副葬品は何を選べばいい？家族の想いとともに故人を見送る
ご家族の通夜・葬式準備
副葬品とは、亡くなった人と一緒に埋葬する品物のことです。火葬する際に棺に入れるものも副葬品と言います。火葬をする棺の中には何を入れても良いわけではありません。こちらの記事では、副葬品にできるものとできないもの、どういうものを入れたらいいのかを具体的にご提案します。
副葬品にできるもの
古来、「故人があの世へ行ってから苦労しないように」という、生者からの最後の願いが副葬品には込められていました。現代においてもなお、逝去された人への想いを込めた品物が選ばれています。まずは、副葬品として棺に納められる品物の例から紹介します。
手紙や寄せ書き
逝去された人へ宛てた手紙や、故人が大切にしていた手紙はよく見られる副葬品のひとつです。手紙を書きたい人数が多いケースでは、寄せ書きにするなどして大量にならないように工夫されると良いでしょう。
よく着ていた洋服や着物
故人がよく着ていた服や着物も副葬品になりますが、選ぶ際には注意が必要です。燃えにくい厚手の生地は避けてください。何枚も棺に納めると他の品物に燃え移るリスクがあるため、1、2枚程度にしておきます。衣服以外には、ハンカチのような小物類も選ばれています。
好んでいた飲みものや食べもの
「あの世へ行っても、好きなものを飲んだり食べたりしてほしい」という願いから、故人が好きだった飲みものや食べものを副葬品にする人も多くいます。ただし、すべてが副葬品にできるわけではありません。まず、適度な大きさで燃えやすいことが必須条件です。
例えば、和菓子や洋菓子、紙パック入りの飲料などです。お酒も紙パック入りであれば問題ありません。缶や瓶に入った飲みものは、火葬の際に爆発する恐れがあるため避けた方が無難です。
例えば、和菓子や洋菓子、紙パック入りの飲料などです。お酒も紙パック入りであれば問題ありません。缶や瓶に入った飲みものは、火葬の際に爆発する恐れがあるため避けた方が無難です。
故人が希望していたもの
エンディングノートや遺言、あるいは生前の会話などから、故人が「棺に入れてほしい」ものを把握できているケースがあります。そのときは、希望の品物が副葬品に適していることを確認した上で、ご遺体と一緒に棺に納めてください。
故人が大切にしていたもの
紙巻きたばこやコレクションしていたものなど、生前好んで使っていたものも、副葬品とされることが多いです。このときも、適度な量と大きさで燃えやすい品物を選んでください。
事前申請や相談が必要な副葬品
葬儀社や火葬場に事前申請が必要な副葬品も存在します。安全に関わるケースもありますので、必ず確認してください。こちらでは、代表的な品物を紹介します。
眼鏡
金属やガラスといった不燃材料で作られている眼鏡は、レンズが遺骨に付着するリスクがあります。ただし、逝去された人が使用していた眼鏡は1つならOKと定めている火葬場もあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
大きいぬいぐるみ
大量のぬいぐるみや大きなサイズのぬいぐるみは、燃え残りが出たり灰が多くなったりするので、ご遺体と一緒に火葬できないケースがあります。相談をする前に、ぬいぐるみのサイズや量、材質などを把握しておくことも大切です。
医療器具の扱い
副葬品ではありませんが、体内に装着されているペースメーカーなどの医療器具は、火葬中に何の前触れもなく爆発する恐れがあります。重大な事故を起こさないように、必ず事前相談または申請をしてください。
故人の大事にしていたものをあれもこれもと入れたくなるかもしれません。しかし、窮屈な棺での送り出しもどうかと思います。最後にお花も供えますので、小さなものならば２～３点、大きなものは１点くらいに厳選することをおすすめします。
副葬品にできないもの
さまざまな理由から副葬品にできない、おすすめできない品物もあります。後々トラブルにならないためにも、事前確認は大切です。法律違反になる場合もあるのでご注意ください。続いては、副葬品として禁止されている品物の例を紹介します。
ご遺体や設備を損傷・故障させる恐れがあるもの
ガラスや金属といった不燃材料が含まれている品物は、燃え残るだけでなく溶けて遺骨を損傷させる危険性があるので、副葬品として禁止されています。腕時計やアクセサリー、ガラスの食器にCDやDVDなどがこれにあたります。
ただし、火葬場によっては入れ歯や眼鏡など、逝去された人が使用していた品物は1つまでならOKといった、独自ルールを設けているところもあります。
燃やすと火葬場の設備に有害な素材で作られている品物も、副葬品にはできません。ゴルフクラブや釣り竿のように、カーボン素材やサイズの大きなものは、火葬炉などの設備を故障させる恐れがあるので禁止されています。
ただし、火葬場によっては入れ歯や眼鏡など、逝去された人が使用していた品物は1つまでならOKといった、独自ルールを設けているところもあります。
燃やすと火葬場の設備に有害な素材で作られている品物も、副葬品にはできません。ゴルフクラブや釣り竿のように、カーボン素材やサイズの大きなものは、火葬炉などの設備を故障させる恐れがあるので禁止されています。
燃やすと環境に有害な素材でできているもの
さらに、革やビニール、プラスチックやゴムなどのように、燃やすとCO2やダイオキシンなどが発生する素材で作られている品物も副葬品にできません。これらは環境に有害な物質だからです。
燃えにくく不完全燃焼の恐れがあるもの
缶や瓶のように膨張するもの、スイカやメロンのように水分が多い食べものは、火葬炉内で爆発する危険性があるため禁止されています。
また分厚い書籍や布団、たくさんの洋服や着物、千羽鶴など、燃え残りが出るリスクがあるものを棺に納めることを禁止している場合も。ただし、本や手帳は小分けにすれば可能なケースもあります。
千羽鶴は棺に納められなくても、お寺や寺院などでお焚き上げをしているところもあります。
また分厚い書籍や布団、たくさんの洋服や着物、千羽鶴など、燃え残りが出るリスクがあるものを棺に納めることを禁止している場合も。ただし、本や手帳は小分けにすれば可能なケースもあります。
千羽鶴は棺に納められなくても、お寺や寺院などでお焚き上げをしているところもあります。
存命中の人も写っている写真
火葬をする時点で存命中の人が写っている写真をご遺体と一緒に棺に納めると、その人もあの世に連れて行かれてしまう、という説があります。地域や年代によっては、こうした説を信じている人も多いので配慮が必要です。
貨幣
日本では「貨幣損傷等取締法（かへいそんしょうとうとりしまりほう）」という法律によって、貨幣を変形させたり損傷させたりすることは禁じられています。かつては六文銭（ろくもんせん）や冥銭（めいせん）と呼ばれる、三途の川の渡り賃として硬貨を棺に入れて焼いたり故人に握らせたりしましたが、現在は法律違反となるので注意が必要です。
葬儀社によっては、六文銭を印刷した紙や「○○万円」と書いた紙を用意していることもあります。どうしても貨幣を入れたいならば、火葬後に骨壷に入れることはできます。
葬儀社によっては、六文銭を印刷した紙や「○○万円」と書いた紙を用意していることもあります。どうしても貨幣を入れたいならば、火葬後に骨壷に入れることはできます。
副葬品にできないものの取り扱い方
逝去された人が大切にしていたものや、エンディングノートなどで切望していたものが、副葬品として棺に入れられないケースもあります。こちらでは、火葬できない品物の取り扱い方や工夫を紹介します。
副葬品を火葬炉に入れる直前まで棺の上に置く
火葬できない品物であっても、火葬の直前まで棺の上に置くことは可能です。この方法なら、旅立つ直前まで故人と副葬品が一緒に過ごせます。
写真に撮影して棺に入れる
火葬できないものを写真に撮って、その写真を棺に入れる方法もあります。大きさや材質を気にしなくて良いので、逝去された人の願いを叶えられます。
火葬用のものを棺に入れる
何らかの理由で副葬品として禁止されている品物を、火葬用に模している商品もあります。例を挙げると、ゴルフクラブです。火葬用あるいは納棺用として販売されている木製のゴルフクラブがあります。葬儀社によっては、こうした火葬用の代用品を用意してくれる場合があります。
骨壺に入れる
眼鏡や入れ歯、収集していた古い貨幣などは、骨壺に入れて副葬品とする方法もあります。骨壺の容量との兼ね合いもあるので、サイズをあらかじめ把握しておくと確実です。
家族の想いがこもった副葬品を選ぼう
副葬品には逝去された人に対する家族の想いを込めることができます。棺に収まるサイズのものであっても、さまざまな理由から副葬品にできないケースもあるので、事前の確認が大切です。できるだけ故人の願いを叶え、家族が悔いを残さずお別れできるように選んでくださいね。
