「菩提寺」って何? お葬式だけじゃないお寺とのおつきあいとは
菩提寺とは、自分の先祖代々のお墓があるお寺のことを言います。菩提寺があるということは、自分の家はそのお寺に属している檀家となっているということであり、宗派もそのお寺の宗派となります。
仏教は宗派によってしきたりやマナーが異なるだけでなく、ご葬儀の流れや作法も異なります。そのため、檀家となっている場合には、菩提寺に従うこととなります。今回はご葬儀と深い関わりがある菩提寺についてご紹介します。
ご葬儀の際に、菩提寺がない場合はどうすればいい?
檀家になっている菩提寺がある場合、ご葬儀も基本的には菩提寺のお寺にお願いすることになり、ご葬儀後も故人様の位牌は菩提寺に保管されることになるのです。先祖代々に渡って古くからのお付き合いとなっていることが多いため、ご家族の実家の近所にあるお寺が菩提寺になることが多く、住職とも馴染みが深いです。お墓などの管理を任せるだけでなく、近所の相談役としての役割や、地域のイベントなどでも場所を提供するなど、その地域の重要なスポットとして生活に必要な施設となります。
しかし宗教観が薄れている昨今では、ご家族がとくに菩提寺を決めていないということもあります。ご葬儀をするうえで菩提寺を定めなければならないという決まりはなく、火葬さえすればルール上は特に問題はありません。
しかし、火葬後の御骨の保管や、故人様の死後の遺族へのサポート面を考えると、菩提寺の役割は小さくなく檀家になることに越したことはありません。都心などでは、近所にお寺自体がなく、ご葬儀やその後のサポートなどを受けることがなかなか難しいケースもあります。
ご葬儀は葬儀社に取り仕切ってもらう場合も多く、この場合にはご葬儀設営から火葬、位牌の手配といった手続きを代行してもらえます。特に宗派やお寺にこだわりがなければ、ご葬儀社の手配する僧侶に戒名の名付けを任せ、位牌を作成してもらうことも可能です。ご葬儀後に、ご親族の菩提寺などに安置する可能性があるときはその旨をご葬儀社に伝え、宗派等を指定することもできます。
菩提寺はあるが、遠方にある。でもご葬儀は近くでしたい…そんな時は?
地方の出身ながら都会に在住している人も多く、そのまま都会で亡くなる方もいます。実家の近所に菩提寺がありながら、距離的な問題で菩提寺でのご葬儀を行うことができず、現住所の近所で執り行わなければならないケースもあります。
仮に菩提寺があり檀家となっていた場合には、そのお寺でご葬儀を行うことに越したことはありませんが、他のお寺でご葬儀を執り行なってはならないというマナーなどはありません。そのため、ご葬儀社の手配したお寺でご葬儀を行うことも可能です。
しかし、お寺や僧侶には宗派があります。もし菩提寺がある場合には、そのお寺の宗派を事前に確認しておき、ご葬儀を任せるご葬儀社にお寺や僧侶を手配する際に、宗派を配慮してもらえるよう相談するのがよいでしょう。ご葬儀後に御骨や位牌を菩提寺に移すことを考えている場合には、その旨をご葬儀社に伝え、スムーズに行えるように菩提寺と調整してもらいましょう。
ご葬儀でお世話になったお寺を菩提寺にしなくてもよい?
ご葬儀は菩提寺で行わなければならない、菩提寺がない場合にはご葬儀を執り行なったお寺を菩提寺にしなければならないと考えている人も多いですが、そのようなルールは特にありません。宗教や宗派が違っても、ご葬儀等の受け入れを行っている宗教施設も多く、現代では特に大きな問題とはなっていないのが現状です。そのため、ご葬儀を行ったお寺を菩提寺にする必要はありません。
多くのご葬儀は、その手配をご葬儀社に依頼し、ご葬儀社が予算やその他の事情を考慮してご葬儀会場を決定することがほとんどです。実家が住んでいる場所から遠く、ご葬儀後に位牌を実家近くの菩提寺に移す人も多いため、ご葬儀社ではスムーズに対応してくれます。ただ、菩提寺の宗教や宗派を考慮する必要があります。お寺によってはその宗派の作法等によって、受け入れられない戒名もあるため、戒名を作成してもらう際には宗派を前もって伝えておくことが必要です。菩提寺はあるけど無宗教葬で行いたい…そんなケースも増えてきています。ファミーユでは故人様、ご家族がお望みになるスタイルのご葬儀が行えるようフォローいたします。後悔しないために、どんな小さなことでもご相談ください。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。
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