お通夜・法事に持参したい日持ちするお菓子。選び方のコツを紹介
お葬式のマナー・基礎知識
この記事はこんな方におすすめです
日持ちするお菓子の種類や特徴を知りたい
お通夜や法事におけるお菓子選びのポイントを知りたい
お通夜や法事では、遺族を労う気持ちを込めてお菓子を持参することがあります。また、お供え物や香典返しとしてお菓子を用いることも多いです。そこで、この記事ではお通夜や法事に最適な日持ちするお菓子の種類、選び方のコツ、マナーなどについて解説します。手土産選びに迷ったときの参考にしてみてください。
目次
お通夜・法事に持参するお菓子の選び方
遺族をねぎらうためにお通夜や法事に持参するお菓子。差し入れとして贈ったお菓子は遺族が食べるだけでなく弔問客に振る舞われることもあります。最初に、お通夜や法事でのお菓子の選び方のコツについて紹介します。
日持ちするものを選ぶ
お通夜や法事などのお菓子は、持ち帰ることを念頭に選ぶのが基本です。その場で食べきるのは難しい場合が多いので、生クリームや生ものを用いたお菓子や、冷蔵で保管する必要のあるお菓子は避けてください。常温のまま置いておけるのに加えて、日持ちするものであれば沢山あっても困りません。
かさばらず手軽なものを選ぶ
お通夜や法事には、遠くから訪れる人もいます。持ち帰りのことを考えて、かさばりにくく、軽いお菓子を選ぶのもポイント。また、棹菓子(さおがし)やホールケーキのように切って分ける必要のあるお菓子も避けます。お持たせとして分けやすく、また、その場でいただきやすい個別梱包のお菓子がおすすめです。
故人や参列者の好みに合うものを選ぶ
亡くなった人が好んで食べていたお菓子を選べば、故人を偲び、通夜振る舞いでの思い出話にもつながりそうです。ただし、お供え物であれば宗教上NGになる食材もあります。
また、事前にわかるようであれば、参列者の顔ぶれに合わせて選ぶ方法もあります。年配の人が多いときはやわらかくてのどに詰まりにくいお菓子、小さな子どもがいるときは小粒のゼリーやクッキーといったように、好みを考慮して選んではいかがでしょうか。
また、事前にわかるようであれば、参列者の顔ぶれに合わせて選ぶ方法もあります。年配の人が多いときはやわらかくてのどに詰まりにくいお菓子、小さな子どもがいるときは小粒のゼリーやクッキーといったように、好みを考慮して選んではいかがでしょうか。
お菓子を持参しない選択も
状況によってはお菓子をもらっても困る、あるいはお返しに悩む、ということもあるかもしれません。贈る相手の立場や気持ちを考えて、持参するかしないかを決めてください。
お通夜に持参したい日持ちするお菓子の種類
遺族のために持参したお菓子は、特にお通夜や葬儀があると当日食べられるとは限りません。ここでは、長く保存可能な日持ちのするお菓子の種類を、和菓子と洋菓子に別けて紹介します。
和菓子
日持ちしやすい和菓子は、手土産の定番です。密封容器に入ったようかんや、乾燥剤入りの小袋に入ったせんべいなどは、小分けできるのも魅力。複数人でシェアしやすいお菓子を探している場合におすすめです。夏場はひんやりとした水ようかんや梅ゼリー、秋は旬の食材を使った栗饅頭など、季節感のあるお菓子を選ぶ方法もあります。
■おすすめの和菓子
- 落雁
- 最中
- 饅頭
- ようかん
- かりんとう
- カステラ
- どら焼き
- せんべい
- あられ
洋菓子
洋菓子の場合、クリームを使った生菓子は日持ちしないため、避けたほうが無難です。見栄えのするケーキは手土産として人気ですが、葬儀の場にはふさわしくありません。日持ちするお菓子なら、個別梱包の焼き菓子が重宝します。
■おすすめの洋菓子
- クッキー
- フィナンシェ
- マドレーヌ
- パウンドケーキ
- バウムクーヘン
- ゼリー
お通夜におすすめの日持ちするお菓子4選
お通夜や法事に持参するお菓子に決まりはありませんが、どのようなものを選べば良いのか迷うこともあるでしょう。事前に目安をつけておけば、手間をかけることなく手土産を選べるようになります。そこで、ここではお通夜の手土産におすすめのお菓子を金額相場も交えて紹介します。
和菓子の詰め合わせ
日持ちする和菓子は、詰め合わせにして贈るのが人気です。葛切りやようかん、抹茶プリン、梅ゼリーなど喉越しの良い和菓子は、季節を問わず好まれる傾向があります。常温で保存でき、賞味期限が長く設定されている場合が多いのも、手土産として重宝される理由です。
金額相場:2,000円台〜3,000円台
おかきの詰め合わせ
種類が豊富なのに加えて、小分けタイプが多いので手軽に食べられるのが魅力です。アソートタイプなら、1袋でさまざまな味を楽しめるのも嬉しいポイント。常温で日持ちし、甘いものが苦手な人からも好まれるため幅広い層への手土産に役立ちます。
金額相場:2,000円台〜3,000円台
クッキーの詰め合わせ
賞味期限が長いクッキーの詰め合わせも、いろいろな味を楽しめる手土産としておすすめです。個別梱包タイプなら小分けしやすくて便利です。
金額相場:1,000円台〜3,000円台
バウムクーヘン
扇形にカットして個別梱包したバウムクーヘンの詰め合わせも、日持ちするお菓子の代表。プレーンの他、チョコレートでコーティングしたタイプなどメーカーによって多種多様なバウムクーヘンが出ています。しっとりとした食感で年配の人でも食べやすく、常温保存が可能です。
金額相場:1,000円台〜3,000円台
お菓子以外で選ばれる手土産
お菓子以外で持参する手土産としては、コーヒーを始めとした飲み物や果物などが挙げられます。そこで、ここではお菓子以外の手土産を紹介します。
果物
季節を感じられる果物は、お供え物の定番。みかんやリンゴ、ブドウなど丸みを帯びたものは縁起が良いと考えられています。キウイや洋梨、メロンなど追熟が必要な果物は常温で保存しやすく、手土産に役立ちます。
金額相場:5,000円台〜1万円台
コーヒーやお茶
ジュースやコーヒー、お茶といった缶入りの飲み物は何人かで分けて持ち帰りやすく、手土産に向いています。緑茶や紅茶などのティーパックも、持ち運びに便利です。日持ちするのに加えて、季節に関係なく取り入れられます。
金額相場:3,000円台〜4,000円台
お酒
亡くなった人を偲び、思い出を語り合うお通夜では、故人が生前好んで飲んでいたお酒を持参するのも1つの方法。ただし、地域や宗派の決まりでお酒は適当ではないとされる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
金額相場:2,000円台〜3,000円台
線香やロウソク
ロウソクや線香の詰め合わせは、消耗品として選ばれることが多い品物です。特に心地良い香りを楽しめて、高級な雰囲気を感じられる上質なものが選ばれる傾向にあります。線香は「香りによって心と体が清められる」、ロウソクは「先祖のいる場所を照らし出す」と、お通夜や法事にふさわしい意味が込められています。
金額相場:3,000円台〜4,000円台
地域によって異なるお通夜・法事のお菓子の風習
お通夜や法事に取り入れられるお菓子は、地域によって込められた意味や風習が異なる場合があります。最後に、地域による違いについて解説します。
岐阜や愛知に伝わる「お淋し見舞い」
岐阜県や愛知県などの一部地域にあるのが、「お淋し見舞い(おさびしみまい)」という習慣です。亡くなった人と親交のあった人がお菓子を持って行き、遺族を労います。関東でも類似した習慣があり、通夜見舞いや夜伽見舞いと呼ばれることも。通夜見舞いには、遺族を気遣う気持ちだけでなく、事情によって生前に贈ることができなかったお見舞い品の代わりに手土産を持参する、との意味があります。
同じような風習ですが、関東の一部地域などでは「通夜見舞い」と呼ばれています。通夜見舞いをするエリアや贈り方については下記の記事をご確認ください。
通夜見舞いを詳しく解説。マナーや注意点もご紹介 - 家族葬のファミーユ【Coeurlien】
故人の生前に見舞いへ行けなかった代わりとして、お通夜の前に品物などを持っていくことを通夜見舞いといいます。茨城県や千葉県、福岡県など、地域的な風習であまり広くは知られていません。今回はいざというときのための「通夜見舞い」についてご紹介していきます。
東西で異なる「葬式饅頭」
近年は見かけることが少なくなりましたが、感謝の気持ちを込めて参列者に配られる葬式饅頭も、地域によって多種多様です。関東は青白饅頭や春日饅頭、関西はおぼろ饅頭や黄白饅頭、北海道は中華饅頭といったように、特色豊かな饅頭を配ることがあります。
岡山の「法事パン」
また、岡山県の北部には、法事でお供えした菓子パンを施主が手土産として参列者に配るユニークな風習「法事パン」が存在します。自分の住む地域にどのような風習が残っているのか、調べてみるのも良いかもしれません。
お通夜・法事には日持ちするお菓子を
お通夜や法事に持参するお菓子は、日持ちするもの、かさばらないものを念頭に選ぶのがポイントです。亡くなった人や参列者の好みを把握しているときは、それに合わせてお菓子を選ぶ方法もあります。古くからの風習が残る地域の場合は、事前に決まりごとを確認しておくと安心。遺族や亡くなった人への思いを込めて、ふさわしいお菓子を選んではいかがでしょうか。