あなたは何番目? 法で定められた相続人とは!?
親族などが亡くなった場合には、故人様が生前持っていた財産を相続可能な人が受け継ぎます。その目安として民法で決められた「法定相続人」が挙げられます。
ここでは法定相続人の範囲や順位について、基本知識を分かりやすく説明します。
※2017年4月18日公開
相続できる人は民法で決まっている? それが法定相続人
法定相続人とは、故人様(被相続人)の相続財産を受け継ぐことができる人物を指します。 法定相続人の範囲は民法で定められており、被相続人の配偶者や子ども、兄弟姉妹、父母や祖父母などの先祖に当たる直系尊属のみとされています。 そして、被相続人が死亡した時点で生存していることが条件です。これらにあてはまらない人物は、被相続人の親族といえども法定相続人にはなりません。また、子どもについては、養子と非嫡出子も法定相続人となり、嫡出子と相続分の割合は同じです。 法定相続人には、遺産相続を優先的に受けられる順位が存在します。順に、子ども・直系尊属・兄弟姉妹と定められていますが、配偶者の場合は必ず相続人となるため順位は定められていません。また被相続人が死亡した時点で先順位者のない法定相続人が相続権を持たない場合(死亡していたなど)、その法定相続人の子どもが代襲相続人となります。
「父が死亡。相続人が母と自分、弟」というシンプルなケースで見る相続
- このケースでは、法定相続人には被相続人の配偶者と子ども全員が含まれます。相続順位としては、前述した通り、配偶者には順位はありませんが、子どもは年上年下関係無く全員が第一順位です。
この場合、法律で定められている法定相続分は、相続財産のうち配偶者が2分の1を相続し、子どもは残った相続財産を子どもの人数で割った分を相続するのが一般的です。 例えばこのケースで、父が1200万円の相続財産を遺したとします。配偶者である母の法定相続分は、1200万円の相続財産から半分を割った600万円です。
子どもは2人であるため、父の相続財産から母の法定相続分を引いた額である600万円を2で割ります。自分と弟はそれぞれ、300万円ずつが法定相続分となるのです。 また、自分か弟が相続権を放棄した場合では、相続放棄した人物は遺産相続に関わりがない人物となるため、放棄しなかった方の子どもが600万円を相続します。
亡くなった夫に子や孫、父母、兄弟姉妹(血族相続人)もいる場合は?
- 民法では相続財産を受け取れる人物を法定相続人とし、それ以外の血族は遺産相続の範囲外です。また、相続の優先順位において上位の人物がいると下位の人物は相続人にはなれません。
しかし、財産を受け継ぐ上位の法定相続人が死亡していても、下位の人物が必ずしも相続人にはならず代襲相続がされます。 法定相続人は2種類あり、被相続人の配偶者は配偶者相続人となり、子どもや孫、父母兄弟などは血族相続人となります。
相続における優先順位は図の通りですが、法定相続人のうち、優先順位が上である人物が存在している場合は、その人物より下の順位に当たる人物は相続の権利がなくなります。 今度は夫が死亡し、子や孫、父母、兄弟がいる場合を見てみましょう。やはり、夫を亡くした妻は配偶者相続人のため順位は無く、子どもは第一順位です。直系卑属である孫も第一順位となりますが、被相続人の子どもが生きている場合、相続はできません。
また、被相続人の父母兄妹は優先順位が下位となり、被相続人の相続財産は受け継げません。つまりこのケースの場合、妻と子どものみが夫の財産を相続できます。しかし、例えば被相続人の子どもが死亡していた場合には、孫が第一順位となりますので、第二順位である被相続人の父母よりも優先的に相続財産を受け継げるのです(代襲相続)。
ただし、これはあくまでも民法においての目安にすぎず、遺言書が存在したり、遺産分割協議で相続人全員が合意する結果となったりすれば、そちらが優先されるものです。
財産を誰にどのように分けるかを、被相続人となる人が生前に決めておくと揉めごとも減り、ご家族やご親族が「争族」となる心配もないでしょう。どんな財産がどのくらいあるかを把握し、リスト化しているだけでも、ご家族の負担は軽減されます。家族葬のファミーユでは相続のご相談も承っておりますので、家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)はこちらのフォームからどうぞ。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。
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