葬儀費用の平均相場はいくら?葬儀形式別に総額と内訳を解説
ご家族の通夜・葬式準備
この記事はこんな方におすすめです
葬儀にかかる費用の相場を知りたい
葬儀の形式別の費用の内訳を知りたい
近年の葬儀の平均相場は約120万円と言われていますが、葬儀形式によって大きく異なります。また、参列者の人数や宗教者を呼ぶかどうかも、費用が変わるポイントです。一般葬のほか、家族葬・一日葬・直葬など近年増えている葬儀の形式別に、総額の平均相場と内訳を紹介します。それぞれの特徴を押さえて葬儀形式を選ぶ参考にしてください。
目次
葬儀費用の平均相場と葬儀の種類
近年では家族葬・一日葬などさまざまな葬儀形式があり、どの形式を選ぶかによって費用相場は異なります。まずは全体的な費用相場と、主な葬儀の形式を一覧で紹介します。
葬儀費用の平均相場は約120万円
経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、2023年度の葬儀一件当たりの平均相場は1,201,762円となっています。
2021年以降コロナ禍の移動制限などにより小規模な葬儀にせざるを得ない人が増え、全体の相場は減少傾向にありました。しかし葬儀費用の平均相場は2021年度の約112万円から2022年度には約115万円に転じ、再び増加に向かいつつあります。なお、葬儀の形式や規模、参列者の人数、死亡状況、地域などによって実際にかかる費用は大きく異なるので目安として捉えてください。
主な葬儀の種類
近年よく選ばれる葬儀の形式には、下記のようなものがあります。
一般葬 | 旧来型の広く訃報を周知する形式 |
---|---|
家族葬 | 家族などごく親しい人だけで小規模に営む形式 |
一日葬 | 通夜を省略し、葬儀から火葬までを1日でおこなう形式 |
直葬(火葬式) | 通夜や葬儀をおこなわず火葬のみで済ませる形式 |
それぞれの詳しい特徴については、こちらの記事で紹介しています。
【形式別】葬儀の種類と違い
ここでは、日本で一般的におこなわれている葬儀を形式別に紹介します。向いている人にも触れているので、葬儀形式に悩んでいる人は参考にしてください。
【葬儀の平均費用①】一般葬の相場と内訳
友人・知人などにも幅広く周知する一般葬では、参列者の人数によって費用相場は変動します。一般葬の平均相場と内訳を紹介します。
葬儀平均費用については、鎌倉新書「第5回お葬式に関する全国調査」の葬儀形式別の基本料金の相場をもとに参考となる総額を独自に計算しています。
葬儀平均費用については、鎌倉新書「第5回お葬式に関する全国調査」の葬儀形式別の基本料金の相場をもとに参考となる総額を独自に計算しています。
一般葬の総額の平均相場
前日に通夜、翌日に葬儀・告別式と2日かけて執りおこなう一般葬。葬儀の基本料金(飲食代、返礼品の費用、お布施などを除いたもの)の相場は83万8,900円ほどです。※
※基本料金には、斎場利用料、火葬場利用料、祭壇、棺、遺影、搬送費など、葬儀一式の費用(固定費)を含みます。
基本料金の相場をもとに80名ほどの参列者があるとして、一例として全体の費用総額を計算します。
- 葬儀の基本料金:84万円
- 会食費:各4,000円×80=32万円。「通夜振る舞い」、「精進落とし」の2回分が32万円×2=64万円
- 会葬御礼:各500円×80=4万円
- 香典返し:2,000円×80=16万円
- お布施:20万円
上記の内容での一般葬の総額は、188万円です。
一般葬の参列者は親族のほかにも友人・知人・仕事関係者と広く案内をする形式なので参列人数が把握しにくく、50人ほどから300人にのぼることもあります。大規模になると、相場はほかの形式と比べると高くなります。なお、地域の慣習や宗派によっても異なります。
内訳①葬儀一式費用
葬儀社のプランには、故人の搬送・安置や祭壇の準備にかかる費用、葬儀スタッフの人件費などが含まれています。
ただし、葬儀社によっては火葬の費用はプランに含まれていない場合があります。それぞれ公営と民営があり、公営の場合は無料~数万円、民営の場合は10万前後が相場です。
内訳②参列者への接待費
参列者に対して発生する費用としては、会食費、会葬御礼、香典返しがあります。
■会食費
通夜の後には「通夜振る舞い」、葬儀・火葬の後には「精進落とし」と呼ばれる食事の席を設けるのが一般的です。相場はそれぞれ1人当たり3,000〜5,000円ほどです。
■会葬御礼
会葬御礼とは、参列者全員に参列のお礼として渡す品物のこと。お茶やハンカチといった日用品が定番で、1人当たり500〜1,000円ほどが相場です。
■香典返し(即返し)
通通夜や葬儀で香典をもらった人へは、お返しを渡すのがマナー。日用品やお菓子などが選ばれやすく、相場は2,000~3,000円ほどです。現在では、葬儀当日に渡す即日返しが慣例です。
内訳③宗教者へのお礼
葬儀を依頼した僧侶や神官、神父または牧師などの宗教者には、読経や戒名付与に対するお礼を包みます。仏教葬で僧侶に渡すものは「お布施」、神式は「ご神饌料」、キリスト教は「献金」と呼ばれます。そのほか、状況に応じてお車代やお膳料などが必要です。
感謝の気持ちとして包むものなので金額は決まっていませんが、おおよその相場は下記を参考にしてください。
■仏教葬の場合の相場
- お布施:20〜30万円
- 戒名料:10万円〜(ランクによって異なる)
- お車代:5,000~1万円
- お膳料:5,000~2万円
宗派や地域別のお布施の相場は、こちらの記事で紹介しています。
葬儀のお布施の相場
家族の葬儀や、故人を偲ぶ法要で僧侶に渡すお布施。金額が明示されていないため、いくら渡せばよいのか悩むのではないでしょうか。また、葬儀や法要はなにかと慌ただしいので、渡すタイミングに迷うこともありますよね。この記事では、お布施の意味、相場、渡すタイミングなどを詳しく解説します。
【葬儀の平均費用②】一日葬の相場と内訳
葬儀・告別式と火葬を1日で執りおこなう一日葬では、通夜に関する費用が不要となるのが特徴です。一日葬の費用相場と内訳を紹介します。
一日葬の総額の平均相場
一日葬の葬儀の基本料金は52万7,800円です。基本料金をもとに、参列者30名として全体の費用総額を出します。
- 葬儀の基本料金:53万円
- 会食費:「精進落とし」各4,000円×30=12万円
- 会葬御礼:各500円×30=1.5万円
- 香典返し(即返し):2,000円×30=6万円
- お布施:20万円
上記の内容での一般葬の総額は、約92.5万円です。
通夜をおこなわず、葬儀・告別式や火葬を1日でおこなう形式のため、通夜にかかる費用が全て不要になります。葬儀の規模は特に限定されていないものの、小規模にする遺族が多いようです。
なお、準備をふまえて葬儀場の使用を2日分おさえると、一般葬や家族葬と同じくらいの費用となるケースもあります。
一日葬の費用内訳
一日葬の場合でも、費用項目は一般葬と変わりませんが、それぞれの相場は低くなりやすいようです。
■葬儀一式費用
一日葬の葬儀一式の費用は53万円前後が相場です。
■参列者の飲食接待費
一日葬では「精進落とし」の会食費、会葬御礼、香典返しの費用が発生します。通夜をおこなわないので「通夜振る舞い」がなく、参列者もしぼることが多いので費用は抑えやすくなります。
■宗教者へのお礼
葬儀を依頼した宗教者へのお礼は10〜30万円くらいが相場です。通夜をおこなわない分、一般葬より相場は低い傾向にあります。状況に応じて、別に戒名料やお車代なども包みます。
【葬儀の平均費用③】家族葬の相場と内訳
比較的少人数の家族葬では、参列者にかける費用を抑えられます。家族葬の平均相場と内訳を紹介します。
家族葬の総額の平均相場
家族葬の基本料金の費用相場は67万3,200円です。
基本料金をもとに、参列者を20名として仮に全体の費用総額を出します
基本料金をもとに、参列者を20名として仮に全体の費用総額を出します
- 葬儀の基本料金:67万円
- 会食費:各4,000円×20=8万円。「通夜振る舞い」、「精進落とし」の2回分が8万円×2=16万円
- 会葬御礼:各500円×20=1万円
- 香典返し:2,000円×20=4万円
- お布施:20万円
上記の内容での一般葬の総額は、108万円です。
参列者を家族やごく親しい人に限り、10〜30人程度で営むのが特徴で、一般葬と同じように通夜・葬儀と2日かけておこなうのが基本です。
参列者の人数に合わせて斎場の規模を小さくしたり、身内だけということでシンプルな内容にしたりすると、費用を抑えられるケースもあります。また、一日葬形式にすると通夜にかかる費用は不要です。ただし参列者が少ない分、香典も少なくなるので、実際に支払う自己負担金が大きくなる可能性があります。
参列者の人数に合わせて斎場の規模を小さくしたり、身内だけということでシンプルな内容にしたりすると、費用を抑えられるケースもあります。また、一日葬形式にすると通夜にかかる費用は不要です。ただし参列者が少ない分、香典も少なくなるので、実際に支払う自己負担金が大きくなる可能性があります。
家族葬の費用内訳
家族葬においても、費用項目は一般葬と同じです。一般葬と大きく変わるのは、参列者の人数に応じて発生する費用です。
■葬儀一式費用
家族葬の葬儀一式にかかる費用の相場は67万3,200円です。
■参列者の飲食接待費
一般葬と同じように「通夜振る舞い」や「精進落とし」をおこなう場合はそれぞれの会食費、また会葬御礼や香典返しが必要です。しかし参列者の少ない家族葬では、一般葬と比べると費用は安くなります。身内だけということで会食自体を省略する場合もあり、その際の会食費は発生しません。
■宗教者へのお礼
宗教者に葬儀を依頼した場合は、一般葬と同じようにお礼を包むのがマナーです。無宗教葬とした場合は不要です。
「家族葬のファミーユ」の都道府県別・参列者の人数別の費用はこちらを参考にしてください。
「家族葬のファミーユ」の都道府県別・参列者の人数別の費用はこちらを参考にしてください。
家族葬の費用一覧(地域別)
「家族葬のファミーユ」で取り扱いのある、主な家族葬プランと価格を一覧表にしました。お葬式は地域の慣習によって必要なものが変わるため、同じ金額や似たプラン名でも地域によって提供される内容やサービスが異なります。
【葬儀の平均費用④】直葬(火葬式)の相場と内訳
さまざまな儀式を省略する直葬は、ほかと比べると費用負担を抑えやすい形式です。直葬の平均相場と内訳を紹介します。
直葬の総額の平均相場
直葬の基本料金の費用相場は42万2,300円です。
基本料金をもとに、参列者を20名として仮に全体の費用総額を出します。
基本料金をもとに、参列者を20名として仮に全体の費用総額を出します。
- 葬儀の基本料金:42万円
- 会食費:「精進落とし」各4,000円×20=8万円
- 会葬御礼:各500円×20=1万円
- 香典返し:2,000円×20=4万円
- お布施:10万円(宗教者を招く場合)
上記の内容での直葬の総額は、65万円です。
直葬は火葬式とも呼ばれ、通夜や葬儀をおこなわず火葬のみで弔うコンパクトな形式のため、費用負担は軽くなります。
斎場などで故人とお別れをしてから出棺し火葬場に向かう場合や、安置先で面会できずに火葬場に直接集合の場合もあります。また宗教儀式を省いたり、僧侶に依頼して火葬炉の前で読経してもらったりと内容はさまざまです。
直送の費用内訳
内容によって費用は異なりますが、内訳の目安は下記を参考にしてください。
■葬儀一式費用
直葬にかかる基本的な費用の相場は42万2,300円です。「直葬プラン」を用意している葬儀社もあり、病院からのお迎えや安置室の利用、火葬場への出棺、火葬の手続き、そのほか葬儀のサポートなどが主な内容です。葬儀社によっては参列者数が5名まで、火葬まで面会不可など制限されていることがあるので確認しましょう。
直葬のプラン自体は10万円台から用意されているものもあります。ただし、価格が低い場合は葬儀にとって最低限な内容であるため、安価だといって安易に決めず内容をよく確認することが大切です。
■宗教者へのお礼
僧侶などに読経を依頼する場合は、お礼を包みます。相場は10万円〜です。
誰が葬儀の費用を支払うの?
葬儀費用を誰が払うかについて決まりはありませんが、喪主が負担することが多いです。喪主は配偶者や子が担うのが一般的です。親子やきょうだい、親戚同士で協力して費用を出し合うケースもあります。
葬儀費用の平均相場を参考に、納得いく葬儀形式を選ぼう
葬儀費用の平均相場は、数十万円から200万円を超えるものまで、形式や参列者の人数によって異なります。故人の死を受け止めるためにしっかり儀式をおこないたい、身内のみで静かにお別れしたい、費用をなるべく抑えたいなどそれぞれ考えがあるでしょう。平均費用は参考にはなりますが、葬儀は金額だけで決められるものではありません。むしろ平均相場を払えない時にこそ葬儀社への事前相談がおすすめです。経験豊富なスタッフがいろいろなアイデアを出してくれるはずです。