【2024年】酉の市とは|いつどこで開催されるか、熊手の買い方を含めて解説
法事・お墓
酉の市(とりのいち)とは、11月の酉の日に神社やお寺で催されるお祭りのことです。商売繁盛や翌年の幸福を願う熊手を縁起物として売る市が立ちます。酉の市の日程は毎年変わり、2024年は5日(火)、17日(日)、29日(金)の3回です。本記事では、酉の市がいつどこで開催されるかを詳しくお伝えします。当日をより楽しめるように、意味や歴史、熊手の買い方や頭の芋などの縁起物まで徹底解説します。
目次
【2024年版】酉の市の日程はいつ?
酉の市は毎年11月の酉の日におこなわれます。2024年は11月に酉の日が3回なので酉の市も3回あり、1回目から一の酉(いちのとり)、二の酉(にのとり)、三の酉(さんのとり)と呼びます。ここでは、それぞれの日程と混雑状況をお伝えします。
一の酉
11月最初の酉の日におこなわれる酉の市を「一の酉」と呼びます。2024年の一の酉は、11月5日(火)です。平日に開催される酉の市は、どこの寺社も参拝客が少ない傾向にあります。
二の酉
名前の通り、2回目におこなわれる酉の市が「二の酉」です。2024年は、11月17日(日)が二の酉です。日曜であるため多くの人出が予想されます。
三の酉
11月の3回目の三の酉は11月29日(金)です。酉の日がどんなに多い年でもこの3回目まで。三の酉まである年は、火事が多いと言われ、駆け込み需要で参拝客も増えます。
酉の市はどこで楽しめる?~関東三大酉の市~
日本各地でおこなわれている酉の市の中でも有名なのが「関東三大酉の市」です。こちらではそれぞれの特徴や日程を紹介します。コロナ流行後、開催状況や入場予約などが変更されているので公式サイトなどでの事前確認がおすすめです。
浅草・鷲神社
例年、熊手店や露店が800~900店舗ほど出店され、70~80万人もの参拝客が訪れる神社です。2024年の開催時間は、午前0時から午後24時までの予定です。
今年(令和6年)も、「宵宮祭」「当日祭」昇殿参列については事前予約が必要です。ハガキやインターネットなど申し込み方法は公式ホームページで確認してください。
今年(令和6年)も、「宵宮祭」「当日祭」昇殿参列については事前予約が必要です。ハガキやインターネットなど申し込み方法は公式ホームページで確認してください。
新宿・花園神社
前夜祭と本祭がおこなわれる点が、花園神社の特徴です。例年前夜祭は本祭の前日におこなわれます。本祭は酉の日である11月5日(火)・17日(日)・29(金)におこなわれる予定です。
花園神社には、名物でもある珍しい「見世物小屋」があります。中に入ると、昭和を感じるさまざまな芸が見られます。そこでしか見られないパフォーマンスを見た後、出口で料金を支払います。
公式サイトの年間行事予定などで、時間や露店の出店についても確認してみて下さい。
花園神社には、名物でもある珍しい「見世物小屋」があります。中に入ると、昭和を感じるさまざまな芸が見られます。そこでしか見られないパフォーマンスを見た後、出口で料金を支払います。
公式サイトの年間行事予定などで、時間や露店の出店についても確認してみて下さい。
府中・大國魂神社
参道が2021年の東京五輪の自転車競技コースにもなった東京都府中市にある大國魂(おおくにたま)神社。ここでは、熊手をかたどったかんざし型のお守りや、神符(しんぷ)熊手を酉の市で頒布しています。拝殿の西側には大鷲(おおとり)神社があります。
ゴールデンウィークにおこなわれる「くらやみ祭」は7日間に渡り様々な神事があり、80万人もの人が訪れます。これは六角精児さんの主演で映画になったこともあるほど有名です。例年、4月30日~5月6日までおこなわれますが、露店などは5月3~5日がメインです。
いずれの神社にお参りする際も、公式サイトなどで注意事項を見ておくことが肝心です。
ゴールデンウィークにおこなわれる「くらやみ祭」は7日間に渡り様々な神事があり、80万人もの人が訪れます。これは六角精児さんの主演で映画になったこともあるほど有名です。例年、4月30日~5月6日までおこなわれますが、露店などは5月3~5日がメインです。
いずれの神社にお参りする際も、公式サイトなどで注意事項を見ておくことが肝心です。
ほかにも楽しめる酉の市
関東地方には三大酉の市以外にも酉の市の開かれる寺社が多数あります。その中から2つご紹介します。
横浜・金刀比羅大鷲神社
金刀比羅(ことひら)大鷲神社の酉の市は、1991年に横浜市教育委員会によって無形民俗文化財登録されています。境内には何百もの手作りの奉納提灯が飾られ、訪れる参拝客の目を楽しませてくれます。
目黒・大鳥神社
熊手が火難除けの神様とされていることから、江戸消防記念会が酉の市にて参拝祈願しています。神社の開運熊手守りの授与なども実施しています。
このほかにも全国には酉の市が開催される寺社が30ヶ所以上ありますので、近くの「鳥」や「鷲」に縁のある寺社をチェックしてみるのもいいですね。
このほかにも全国には酉の市が開催される寺社が30ヶ所以上ありますので、近くの「鳥」や「鷲」に縁のある寺社をチェックしてみるのもいいですね。
そもそも酉の市とは
古くから神社やお寺でおこなわれてきた酉の市には、現在も多くの人が集まります。当日より楽しめるように、酉の市の概要や由来、歴史などの基本情報をお伝えします。
酉の市の概要
11月の酉の日に、鳥や鷲(おおとり・わし)に縁がある神社やお寺でおこなわれる酉の市。酉の日の数え方には、古代中国で誕生した十二支が深く関係しています。
12年に1回「酉年」があるように、12日に1回の周期で「酉の日」があります。中国から伝わったとされる六十干支(ろくじっかんし)が表記されているカレンダーで、「癸酉(みずのととり)」「乙酉(きのととり)」などと書かれている日が酉の日です。
酉の日は月によって少なくとも2回、多いと3回あります。2回ある年は「一の酉」と「二の酉」、3回ある年は加えて「三の酉」まで酉の市が開かれます。
酉の市は関東圏を中心に、愛知県や大阪府内をはじめとする、全国の神社やお寺で開催されています。酉の市では名物である熊手販売のほか、夏や秋のお祭りのような屋台や飲食店が立ち並び賑やか。あちこちから上がる熊手売りの威勢の良い声と三本締めで境内は熱気に包まれます。
12年に1回「酉年」があるように、12日に1回の周期で「酉の日」があります。中国から伝わったとされる六十干支(ろくじっかんし)が表記されているカレンダーで、「癸酉(みずのととり)」「乙酉(きのととり)」などと書かれている日が酉の日です。
酉の日は月によって少なくとも2回、多いと3回あります。2回ある年は「一の酉」と「二の酉」、3回ある年は加えて「三の酉」まで酉の市が開かれます。
酉の市は関東圏を中心に、愛知県や大阪府内をはじめとする、全国の神社やお寺で開催されています。酉の市では名物である熊手販売のほか、夏や秋のお祭りのような屋台や飲食店が立ち並び賑やか。あちこちから上がる熊手売りの威勢の良い声と三本締めで境内は熱気に包まれます。
酉の市の由来
酉の市の由来としては、諸説あります。中でも、「神道」「仏教」「収穫祭」の3つの説が有力視されています。
①神道説:目黒区の大鳥神社や、浅草の鷲(おおとり)神社が祀っている、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が11月の酉の日に亡くなったことが由来。
②仏教説:東京都台東区の長國寺(ちょうこくじ)にある、「鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)」のご開帳日に催される門前市が由来。
③収穫祭説:秋の収穫を祝うため、東京都足立区の大鷲(おおとり)神社で農工具などが売られる門前市が開かれるようになったことが由来。
①神道説:目黒区の大鳥神社や、浅草の鷲(おおとり)神社が祀っている、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が11月の酉の日に亡くなったことが由来。
②仏教説:東京都台東区の長國寺(ちょうこくじ)にある、「鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)」のご開帳日に催される門前市が由来。
③収穫祭説:秋の収穫を祝うため、東京都足立区の大鷲(おおとり)神社で農工具などが売られる門前市が開かれるようになったことが由来。
酉の市の歴史は江戸(東京)とともに
昔は「酉の祭(とりのまち)」と呼ばれていましたが、祭りの会場に市が立つようになったことで、いつしか「酉の市」と呼ばれるように。江戸時代に生きた人々の生活などが記されている「東都歳時記(とうとさいじき)」には、1750~60年には既に酉の市が賑わっていたこと、それ以前からおこなわれていたことが記載されています。由来や歴史にあるように、東京近郊で親しまれた行事のようですね。
酉の市の縁起物、熊手の買い方・飾り方
寺社から溢れんばかりの人々がこぞって熊手を購入する姿は、酉の市の風物詩の1つです。こちらでは、熊手が縁起物になった理由や粋な買い方とその値段から処分の仕方まで解説します。
熊手が商売繁盛の縁起物になった理由
先端が熊の爪のような形をしている熊手。その形が「福や運、金銀を自分の手元に集める」と連想されたことで縁起物(それにあやかってよい結果が導かれるよう祈るもの)の1つになりました。七福神・松竹梅・大判小判・打出の小槌・鯛・米俵など、いろいろな縁起物が飾られています。
酉の市で売られる熊手の値段
酉の市の熊手は商売をしている人だけが買うもの、と思っていませんか。近頃は商売繫盛だけでなく、開運招福、健康や家内安全、恋愛成就なども叶える熊手があるそうです。小さな豆熊手は値段も手頃で1,000円くらいからあるので、気に入ったデザインのものを購入してみてはいかがでしょうか。
また、高価なものでは10万円以上のものもありますが、よく売れるのは10,000~50,000円だそうです。万単位の熊手を購入した際には、ほとんどのお店で三本締めなどの手締めをします。
また、高価なものでは10万円以上のものもありますが、よく売れるのは10,000~50,000円だそうです。万単位の熊手を購入した際には、ほとんどのお店で三本締めなどの手締めをします。
熊手の買い方は粋を楽しむ
酉の市は「熊手の商談」と呼ばれる、熊手商と客の駆け引きが名物です。値切れば値切っただけ縁起が良いと言われているので、ここは腕の見せ所。お店の人に熊手が欲しいと伝えたら、熊手商との商談スタートです。
例えば、熊手商が「10,000円!」と値段を伝えてきたら、お客さんは「9,500円!」と値切ります。「買った」(勝った)、「(値段を)まけた」(負けた)の駆け引きを続けて商談が成立したら、熊手の代金を支払います。
値切った後の額ではなく、最初に聞いた値段(例の場合は10,000円)を支払うのが粋な買い方。値切った分は熊手商への「ご祝儀」とするのです。熊手商とお客さんの両方の気分が良くなった頃、周囲にいる人たちも参加する手締めがおこなわれます。商売繁盛や福を願ってみんなで手を打つ瞬間は、自然と心が元気になって笑顔が溢れるでしょう。
酉の市で購入する熊手は、毎年少しずつ大きくしていくと良いとされているため、まずは小さめのサイズから購入してみるのがおすすめです。
例えば、熊手商が「10,000円!」と値段を伝えてきたら、お客さんは「9,500円!」と値切ります。「買った」(勝った)、「(値段を)まけた」(負けた)の駆け引きを続けて商談が成立したら、熊手の代金を支払います。
値切った後の額ではなく、最初に聞いた値段(例の場合は10,000円)を支払うのが粋な買い方。値切った分は熊手商への「ご祝儀」とするのです。熊手商とお客さんの両方の気分が良くなった頃、周囲にいる人たちも参加する手締めがおこなわれます。商売繁盛や福を願ってみんなで手を打つ瞬間は、自然と心が元気になって笑顔が溢れるでしょう。
酉の市で購入する熊手は、毎年少しずつ大きくしていくと良いとされているため、まずは小さめのサイズから購入してみるのがおすすめです。
熊手の持ち帰り方と飾り方
熊手で今後1年間の幸福がかき込まれることを願い、熊手を高く掲げながら持ち帰ります。家に到着したら、玄関などの少し高いところに飾るか、神棚に供えて新年を迎えましょう。
熊手の処分方法
前年のものなど、以前購入した熊手は酉の市に持っていき、感謝の心を込めて神社の納め所に返します。納められた後はお焚き上げなどで燃やされ、清められた状態で役目を終えます。
熊手以外の縁起物について
酉の市の縁起物で最も有名なのは熊手ですが、実はその他にも縁起が良い食べ物などが販売されています。こちらでは、酉の市で購入したい熊手以外の縁起物を紹介します。
頭の芋
酉の市では、直径10cm程度の大きな芋が売られています。八頭(やつがしら)とも呼ばれる「頭の芋(とうのいも)」は里芋の1種。「頭」と付く名前から「出世する」、1つの芋からいくつも発芽する姿から「子宝に恵まれる」ことを連想させる縁起物です。頭の芋を扱う屋台数は減少気味なので、見つけたらそれだけで幸運がかっこめそうですね。
切山椒・黄金餅
山椒の粉と砂糖、上新粉などで作られた餅菓子で、短冊切りしたものを切山椒(きりさんしょ・きりざんしょ・きりざんしょう)と呼びます。日本で最も古い香辛料と言われている山椒は「捨てる部分がなく、すべてを活用できる点が有益」とされたことで、縁起物の1つになりました。商売の切り回しがよくなるようにという縁起担ぎや、寒くなり始める酉の市の頃、体の中から厄除けをとの思いも込められていると言われています。
一方の黄金餅(こがねもち)は、別名を粟餅(あわもち)と言います。黄色の見た目が小判に似ているため、「財を成せるように」といった意味を込めた縁起物として扱われています。
一方の黄金餅(こがねもち)は、別名を粟餅(あわもち)と言います。黄色の見た目が小判に似ているため、「財を成せるように」といった意味を込めた縁起物として扱われています。
熊手守り
竹製の小さな熊手の先端に稲穂やお札などを付けたものが、熊手守りと呼ばれます。熊手商から買う縁起熊手とは別物で、神社やお寺から授与されます。「福をかきこむ」といった意味から「かっこめ」、「はっこめ」と呼ばれることもあるようです。自宅では、熊手と同様に飾ります。
酉の市の熊手や縁起物で幸福を祈ろう
酉の市で販売されている熊手には、「今後も幸せで過ごせますように」という祈りが込められています。新たな熊手で新年に向けて幸福を願ってみてはいかがでしょうか。事前に開催概要を確認してから足を運んでくださいね。