夢でもいい…亡くなった人に会いたい。悲しみを癒す方法
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方にオススメです
亡くなった人にどうしても会いたい人
亡くなった人に会えない悲しみを癒したい人
亡くなった人に会いたい。会えないのは分かっていても、悲しみが消えず「どうにかして会えないか」と思う感情は誰しも持ちうるものです。亡くなった人に会いたくなる瞬間はどんなときなのか、実際会えるのか、さらに会いたいと思ったときに試したいことについて解説します。会えない悲しみを癒す方法についても、確認してみてください。
目次
亡くなった人に会いたい気持ちになるときとは?
自分にとって大切な人が亡くなったことは分かっている、でもどうしても会いたい。そのような心理になってしまうのは具体的にどのようなときなのか、3つの例を挙げてみます。自分の気持ちを知る手がかりのひとつにしてください。
悩みごとや困りごとに直面したとき
悩んだり困ったりしたとき、亡くなった人に会いたくなることがあります。困難に直面した場面で、「あの人だったらなんと言うだろう」と考えてしまい、会いたさが募るときもあるでしょう。たとえ亡くなってから月日が経っている場合でも、日常生活の中でふと思い出すこともあるものです。
話を聞いてほしいとき
亡くなった人がいつも自分の何気ない話を聞いてくれていた人であれば、いつものように話を聞いてほしくて会いたくなることもあります。例えば自慢話など、疎ましく思われるかもしれずあまりほかの人には話せないことを話したいときに、存在を惜しんで会いたくなるのです。
そのほか、家族のお祝いごとや孫の成長など、亡くなった人が楽しみにしていた報告をしたいときにも会いたくなることがあります。
亡くなった人が好きだったものを見たとき
亡くなった人が好きだったテレビ番組や食べ物を偶然目にしたとき、懐かしさが込み上げて会いたくなることもあります。好きだったもの以外にも、遺品を見ると思い出して辛くなったり、会いたくなったりすることもあるでしょう。何気ない日常の中に存在を思い出すほど大きな存在であれば、無理もありません。
亡くなった人には会えないが感じることはできる
どんなに会いたいと思っても、亡くなっている人には現実世界で物理的に再会することはできません。映画や小説の中ではできることも、現実では難しいでしょう。その代わりに、亡くなった人を偲ぶことで「感じる」ことはできます。
夢であっても必ず会えるわけではない
亡くなった人と物理的には会えなくとも、「夢でいいから会いたい」と思う人もいるでしょう。しかし、夢に出てきて会える可能性はあるものの、出てきてほしいといったら出てきてくれるわけではない=会いたいときに必ず会えるわけではないのが寂しいところです。
会うことはできないが感じることはできる
物理的に会うことはできませんが、亡くなった人を感じることは可能です。
亡くなった人を懐かしい気持ちで思い出すという意味の「故人を偲ぶ」を言う慣用句があります。仏壇に手を合わせたり、亡くなった人に関わりがある場所で食事をしたりすることで、亡くなった人に向き合い、感じ、供養するものです。
亡くなってからある程度時間が経ち、心の整理をつけられれば、亡くなった人を偲べるでしょう。タレント・エッセイストの小島慶子さんは、大切な人が亡くなってからの方が存在を近くに感じられるのだそうです。詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
小島慶子さんインタビュー後編(日々摘花・第11回)
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について、自らの体験に基づいたヒントをいただく特別インタビュー企画です。本編は、第11回のゲスト、タレント/エッセイスト・小島慶子さんの後編です。
どうしても亡くなった人に会いたいときに試したいこと
亡くなった人に会えないことは理解できても、会うためにできる努力はしたい。そんな人のために、亡くなった人にどうしても会いたいときに試せることを紹介します。必ず会えるわけではありませんが、試してみても良いかもしれません。
夢で会うために執着を捨て今を大切に生きる
現実で会えないのなら、夢でもいいから会いたいと思う人もいるでしょう。しかし、夢で会いたい、夢に出てきてほしいという強い思いが、かえって夢で会うことを遠ざけてしまうことがあります。夢は無意識に見るものと言われているため、意識が強すぎると、夢で会うことが難しくなるのかもしれません。
亡くなった人のことを忘れる必要はありませんが、執着を捨て、一緒に過ごした思い出を振り返りながら、毎日を一生懸命生きることも大切です。そうすることで、思わぬタイミングに夢で再会できるかもしれません。
亡くなった人を引き寄せる「イタコ」を頼る
スピリチュアルな考え方として、イタコを頼る方法があります。イタコとは、霊界と現実の間に立ち、故人の霊を招き寄せて言葉を代弁する巫女のことです。
「どうにかして亡くなった人を感じたい」と思っても、霊感を持っていないと感じることは難しいもの。また、霊感を持っていたとしても必ず会えるわけではありません。
そのため、「亡くなった人に会いたい」と強く願う人の中には、イタコを頼る人もいます。青森県にある「恐山菩提寺(おそれざんぼだいじ)」は、7月おこなわれる「恐山大祭」、10月に行われる「恐山秋詣り」の期間中にイタコに会えるとして有名な場所として知られています。
亡くなった人に会えない悲しみを癒す方法
亡くなった人にどうしても会いたいというのは、それだけその人が自分にとって大切な存在であったという証です。すぐに忘れることは難しく、また、無理に忘れようとする必要はありません。悲しみを癒すには、亡くなった人を偲ぶ行動を試してみてください。
写真を見て偲ぶ
亡くなった人の写真を見ると、その人のことを鮮明に思い出せます。幼い頃からの写真を辿れば、亡くなった人の知らなかった部分を知ることもできるかもしれません。また、一緒に撮った写真であれば、その写真を撮ったときのできごとを思い出し、記憶がどんどん思い起こされるでしょう。
亡くなった人が撮影した写真は、その人が写っていなくとも「これはあの人が撮った写真だ」と思い出すこともあります。物理的に会えなくても、写真を見て偲ぶことができるのです。
アルバムやビデオを製作する
亡くなった人を讃えるアルバムやビデオを作るのもひとつの方法です。アルバムに、亡くなった人に対する思いや考え、思い出などをまとめることで追悼します。思い出や回想など、表題をつけてページを展開していくと良いでしょう。文章でも写真でも絵でも良いので、しっくりくるアルバムを作るのがおすすめです。
自分だけではなくほかの人も見る可能性があることから、基本的には良い情報や思い出を集めるようにします。また、家族や友人に亡くなった人のことを語ってもらい、追悼ビデオを作るのも良いかもしれません。自分だけではなく、ほかの人と亡くなった人とのつながりも形にできます。
思い出の場所に行く
亡くなった人と一緒に行った場所を訪れ、当時の思い出に浸るのも良い方法です。そのときの風景や情景、亡くなった人の言葉や表情までも鮮明に思い出せることがあります。思い出の場所で亡くなった人を偲び、心を通わせることで悲しみも癒せるのではないでしょうか。
また、思い出の場所に今大切にしている人と訪れる人もいます。自分が大切にしている場所を、今大切にしている人に伝えるきっかけになるかもしれません。
亡くなった人がやり残したことをする
亡くなった人がしたいと言っていたことをしたり、計画していたけどできなかったことを実行したりすることでも悲しみを癒せます。自分が興味のなかったことを始めるきっかけになる場合もあり、供養と同時に今を大切に生きられるようになります。
タレントの梅宮アンナさんは、お父様が残したレシピ本を受け継ぎ、自身がこれまで苦手だった料理を始めたそうです。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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故人を偲んで亡くなった人に会いたい気持ちを癒そう
日々の生活の中で、亡くなった人のことを思い出す場面は多々あるでしょう。しかし、亡くなった人に会いたいと思っても、現実世界で物理的に会うことはできません。会えない悲しみを癒すためには、亡くなった人を偲ぶこともひとつの手です。写真を見る、アルバムなどを作る、思い出の場所に行く、やり残したことを代わりに実現するなどの行動を起こすことで、会えない悲しみが少しでも癒えますようにと願っています。