まずはここから! シンプルイズベストな喪主の挨拶

喪主の役目というと、ご葬儀の取りまとめはもちろん、僧侶・弔問客への対応や葬儀社との打ち合わせなど思いつくだけでもたくさんあります。
その中でも重要なのが、喪主の挨拶です。どのようなシーンで行うものなのか、それぞれどんなことを述べればよいのか、文例を挙げてわかりやすくご紹介します。

喪主の挨拶のタイミングは?

喪主が挨拶をする場面として、よく挙げられるのが「お通夜の後」「通夜ぶるまい」「告別式の後・出棺時」「精進落とし」です。
どのシーンでも感謝の言葉は共通して述べるものです。まずは、参列してくださったことに対するお礼から始まるのが一般的でしょう。

このような言い回しをいくつか心得ておくと、とっさの時に役立ちます。

「本日はさっそくのご弔問、ありがとうございました」 
「本日はお忙しいところ、父・○○の葬儀にご参列くださり、誠にありがとうございました」
「皆様にはご多忙中にもかかわらず、母・○○の告別式にご会葬賜り、厚く御礼申し上げます」
「本日はご多用のところ、亡き父・○○のためにお集まりくださいまして、誠にありがとうございました」

基本的に「ご弔問」はお通夜、「ご会葬」はご葬儀・告別式の場合に使用します。どちらか迷った場合には「ご参列」で問題ありません。また、故人様が生前お世話になったお礼も一緒に覚えておきましょう。

「皆様の生前のご厚誼、深く感謝申し上げます」
「生前に賜りましたたくさんのご厚意に厚くお礼申し上げます」
「生前にいろいろとお世話になりましたこと、故人に代わりまして厚くお礼申し上げます」
「○○の存命中、皆様方には大変お世話になりました。この場をお借りして深く感謝申し上げます」

簡潔でも、心を込めて丁寧にお伝えすることが大切です。相手の方に伝わるように一言ひとことゆっくり述べると心が落ち着き、話しやすくなります。

簡単だから失敗しない、お通夜・通夜ぶるまいの挨拶例

お通夜の挨拶も駆けつけてくれた方に対し、故人様に代わってお礼を述べるのが基本です。一つ、シンプルな例をご紹介しましょう。

<お通夜の後の挨拶文例>

喪主の○○でございます。
本日はお忙しい中、亡き父○○の通夜にご弔問くださり、故人に代わりましてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
父は○月○日○時○分、静かに息を引きとりました。享年○歳でした。生前賜りましたたくさんのご厚意に深く感謝申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

これに通夜振る舞いへのお誘いや告別式のご案内なども含めて、通夜ぶるまいの前の挨拶を省略する場合もあります。通夜振る舞い前後の挨拶例もご紹介しますので、組み合わせるなどして状況によって使い分けてみてください。

<通夜振る舞いの前の挨拶文例>

本日はご多用にもかかわらず、お越しいただきありがとうございます。皆様に見守られて、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
別室にてささやかな酒肴(しゅこう)を用意いたしましたので、お召し上がりながら故人の思い出話などをお聞かせいただければ幸いでございます。
本日はありがとうございました。

<通夜振る舞いの後の挨拶文例>

皆様、本日はありがとうございました。おかげさまで滞りなく、通夜を終えることができました。
もう夜も更けてまいりました。お話は尽きませんが、遠方からお越しの方もいらっしゃいますので、このあたりで終了にさせていただきたいと存じます。
なお、明日の葬儀・告別式は○時より○○で執り行ないます。
本日は遅くまで誠にありがとうございました。

【例文付き】通夜での喪主の
挨拶のポイントと注意点

出棺の挨拶はシンプルな文例に自分の言葉を添えて

告別式の後、出棺の際には喪主が位牌を持って挨拶を行います。
ご葬儀に参列していただいたお礼と、故人様が生前お世話になったことに対する感謝の気持ちを表現し、最期の様子や今後の支援などについても簡単に述べます。参列者の方々の精神的な負担にならないように、湿っぽい内容は避け、簡潔にまとめましょう。

<出棺時の挨拶文例>

故人の長男の○○でございます。親族を代表して、一言ご挨拶を申し上げます。
本日はご多用中にもかかわらず、亡き父・○○の葬儀・告別式にお運びいただきまして、誠にありがとうございました。故人も皆様のご厚情に感謝していることと存じます。
父は○年前に胃腸を患って以来、入退院を繰り返しておりましたが、○月○日の夜に容態が急変し、そのまま家族が見守るなか○歳の生涯を閉じました。家族には一切つらい様子を見せることなく、今も思い浮かぶのは父の穏やかな笑顔ばかりです。
皆様には今後とも亡き○○の生前と変わりなき、ご支援、ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

ご葬儀が終わったら、「精進落とし」の席でお世話になった方たちをもてなします。
この前の一言が、喪主の挨拶の締めとなります。「お通夜の後」「告別式の後・出棺時」の挨拶は参列者の方々に向けてというのがほとんどですが、「通夜ぶるまい」「精進落とし」といったお食事の場では、主に親族に対しての挨拶となるでしょう。親族のみの場合は、堅苦しい言い回しを省略してもよいかもしれません。

<精進落としの挨拶文例>

本日は亡き父のためにお集まりくださいまして、ありがとうございます。おかげをもちまして、滞りなく葬儀・告別式を終えることができました。これもひとえに皆様方のお力添えの賜物です。改めてお礼申し上げます。
心ばかりではございますが、精進落としの席を用意いたしましたので、どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。本日は誠にありがとうございました。

【喪主の挨拶文例集】
葬儀・告別式のシーンごとに例示

深い悲しみの中での挨拶となるので心の整理がつかず、言葉がつまってしまうこともあるでしょう。
紙に書いて読むといった方法でもマナー違反にはならないので、なるべく心を落ち着けて勤めましょう。葬儀社でも文例を用意してくれるので、そちらも参考にしたうえで自分の気持ちを添えるといったものでも構いません。

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