ライフプラン表で人生を見直す。必要な項目と簡単な作り方
終活
ライフプラン表とは、人生のイベントとお金の稼ぎ方と使い方を合わせた生活設計を記したもののことです。人生の設計図とも言われます。生活設計を考えていくうちに、どのタイミングでどれだけお金が必要か見えてきます。この記事では、人生の後半を見据えたライフプラン表作りについて解説します。
ライフプラン表について
今後の人生への不安を軽減し、快適なセカンドライフを送るためには、ライフプランを考えて「見える化」することが有用です。はじめに、ライフプランとは何かを説明し、可視化するためのライフプラン表のメリットや内容について紹介します。
ライフプラン表とは
ライフプランは生活設計のことで、将来起こりうる出来事、果たしておかなければいけない役割、夢、目標、さらには終わりを見据えて、いつ、何をすべきかを考えていくことです。ライフプラン表は、ライフイベント表とキャッシュフロー表の2つから構成されます。イベント表には、子供の大学入学や、自分の定年、ダイエット目安、住宅ローンの完済、介護施設への入居費、お墓の購入など、人生のイベントや目標を記します。キャッシュフロー表には、収入や支出の予測などお金の流れを記載します。
ライフプラン表のメリット
ライフプラン表を作るメリットは、今後の人生でどれだけのお金が必要になるかがイメージしやすくなることです。いつ、いくらの支出があるのかを時系列で考えられるため、優先すべき支出も把握できます。将来の想定をしたうえで現状を見ながら今後の対策を立てられるのもポイント。また、夫婦間、親子間で将来のイメージを整理できるので、大きな買い物の前に情報の共有に使えます。
先行きが明確になることで、節約や貯金へのモチベーションの向上にもつながるでしょう。また、ライフプラン表により将来必要なお金を割り出せるため、本当に必要な生命保険や医療保険を選択できるようにもなります。
先行きが明確になることで、節約や貯金へのモチベーションの向上にもつながるでしょう。また、ライフプラン表により将来必要なお金を割り出せるため、本当に必要な生命保険や医療保険を選択できるようにもなります。
ライフプラン表の作り方①ライフイベント表
ライフプラン表を作る上では、その基礎となる人生のデザインが大切です。最初にライフイベント表の作り方を説明します。
目標を記入
どんなセカンドライフを送りたいのか、老後はどんな人生にしたいのかを記入します。1年後、5年後、10年後というように、短期・中期・長期に分けて目標を設定してください。何年後にいくら必要かできるだけ具体的な数字を入れて設定します。「2年に1度は家族で国内旅行をしたい」など数値を組み込んで具体化することによって、その目標が現実感のあるものになります。
家族構成を記入
次に、家族構成などの基本情報を記入します。家族の年齢を記入することで、年齢に応じたイベントも記入しやすくなります。家族構成には同居別居に関わらず、親や子どもも記入してください。特に高齢な親のライフイベントは、入退院や介護、葬儀など突然の出費が考えられます。
ライフイベントを記入
子どもの進学や結婚、夫の退職などこれからの人生に起きる大きな出来事のことをライフイベントとします。引っ越しや定年退職など既に予定が分かっているものから記入していきます。車の購入や家のリフォームなどの希望も書き込んでおきます。
ライフプラン表の作り方②キャッシュフロー表
ライフイベント表が完成したら、キャッシュフロー表を作ります。キャッシュフロー表とは、将来の貯蓄や家計の状況を一覧にしたもののこと。今後のお金の動きを確認していくのに便利です。
収入を記入
自分と夫や妻の収入の手取り額を記入します。手取り額とは、毎月使えるお給料のこと。具体的には収入総額から所得税や住民税、社会保険料を差し引いた額です。サラリーマンや公務員など給与所得者の手取りは源泉徴収表を見ればわりと簡単に分かります。自営業の場合は確定申告書と住民税納税通知書を用意します。国民保険や年金などは関連書類で確認します。
年金収入も手取り額を記入します。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を参考に算出してください。副業や補助金など他に収入がある場合は、別に項目を設けて記入します。
年金収入も手取り額を記入します。毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を参考に算出してください。副業や補助金など他に収入がある場合は、別に項目を設けて記入します。
支出を記入
支出には、食費や光熱費などの生活にかかる費用、住居費、車両費、教育費、生命保険費用などを記入します。住居や車のローンなど毎月同じ金額のものは固定費、食費や光熱費など、利用状況によって変わるものは変動費として、それぞれ別に記入するとお金の流れがつかみやすくなります。
預金残高を記入
資産には、預金残高の他、不動産、株や投資信託などの運用資産も含めます。預金残高の記入は、初年のみの最新残高でかまいません。残高は「前年末の残高+当年の収支差」で計算します。1年目の残高は、「(この表を作成した時の残高)+1年目の年間収支」で計算。2年目からの残高は「前年の残高+年間収支」です。
家計簿を付けていない場合は通帳を確認
家計簿を付けていない場合は、給与振込と生活費の支出に使っている口座の通帳を用意します。複数の口座がある場合はすべての通帳を準備してください。
まず、それぞれの通帳の年始と年末の残高から年間の預金増加額を割り出します。次に、給与・賞与・年金の他、利息なども含めた年間の入金金額をすべて計算してください。総入金額から預金増加額を引くと出金総額が分かります。自分や家族名義の他の口座にお金を移したり、証券会社やFX会社の口座に移したりした場合は、支出ではないので除外します。
まず、それぞれの通帳の年始と年末の残高から年間の預金増加額を割り出します。次に、給与・賞与・年金の他、利息なども含めた年間の入金金額をすべて計算してください。総入金額から預金増加額を引くと出金総額が分かります。自分や家族名義の他の口座にお金を移したり、証券会社やFX会社の口座に移したりした場合は、支出ではないので除外します。
ライフプラン表を上手に作るコツ
ここでは、表計算ソフトであるエクセルやシミュレーションサイトを利用し、簡単で正確にライフプラン表を作るコツを紹介します。
エクセルを使う
ライフプラン表を作るためのテンプレート(ひな型)が便利です。インターネット上には、エクセルのテンプレートが多数存在します。ですが、無料テンプレートの中には、数式が正しくなかったり、きちんとした結果が出なかったりするものもあるので注意が必要です。信頼できる組織が作ったもの(マイクロソフト、日本FP協会、ゼクシィなど)を利用してください。
中でも、マイクロソフトはエクセルを作った企業でもあり、信頼性があります。支出や収入を入力するとグラフで表示されるので見やすく分かりやすい表が作れます。短期目標(1年)と長期目標(10年)に分かれているので、使い分けもできます。
中でも、マイクロソフトはエクセルを作った企業でもあり、信頼性があります。支出や収入を入力するとグラフで表示されるので見やすく分かりやすい表が作れます。短期目標(1年)と長期目標(10年)に分かれているので、使い分けもできます。
シミュレーションサイトを使う
全国銀行協会などのホームページにはシミュレーションサイトと呼ばれる、ライフプラン表の簡易組み立てコーナーがあります。収入や預金額、家族の年齢や家のローン、車の購入予定などを入力すると、将来の家計の状況をグラフで確認できます。このようなシミュレーションサイトは手軽ですが、サラリーマン向けのものが多いようです。自営業やフリーランスの場合は、エクセルのテンプレートを利用するのが良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する
キャッシュフロー表は長期にわたるため、物価の上昇なども考慮しなければ正確な金額が導き出せません。より正確な金額を出したい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するという最上位プランがあります。特に現状のままでは目標の達成が難しい場合は、支出額や貯金額、保険の見直しなど、お金のプロから専門的なアドバイスをもらうと安心です。
ライフプラン表を作成して夢や目標の現実化を
ライフプラン表は、専門的な知識がなくても、エクセルやシミュレーションサイトなどを使って自分で作成できます。これからの人生に対するお金の不安が少なくなることが一番のメリットです。不安を減らして、新しい夢や希望が見えてくると、より豊かな人生が送れそうですね。