ピンクもあり!? 墓石選びからお墓ができるまで
赤い字で氏名や戒名が刻印された墓石を見たことはありませんか? これは「寿陵墓(じゅりょうぼ)」といい、生前に建てたお墓の特徴です。その昔、中国や日本では存命中の建墓は縁起がよいとされていました。
近年ではご自身がお亡くなりになった後、ご家族に迷惑がかからないようにと生前墓を終活のうちと考える方も増えています。また、相続税対策という見方もあります。
今回は、お墓を建てる際に役立つマメ知識をご紹介します。
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墓石だけじゃない、お墓の構成要素について
お墓は「石塔」「カロート」「外柵」の3つの主要部分が基本的な構成です。「石塔」はお墓のメインになるいわゆる墓石の部分で、文字が刻まれる竿石(さおいし)・上台・中台・芝台の4つ、もしくは芝台を除いた3つで構成される場合が多いでしょう。
墓石の下には「カロート」と呼ばれる納骨室があります。名前の通り、遺骨(骨壺)を納める部分です。カロートは地下に作られる場合と地上に作られる場合があり、地上に作られたものは丘カロートと呼ばれます。
そして、「外柵」は墓地区画の境界になる囲いの石です。同時に、お墓全体の土台の役割を担っています。ただ、芝生の墓所などでは外柵を作らないタイプのお墓も増えてきています。
これら主要部分の他に、必要に応じて香炉や花立て、墓誌、卒塔婆立てなどが設置されます。宗派や地域の風習によっては五輪塔を建てたり、お墓に門を作ったりすることもあります。時代や地域、宗教によりお墓の形は変わりますが、基本的な構成は共通しています。
国産?外国産? 墓石選びのポイントとは
日本では縦長の和型墓石が主流でしたが、宗教不問の霊園では背が低く、横長の洋型墓石も人気です。洋型墓石は海外のお墓のようなデザインもありますが、従来の和墓の構成を保ちつつ、石塔だけ洋型墓石にするお墓も少なくありません。
和型・洋型以外に、オリジナルのデザイン墓を建てる人もいます。音楽が好きだった人ならばピアノの形をした墓石など、多くの場合は故人様の生前の人となりを象徴するデザインです。
形もさることながら、石の色や種類も選択基準の一つとなっています。お墓といえば黒や白、グレーといったモノトーンのイメージがあるかもしれませんが、レッド系、ピンク系、グリーン系などバリエーションは豊富です。関東では黒系、関西では白系が好まれるなど地域性はあるものの、基本的に宗教上の墓石の色制限はありません。ご自身の好きな色合いを選んでもよいでしょう。
墓石によく使われる石の種類としては、御影石とも呼ばれる花崗岩(かこうがん)が有名です。花崗岩は吸水率が低く、硬く丈夫なため墓石に適しています。白系統の色では稲田石(茨城)や北木石(岡山)、黒系では中山石(福島)などがあり、なかでもグレー系の庵治石(あじいし・香川)は花崗岩のなかでも最高級品です。ほかにもグリーン系の本小松石(神奈川)やピンク系のいわき桜みかげ石(福島)などもありますが、色みのあるものは外国産に多く見られます。特にインド産の石はヴィヴィッドなレッドやブルー、濡れたような漆黒などつやのあるものがあり、デザイン墓などで人気です。
海外の石材は日本国産の石材に比べてリーズナブルですが、決して品質が悪いというわけではありません。採石できる絶対量が多いことや人件費などから、価格が安くなる場合も多々あります。
信頼できる石材店をパートナーに
墓石が決まってから、お墓ができるまでは大体1~3カ月を要します。石の採掘から始まり、切断・研磨、デザイン、文字彫刻などを経て墓石が完成した後、墓所の工事に移ります。お墓も家と同様、基礎工事が必要です。土台や柱、壁、石塔など徐々にお墓の形ができあがっていきます。工事が完了したら検査が行われ、問題がなければ引き渡しとなります。
墓地選びもさることながら、石材店の選定も重要です。できれば2~3箇所は回って、信頼できる石材店を見極めたいところです。丁寧なヒアリングやアドバイス、実績・アフターフォローの有無、墓石の10年保証書や産地証明書などを発行してもらえるなどがポイントといえるでしょう。
石材店に支払う墓石代には、石材以外にも加工代、付属品、工事代などが含まれます。また、墓地が遠方や建てにくい場所となればその他の経費も発生するでしょう。このように費用の内訳をきちんと説明して見積りを出してくれる石材店を選ぶことが基本といえます。正直、お墓は高い買い物です。また、建てて終わりではなく建ててからがスタートになり、親から子へと後世に引き継ぐものでもあります。それだけにこだわりたい方も多いのではないでしょうか。古くからの風習やトレンドは確かにありますが、それだけを気にするのではなく、まずは家族全員が納得できるものを選ぶことが何より重要です。そのために、じっくりと家族で検討しましょう。お墓など供養に関しても家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)も承ります。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。