ご葬儀費用が無料は間違い!? 献体の条件や手続きに必要なものとは?
「医学や人の役に立つのなら」と、献体を希望する人が増えていると言います。臓器提供の希望は、運転免許証や健康保険証で意思を伝えることができますが、献体に関してはどうでしょうか? 今回は、登録や手続きの流れなど献体をテーマにお届けします。
※2017年5月24日公開
献体登録にはご家族の同意が必須
献体とは死後、解剖学の教育・研究のために無条件・無報酬で、医学または歯学の大学にご遺体を提供することです。献体の希望者は、生前のうちに献体を募っている大学(医科歯科大、各大学医学部)か、献体篤志家団体に問い合わせをし、登録の手続きをとります。申し込みに必要な内容は、氏名や生年月日、住所など申込者の情報のほか、ご遺骨の返還先やご家族の同意書などです。それらに記入・捺印のうえ提出すると、登録証や書類が届きます。登録証はいざというときのために、ご家族に存在を知らせて大切に保管しておきましょう。
本人が献体を希望しても、配偶者や子・兄弟姉妹などご家族のなかで反対する人が一人でもいれば、献体を行うことはできません。ご家族にはあらかじめ、献体を希望する目的や意思を話し、同意を得ておきましょう。また、登録をしたからといって、強制的に献体をしなければならないことはありません。登録した後で状況や心境が変わり、取り消したいとなったら登録先に連絡をし、退会手続きを行います。
臓器提供と献体は両方行える? 献体葬の流れをチェック
献体登録証には、万一に際しての連絡先が記載されています。登録した方がお亡くなりになった場合、ご家族の方が連絡をし、すぐに搬送するか、ご葬儀を行ってからにするかなどを取り決めます。同時に、事故死や重篤な感染症でなかったか、縊死(いし)ではなかったか、ご家族は同意しているかなども尋ねられるため、落ち着いた状態で問い合わせをしましょう。また、臓器の提供をするかどうかも質問のうちです。献眼だけなら献体を行う大学もあるものの、一般的には臓器提供と献体は両立できないとされています。
献体が可能なご遺体は、死後おおよそ48時間以内です。ご葬儀は献体の前でも後でも行えます。ご遺体を大学に搬送した後は解剖実習に役立てられ、火葬後にご遺骨がご家族に渡されるという流れです。ご遺骨が戻るまでは1~3年かかるため、早い段階で遺髪や遺爪を申し出て、ご遺骨返還の前にご葬儀を行う場合もあります。ご遺骨が還ってきてから行うご葬儀は、骨葬と呼ばれています。
大学の費用負担にご葬儀代は含まれない
献体を行うと搬送(大学以外のご安置は自己負担の可能性あり)・火葬の費用は大学側の負担となりますが、ご葬儀の費用は別です。ただ、ご遺骨返還のタイミングで、教員や学生など大学関係者による納骨式やご遺骨返還式、合同慰霊祭を行う大学もあります。特に慰霊祭は毎年忠実に行われ、医学の発展のために献体をされた故人様に敬意と感謝の意を込め、そのご家族を招いて開催されるものです。これらの催しがご葬儀やご供養の代わりにもなると考えるご家族も少なくありません。
また、返還先や引き取り先がないご遺骨は、大学の慰霊塔や納骨堂などに合祀されるケースが多いでしょう。近年の献体希望者の増加により、大学側が納骨や献体自体を制限していることもあるため、事前の確認が必要です。「社会貢献をしたい」「家族に迷惑をかけたくない」という理由から献体を希望される方もいらっしゃいますが、そのご家族としてはこじんまりとでもお葬式をし、温かく見送りたいという気持ちもあるでしょう。家族葬のファミーユでは献体の前でも後でも、ご家族に寄り添ったお式をご提供します。家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)はこちらのフォームからどうぞ。
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「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。
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