①連絡方法

葬儀や法事の欠席の連絡はなるべく早く伝えます。遺族の事情を考慮し、遅くとも前日までには連絡するようにしてください。顔を見て直接伝えるのが最善の方法ですが、無理な場合は電話を使います。顔を合わせなくとも、肉声なので相手に気持ちを伝えやすくなります。

出席できない事情を遺族が把握している、また、遺族が連絡方法として希望しているのであれば、メールやLINEで伝えることも可能です。ただし、見落とす場合があり、注意が必要です。どんなに近しい間柄でも弔事であることを忘れず、忌み言葉を避けた丁寧な文面にすることがマナーです。

法事の場合は返信用はがきを使うかもしれませんが、葬式の場合は手紙やはがきは避けた方が無難です。日が浅く、多忙のため、相手が見落とすこともあります。電話で欠席を伝えた後、再度お悔やみを申し上げる手段として手紙を使うのは有効です。

連絡時の欠席の事情についてですが、親族であれば内容をきちんと伝えた方が後々わだかまりを生みません。親しい間柄でなければ、欠席の理由を明確に伝える必要はありません。「やむを得ない事情があり」といったように、婉曲した表現を使います。

欠席するときのマナー②弔電

葬儀を欠席する際、弔意を示すために弔電を送ることがあります。弔電はインターネットや電話で申し込みできるので、葬儀当日に間に合うように準備してください。日本郵便やKDDIなど、大手の会社が弔電を取り扱っています。もし、弔電を辞退された場合は控えるようにしましょう。

弔電は敬称やお悔やみの言葉に気をつけ、故人や遺族に配慮した内容になるよう意識する必要があります。弔電には例文があるので、それを参考にすると安心です。葬儀や告別式、法要がおこなわれる場所に弔電が届くように手配し、受取人名は喪主にします。

欠席するときのマナー③香典

葬儀を欠席したとしても、香典は用意します。香典の渡し方は、代理人に頼む、郵送、後日自宅に伺う等々、いくつかの方法があります。一般的なのは、葬儀に参列する人に代理で渡してもらうやり方です。この時、香典の表書きには姓名の後に「代」をつけます。代理人が配偶者であるときは「内」と記載してください。

郵送の場合は現金書留を使います。ただし、現金書留は日時の指定ができず、本人以外は受け取れない点に注意が必要です。忙しい葬儀当日を避けたり、自宅を配送先に指定したりといった遺族への配慮を忘れないようにします。

後日、自宅に弔問へ伺うときは遺族のスケジュールを確認した上で予定を立てます。葬儀前後は何かと忙しいので、十分に配慮して連絡を取ることがマナーです。相手の状況に合わせた対応を心がけると良いでしょう。

欠席するときのマナー④供物・供花

供物を送る場合は、明かりやお線香、賞味期限が長いお菓子やフルーツを送ることが多いです。供花は宗教によって送るものが変わるため、事前の確認が必要です。仏式であればカーネーションや菊、百合などが挙げられます。決まった花の種類がないキリスト式は白や淡い色の生花を送るのが一般的です。

欠席するときのマナー⑤弔問

葬式に欠席したら、日を改めての弔問を検討します。弔問は四十九日までと言われていますが、葬儀後の遺族はお金や事務処理、行政手続きなどで忙しくしている場合もあります。ここでは一般常識よりも個人の事情を優先します。落ち着いた頃を見計らい、事前に遺族への確認の連絡をしてください。

弔問は遺族の意向が最も大切です。故人にお別れを伝えたい、お線香の1本でもあげたいという気持ちがあっても、断られたらあきらめましょう。香典や供物で惜別の気持ちを伝えるようにしてください。

離れた場所でも惜別の想いを伝える供物

葬儀を欠席するにあたって、ほかに惜別の情を伝える方法がないかと思う人もいることでしょう。供物を送るのはいかがでしょうか。離れてはいても、故人や遺族へ想いを届けられるような供物を紹介します。

①果物

果物を供物にするときは、季節に合ったものや故人が好きだったものを選びます。メロンやりんご、ぶどうといった果物が供物として選ばれることが多いです。分けやすさを考慮する場合は数種類の果物が入った箱詰めが適しています。

②お線香

お線香は価格帯に幅があります。遺族の使用頻度、香りの好み等々を考えて選びます。マンションやアパートなどの集合住宅や、近隣住民への配慮が必要な住環境の場合は、煙や香りを抑えたタイプのお線香がおすすめです。近年はお線香の香りにもさまざまなバリエーションがあります。お菓子やコーヒーなど、故人が好きだったものに合わせた香りを選ぶのも偲ぶ気持ちを伝えるのに良いかもしれません。

③お菓子

賞味期限が短いお菓子や、要冷蔵のお菓子は避けます。常温で保存できるゼリーや煎餅、焼き菓子といった種類が供物の定番。分けやすいように個包装のお菓子を選ぶなどの配慮も必要です。故人や遺族の好みも考えて選んでください。

葬儀の欠席は慎重に判断しよう

大切な人の葬儀や法事に欠席するとなれば、心苦しさを感じるかもしれません。ただ、新型コロナウイルスの流行など、個人ではどうにもならないこともあります。たとえ離れていたとしても故人への想いに変わりはありません。参列以外の方法で、気持ちを伝えるように工夫されてみてはいかがでしょうか。