日本に浸透!? 癒しの技術・エンバーミングとは
エンバーミングという施術をご存知ですか?ご葬儀やお葬式について調べていると、たまに目にする言葉です。エンバーミングとは、血管の中の血液を出しその中に防腐剤の入った液を注入することで、ご遺体を衛生的かつ長期的に保存を可能にする方法です。日本ではあまり浸透していませんが、火葬より土葬が多い海外では比較的行われている手法です。エンバーミングの意味や手順などをご紹介します。
物理的心情的なメリットもあり? エンバーミングを行う意義とは?
エンバーミングとは「遺体衛生保全」のことで、ご遺体を衛生的に保管するための処置であり、長期的に保つため、別れを惜しむ家族には最適の方法と言われています。ご遺体の血管に防腐剤を流し込み、衛生的かつ長期的に保存を可能にする方法です。
エンバーミングの役割として一つ目に挙げられるのが消毒と殺菌です。たとえばご遺体を病理解剖する場合、医師や看護師などの医療スタッフには感染症の恐れが出てきます。エンバーミング処置を施したご遺体は、病原菌が激減するという結果もあり、感染を防ぐためにも有効とされているのです。
二つ目は、腐敗の防止です。死後、すぐに進行する腐敗も、エンバーミング処置を施すと臭いもほぼなくなると言われています。そのため、ご家族とのお別れの時間がゆっくり確保でき、ご葬儀などを考える時間が取れるでしょう。
そして、事故などで顔や体に大きな損傷が生じた場合も、エンバーミングで修復や化粧をすることで、生前のお姿に近づけることができるという三つ目の特徴は、特に注目されています。
繊細な技術と手際のよさが求められるエンバーマー
エンバーミングは、エンバーマーと呼ばれる技術者によって行われるものです。では、どのような手順で行われるのか見ていきましょう。
まず、処置を行うテーブルにお体を寝かせ、着衣をとって消毒液をスプレーし、全身に付着している微生物、病原菌の殺菌を行います。このときすでに鼻腔内、口腔内などに詰めてあるガーゼは取り、消毒液で洗浄していきます。お顔は、安らかに眠っているように整え、乾燥防止のクリームやオイルを塗ります。
この後からが本格的な処置となり、右の鎖骨の上もしくは左の太ももに2cmほどの切開を行うのが基本的です。そして、動脈からはエンバーミングの処置液を注入し、静脈は切開して血液を出します。この作業によって、血液とエンバーミングの処置液を交換するのです。
薬液を注入しているときは、マッサージを行い、血液の排泄を促します。注入後は体の内部の体液など腐敗の原因となるものは全て取り除き、体腔内には濃度の高いエンバーミングの処置液を入れていきます。洗浄、化粧、着付けなどを行って終了です。
エンバーミングの費用の目安は?
エンバーミングの費用は、約15万円から25万円と言われています。ご遺体の状態や大きさによって多少の変化はありますが、日本遺体衛生保全協会(IFSA)が設定しているエンバーミングの基本料金がこの範囲となっています。高いと思われるかもしれませんが、日本遺体衛生保全協会がエンバーミングの技術者を認定し基準を定めているので、施術の技術は安定しているでしょう。
基本的には、自宅から施術を行う施設までの往復搬送、エンバーミングの施術、損傷している部位や怪我の修復、化粧と着付け、納棺が料金に含まれます。ただし、修復の部位が広範囲の場合は、別料金を取ることもあるので確認が必要です。吸水シーツやプラスチックシーツ、仏衣、ドライアイスなどはエンバーミングの料金に含まれない可能性が高いので葬儀社に尋ねましょう。エンバーミングをするか否かは賛否両論あるところです。費用面でのハードルは高いものの、生前に近い形で心ゆくまでお別れの時間を持つことで、ご家族の悲しみもいくぶん癒すことができる方法と考えるとその価値は金額に変えられないものかもしれません。 家族葬のファミーユは、大切な方とのお別れの時間にもっとも価値があると考えております。ご葬儀に関して不安なこと、不明点がある方は家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)はこちらのフォームにて承ります。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。
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