四十九日後の位牌の準備を忘れずに。位牌Q&Aも要チェック!
位牌というと、お仏壇に飾られた黒色、あるいは金がほどこされた重厚なつくりのものをイメージする方もいらっしゃるでしょう。一方で、ご葬儀の際にご使用する白木のものも「位牌」と呼ばれています。
今回は、故人様を偲ぶための象徴ともいえる、位牌についてご紹介します。
仮位牌と本位牌の違いとは? 変更のタイミングって!?
お亡くなりになった後に用意される位牌は、白木の「仮位牌」と呼ばれるものです。ご葬儀が終わったら、遺影や遺骨、線香などと共に後飾り壇に飾られ、忌明けの四十九日まで使用します。そして、忌明け後は塗り位牌となる「本位牌」に代わります。
仮位牌は寺院や葬儀社が用意してくれる場合がほとんどですが、本位牌は四十九日までにご家族やご親族が仏壇・仏具店などで購入し、お寺で入魂供養をしてもらう必要があります。注文から手元に届くまで2週間程度はかかるので、四十九日の法要までに余裕を持って手配しておきましょう。
白木の仮位牌は寺院や仏具店に依頼し、お焚き上げで供養したあと処分していただきます。
知っておきたい、戒名のしくみ
位牌には、故人様の戒名(かいみょう)や俗名(生前のお名前)、お亡くなりになった年月日、行年(享年)などが記されています。戒名とは、仏の弟子になったことを意味する名前です。戒名は生きている間に授かり(生前戒名)、仏弟子として生活を送るのが本来ですが、近年では逝去後に僧侶から授与される流れが一般的です。宗派によって戒名はさまざまで、浄土真宗では法名、日蓮宗では法号などと呼び名が変わります。
難しい漢字が並んでいる印象ですが、厳密にはそのなかの2文字が戒名(法名、法号)にあたります。宗派や格式に差はなく、仏教のうえでは誰もが平等に2文字なのです。その前後に寺院によるところの「院号」、職業や雅号などを表す「道号」、お寺への貢献度などを示す「位号」が付けられます(すべて含めたものを戒名・法名・法号と呼ぶ場合もあります)。
ちなみに、かの有名な小説家である夏目漱石の戒名は「文献院古道漱石居士」です。「文献院」=院号、「古道」=道号、「漱石」=戒名、居士=「位号」という構成になっています。
位号は階級のようなものがあり、成年の男性には「信士(しんじ)」・女性には「信女(しんにょ)」、寺院への貢献度が高い場合は、男女それぞれ「居士(こじ)」「大姉(だいし)」と表されることもあります(さらに「大居士(だいこじ)」「清大姉(せいだいし)」もあり)。
ほかにも宗派によって特徴が見られ、天台宗や真言宗では頭に梵字(ぼんじ)、浄土宗や浄土真宗ではそれぞれ「誉」「釈」という文字が入るなど、さまざまです。浄土真宗ではそもそも、位牌をつくらない方もいらっしゃいます。宗派などがわからない場合は、ご先祖様の位牌を仏具店に持参し、確認してもらうとよいでしょう。
戒名ナシでも位牌はつくれる? 位牌に関するよくある質問
ファミーユでは位牌に関する質問にもお答えいたします。そのなかから、よくある質問を挙げてみましょう。
■位牌がいっぱいで、仏壇に安置しきれない場合の対処法は?
菩提寺の僧侶に相談して、「過去帳」か「繰り出し位牌」に移し変えていただきます。過去帳とは、故人様の戒名・俗名・死亡年月日・享年などを記した帳簿のことです。繰り出し位牌は、複数の札板が入れられる箱型の位牌です。■戒名料の相場はどのくらいですか?
戒名料ではなく、ご葬儀の読経などと併せて「お布施」としてお渡しするのが一般的です。院号などの種類によって金額が前後する場合があり、菩提寺によっても異なるものですが、菩提寺がない方はファミーユでご紹介することも可能です。その場合であれば、お布施の金額も想定できますので、お気軽にお申し付けください。■位牌は、一人一つが決まりなのでしょうか?
ご夫婦の場合など、連名でも一基にまとめることができます。その際、不要になった位牌は寺院で供養のうえ、処分していただきましょう。また、北関東など一部地域では親がなくなった際、子どもの数だけ位牌をつくり、位牌分けをする風習もあります。■無宗教でも位牌はつくれますか? また、戒名ナシでもつくれますか?
どちらのケースもつくることが可能ですし、無理につくる必要もありません。戒名を付けないのであれば、生前のお名前(俗名)で位牌を作成できます。位牌には、お名前のあとに「霊位」と刻まれるケースが多いでしょう。依頼する仏具店がない場合はファミーユでもご紹介できますので、ご相談ください。位牌には、故人様の魂が入っていると考えられています。無宗教でも大切な方と向き合う、供養の対象としてお求めになる方もいらっしゃるでしょう。ご不明な点などがあれば家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)はこちらのフォームからどうぞ。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。