日蓮宗の葬儀マナー。忘れずにいたい法華経の精神
お葬式のマナー・基礎知識
鎌倉時代の僧侶『日蓮聖人』が開いた仏教宗派の日蓮宗。日蓮宗では、「法華経(ほけきょう、ほっけきょう)」というお経の教えを守り、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱えれば誰もが仏になれます。どんな苦境にあっても今を大事にする日蓮宗とその葬儀マナーについて紹介します。
日蓮宗とは
日蓮宗は日本全国に約4,654の寺院を有し、信徒は322万人を数えます。その成り立ちは鎌倉時代までさかのぼります。
日蓮宗の基礎知識
日蓮宗は、宗祖・日蓮聖人の名を冠した仏教の一宗派です。
本尊は、日蓮聖人が残したといわれる曼荼羅。経典は『法華経』です。「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の7文字はお題目と呼ばれて、大事に唱えて現世での幸せと、最後は仏になるように拝みます。総本山は、山梨県にある『身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)』です。
今を生きる知恵である法華経には、来世ではなく、今この時を精いっぱいに生きる術が記されています。また、人のみならず、すべての生き物に仏の心があるとしているのも特徴です。
本尊は、日蓮聖人が残したといわれる曼荼羅。経典は『法華経』です。「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の7文字はお題目と呼ばれて、大事に唱えて現世での幸せと、最後は仏になるように拝みます。総本山は、山梨県にある『身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)』です。
今を生きる知恵である法華経には、来世ではなく、今この時を精いっぱいに生きる術が記されています。また、人のみならず、すべての生き物に仏の心があるとしているのも特徴です。
日蓮宗を開いた日蓮聖人
日蓮聖人は、鎌倉時代の1222年2月16日、現在の千葉県鴨川市に漁師の子に生まれたと記されているそうです。近くの清澄寺で仏の道に入り、鎌倉、比叡山、高野山などで修行に励みます。そのうちに、来世よりも今の生き方を問う「法華経」こそ、お釈迦さまの真の教えであるという思いを深めます。
1253年、日蓮聖人は法華経をよりどころに定め「南無妙法蓮華経」を唱えはじめます。これが日蓮宗の始まりといわれます。法華経のように"太陽のように明るく照らし、蓮華のように清らかでありたい"との願いを込め、「日蓮」と改称したのもこの時です。
その後、日本の未来を案じ自らの主張(法華経第一)を通すため、他宗批判も構わず鎌倉幕府と正面からぶつかります。結果、他宗派に鎌倉の庵を焼かれたり、幕府の命で伊豆や佐渡に流刑にあいます。あまたの苦難を乗り越えて山梨県の身延山に身を移したあとは、後進の育成に励みます。多くの人に法華経の精神と南無妙法蓮華経を伝えて61歳で生涯の幕を閉じます。
1253年、日蓮聖人は法華経をよりどころに定め「南無妙法蓮華経」を唱えはじめます。これが日蓮宗の始まりといわれます。法華経のように"太陽のように明るく照らし、蓮華のように清らかでありたい"との願いを込め、「日蓮」と改称したのもこの時です。
その後、日本の未来を案じ自らの主張(法華経第一)を通すため、他宗批判も構わず鎌倉幕府と正面からぶつかります。結果、他宗派に鎌倉の庵を焼かれたり、幕府の命で伊豆や佐渡に流刑にあいます。あまたの苦難を乗り越えて山梨県の身延山に身を移したあとは、後進の育成に励みます。多くの人に法華経の精神と南無妙法蓮華経を伝えて61歳で生涯の幕を閉じます。
日蓮宗の葬儀の特徴
法華経を信仰する日蓮宗の葬儀には、いくつか他の宗派ではあまり見られない儀式や道具があります。
葬儀の途中でおこなう「開棺」と「引導」
日蓮宗の葬儀の特徴として、「開棺(かいかん)」と「引導(いんどう)」という儀式をおこないます。
「開棺」とは、僧侶が焼香をした後に文を唱えて、中啓(ちゅうけい)と呼ばれる半分開いたハリセンのような扇子で棺を3回打ち鳴らすことをいいます。そして「引導」は、仏さまと故人を引き合わせるための儀式です。高級なはたきのような仏具の払子(ほっす)を振りながら、法華経の大切さや故人の功徳を誉めるような内容が記された引導文を読むのが決まりです。
開棺と引導のアクションは他の宗派であまり見られないため、体験できるのは貴重です。
「開棺」とは、僧侶が焼香をした後に文を唱えて、中啓(ちゅうけい)と呼ばれる半分開いたハリセンのような扇子で棺を3回打ち鳴らすことをいいます。そして「引導」は、仏さまと故人を引き合わせるための儀式です。高級なはたきのような仏具の払子(ほっす)を振りながら、法華経の大切さや故人の功徳を誉めるような内容が記された引導文を読むのが決まりです。
開棺と引導のアクションは他の宗派であまり見られないため、体験できるのは貴重です。
葬儀で法華経を唱えるときに使うもの
日蓮宗の葬儀では、法華経を唱えるシーンで使う道具がいくつかあります。
シンバルとよく似た妙鉢(みょうばち)、木魚の代わりに鳴らされる木柾(もくしょう)など、他の宗派に比べて使用する鳴り物が多いのが特徴です。これらの鳴り物は、故人を導いたり、邪気や魔を祓ったりするために使用します。
木魚はポクポクとくぐもった音ですが、木柾はカンカンと高めの音がします。薄い円柱型のものが多く、四角形のものもあります。小さいサイズだと直径10センチほど、大きいものだと直径30センチほどあります。
音や道具に気をつけてみると、宗派による葬儀の違いや奥深さが感じられそうです。
シンバルとよく似た妙鉢(みょうばち)、木魚の代わりに鳴らされる木柾(もくしょう)など、他の宗派に比べて使用する鳴り物が多いのが特徴です。これらの鳴り物は、故人を導いたり、邪気や魔を祓ったりするために使用します。
木魚はポクポクとくぐもった音ですが、木柾はカンカンと高めの音がします。薄い円柱型のものが多く、四角形のものもあります。小さいサイズだと直径10センチほど、大きいものだと直径30センチほどあります。
音や道具に気をつけてみると、宗派による葬儀の違いや奥深さが感じられそうです。
日蓮宗の参列マナー
ここでは日蓮宗の葬儀で覚えておくといい参列マナーを紹介します。頭に入れておけばスムーズですが、やり方に戸惑う時はその場のスタッフに尋ねて大丈夫です。
日蓮宗の焼香の回数は「1回」が多い
よく見られる焼香の流れは以下の通りです。
①遺影や棺の前で一礼し、数珠を左手に持ちながら焼香盆にあるお香を右手の親指と人差し指でひとつまみ取る
②取ったお香を火種にかける
③合掌し、一礼をして席に戻る
日蓮宗では、導師(僧侶)の焼香は3回、一般参列者は1回とされます。現場の状況などによっても変わることがあります。参列者の焼香を参考にして、状況に応じておこないましょう。司会者が回数を伝えてくれる場合もあります。
①遺影や棺の前で一礼し、数珠を左手に持ちながら焼香盆にあるお香を右手の親指と人差し指でひとつまみ取る
②取ったお香を火種にかける
③合掌し、一礼をして席に戻る
日蓮宗では、導師(僧侶)の焼香は3回、一般参列者は1回とされます。現場の状況などによっても変わることがあります。参列者の焼香を参考にして、状況に応じておこないましょう。司会者が回数を伝えてくれる場合もあります。
焼香について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
焼香の仕方を徹底解説。手順や種類・宗派による違いをご紹介 - 家族葬のファミーユ【Coeurlien】
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日蓮宗の葬儀で使う数珠
葬儀の際に持参する数珠は、宗派によって形が異なります。いずれの宗派でも、基本的には108個の珠がついているものが正式です。
日蓮宗では房が片側に2本、もう片方に3本ついていて、菊房がついているデザインが正式な数珠とされています。右手の指に2本、左手の指に3本の房がくるのが正しい持ち方です。
日蓮宗の数珠を持っていない場合、手持ちの数珠で参列しても問題ありません。しかし喪主や遺族側で新たに購入するのであれば、できるだけ正式な数珠の販売店を調べて準備しておきましょう。
日蓮宗では房が片側に2本、もう片方に3本ついていて、菊房がついているデザインが正式な数珠とされています。右手の指に2本、左手の指に3本の房がくるのが正しい持ち方です。
日蓮宗の数珠を持っていない場合、手持ちの数珠で参列しても問題ありません。しかし喪主や遺族側で新たに購入するのであれば、できるだけ正式な数珠の販売店を調べて準備しておきましょう。
数珠についての意味や正しい使用法について知りたい方は次の記事を参考にしてください。
左手が基本? いまさら聞けない数珠の持ち方・使い方 - 家族葬のファミーユ【Coeurlien】
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法華経を唱えて、心を込めて故人を見送ろう
日蓮宗の葬儀だからといって構えることはありません。宗教儀礼で必要なことは葬儀社が教えてくれます。作法を気にするよりも、遺影をみて故人と最後のお別れをきちんとすることの方が重要です。
ただし、葬儀の特徴やマナーを事前に確認しておくと、喪主になった時も参列する時も何も知らないよりは安心できるかもしれません。
ただし、葬儀の特徴やマナーを事前に確認しておくと、喪主になった時も参列する時も何も知らないよりは安心できるかもしれません。