葬儀に黒真珠アクセサリーはふさわしい?魅力と特徴を解説

お葬式のマナー・基礎知識
葬儀に黒真珠アクセサリーはふさわしい?魅力と特徴を解説

この記事はこんな方にオススメです

葬儀に参列する際の黒真珠アクセサリーの着用マナーを知りたい
黒真珠アクセサリーの選び方を知りたい
葬儀や法事に参列する際、黒真珠のアクセサリーを着用することはマナー違反ではありません。黒真珠と言っても色合いや大きさなどさまざまなため、これから購入を検討する人は選び方のポイントを知っておくのがおすすめです。本記事では黒真珠の種類や特徴、選び方のポイント、葬儀で着用する際の注意点を解説します。

黒真珠のアクセサリーは葬儀や法事でも着用できる

黒真珠のアクセサリーは、洋装の場合に葬儀や法事で着用できます。葬儀で黒真珠アクセサリーがマナー違反にならない理由と、着用するのにおすすめの年齢を解説します。

葬儀では涙の象徴や悲しみを表す意味で着用する

真珠(パール)のアクセサリーは涙の象徴として、悲しみや遺族へのお悔やみの気持ちを表す意味で、葬儀の際に着用されます。葬儀や法事など弔事で着用するのにふさわしいとされる真珠の色は白や黒、グレーです。ここ最近は黒真珠の人気が高まっています。
葬儀に参列する際はシンプルなネックレスや指輪、ピアス、イヤリングであれば着用しても問題ありません。ただし、和装で参列する場合は、結婚指輪以外のアクセサリーを着用しないのがマナーです。

黒真珠アクセサリーの着用は40代以降がおすすめ

黒真珠アクセサリーを着用する年齢に決まりはありませんが、20代の若い世代よりも、40代以降の人におすすめです。黒真珠を着用すると、エレガントな雰囲気を演出できます。そのため、20代の人が喪服などの黒い服装に黒真珠アクセサリーを着用すると、年齢以上に落ち着いたイメージを与えやすいと言えます。
以下の記事では、真珠以外で葬儀に着用できる宝石も紹介されているので、合わせてチェックしてみてください。

黒真珠の種類と特徴

黒真珠は黒色の真珠の総称で、大きく2種類に分けられます。ここでは黒真珠の種類と特徴を詳しく解説します。

黒蝶貝から採れた黒蝶真珠と加工された黒真珠

黒真珠は「黒蝶真珠(くろちょうしんじゅ)」と、「白真珠を加工したもの」の2種類に分類されます。黒蝶真珠は黒蝶貝から採れ、もともと黒っぽい色をした真珠です。黒蝶真珠に含まれるたんぱく質には緑や赤、黄色などの色素が含まれ、それらが合わさって黒や緑、グレーなどの色合いになります。
黒蝶真珠のほとんどがタヒチで生産されています。かつて黒真珠は希少価値が高く、高級なものでした。タヒチで養殖が成功し、以前よりも安価で手に入るようになったため、需要が高まっています。
加工した黒真珠は、白真珠を黒く塗ったものです。

黒真珠(黒蝶真珠)の特徴

黒真珠である黒蝶真珠の特徴は色合いです。ただ真っ黒ではなく、赤やグレー、緑など1粒1粒色合いが異なります。深緑色のピーコックグリーンが特に人気です。また黒蝶真珠は、アコヤ真珠などほかの種類と比較して粒が大きめ。黒蝶真珠1粒だけをあしらったアクセサリーでも、十分身に着ける人の魅力を引き立たせてくれます。冠婚葬祭だけでなく、普段着ている洋服に合わせるのもおすすめです。

白真珠と黒真珠の違い

白真珠と黒真珠の違いはベースの色です。白真珠は全体的に白っぽく、黒真珠は黒っぽく見えます。元となる母貝の種類が違うと、様々な色や形の真珠が生まれます。
母貝の種類 特徴 サイズ(mm)
●黒真珠(黒蝶真珠)
黒蝶貝 他の真珠に比べ粒が大きめで存在感がある 約8〜17 黒・緑・赤・グレーなど
〇アコヤ真珠
あこや貝 日本産の本真珠 約3~10 白・青・黄色など
〇淡水真珠
池蝶貝
(いけちょうがい)

比較的リーズナブルで色や形が多彩 約2~20 白・オレンジ・紫色など
〇南洋白蝶真珠
白蝶貝
(しろちょうがい)

見た目はアコヤ真珠に似ている 約9~15 白・黄色・シルバー・ゴールドなど

黒真珠アクセサリーの選び方のポイント

黒蝶真珠は、自然によって作られるため、1粒1粒形状や大きさ、色合い、テリ、キズの数が異なります。これから購入を検討する人向けに、黒真珠アクセサリーの選び方のポイントを解説します。

フォーマルな場面で着用するなら粒がラウンド状のものを選ぶ

黒真珠にはさまざまな形状があります。フォーマルな場面で着用する場合は、ラウンド(真円)系を選ぶのがおすすめです。ちなみに真珠は、真珠層と言われる光沢のある結晶部分が厚く、真円に近いものほど貴重です。そのほか歪みのあるバロック系、楕円のオーバル系などの形状があります。

粒の大きさは身長や体格に合ったものを選ぶ

粒の大きさは、試着をして身長や体格に合ったものを選ぶのがおすすめです。黒蝶貝から採れる黒真珠は、アコヤ貝から採れるものより粒が大きめです。黒真珠は9~11ミリが定番のサイズとされています。
白真珠の場合、葬儀で喪服に合わせると目立つため、7~8ミリの大きさのものが望ましいとされています。黒真珠は白真珠と比較するとあまり目立たないため、10ミリ程度の大きさまではマナー違反になりません。
黒真珠は大きいものになると、18ミリのものもあります。粒が大きいほど希少なため、価値が高くなります。

着用する場面に応じて色合いを選ぶ

黒真珠にはさまざまな色合いが存在します。葬儀などお悔やみの席に着用する場合は、黒系を選ぶのがおすすめです。ただし、黒真珠の中でも人気が高く希少なピーコックグリーンは、葬儀での着用を控えたほうが無難です。緑色で孔雀が羽を広げたときのような鮮やかな光沢感があるため、マナー違反の印象を与える可能性があります。

テリの良いものを選ぶ

テリとは真珠の光沢のこと。真珠層が厚く、テリの強いものが高品質とされています。見分け方としては、テリの強いものは真珠に顔を映したときに影がはっきり見え、弱いものはぼやけて見えます。

キズが少ないものを選ぶ

着用したときに真珠のキズが目立たないものを選ぶことも大切です。真珠は養殖の際、突起やくぼみなどのキズができます。しかし自然によって作られるものなので、ほかの宝石のように研磨をしてキズを消せません。そのため、黒真珠はキズが少ないほど品質が良いとされています。

本物と偽物を見分ける方法

真珠は冠婚葬祭だけでなく、普段使いもできることから身近なものです。そのため、コットンパールやガラスパール、プラスチックパールといった、イミテーションパール(模造品)や偽物も出回っています。本物と偽物の見分け方を紹介します。
見た目 質感
本物 紐などを通す加工穴がキレイ。粒の大きさや形が揃っていない  指で触ったときにザラっとした感触がある
偽物 加工穴がボコボコしている。人工的に作られているため、形が均等 真珠箔を塗って加工してあるため、ツルツルしている
見た目と質感で見分けるのは難しいですが、ブラックライト(紫外線ライト)があれば簡単です。ライトをあてると本物の真珠は青く光り、偽物は白いままです。

葬儀で黒真珠アクセサリーを着用する際の注意点

黒真珠アクセサリーなら、すべて葬儀にふさわしいというわけではありません。デザインによってはマナー違反の印象を与える可能性があるため、次で解説する注意点をふまえて着用することをおすすめします。

デザインは控えめなものにする

葬儀で着用するアクセサリーのデザインは、なるべく控えめなものにするのがマナーです。例えば、ピアスやイヤリングは揺れるものを避け、固定できるものを選びます。また素材部分も目立たないものを着用してください。黒真珠を1粒だけあしらったネックレスは、チェーン部分が素材によっては目立つ場合があります。マナー違反と捉えられないよう、なるべく避けたほうが無難です。

不幸を連想させるものは避ける

弔事では不幸を連想させるものはタブーです。2連以上のネックレスは不幸が連続する、ロングタイプのものは悲しみが長期化することを連想させます。そのため葬儀で黒真珠アクセサリーを着用する場合は、1連で鎖骨あたりまでのショートタイプのものを選ぶのがマナーです。イヤリングやピアスも黒真珠が2粒以上になると不幸が連続することを連想させるため、1粒だけあしらったものを選んでください。

葬儀に黒真珠アクセサリーは問題ないが、マナーに注意しよう

葬儀ではデザインを控えめなものにする、不幸を連想させないといったマナーを守れば、黒真珠をあしらったイヤリングやピアス、ネックレス、指輪といったアクセサリーの着用は問題ありません。購入を検討している人で、葬儀での着用を想定している場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。既に真珠アクセサリーを持っている人も、葬儀の場にふさわしいものか一度確認することをおすすめします。
喪服の着こなしとマナーもチェックしておくと、いざというとき慌てずに済みます。