なるほどよくわかる!はじめての準確定申告
年が明けたこの時期から、確定申告の準備をする人が多くなります。ご家族がお亡くなりになった際、亡くなった方の代わりに確定申告をしなければならない場合があるのをご存じでしょうか。これを「準確定申告」といいますが、実はよく知られていないこの制度についてご紹介します。
※2017年1月10日公開/2018年1月19日更新
準確定申告しなければならない人は?
準確定申告とは、確定申告をしていた方がお亡くなりになったときに、相続人が故人様のその年度の所得について、代わりに確定申告を行う手続きです。故人様が納税者だった場合は、準確定申告をしなくてはならない可能性が大きくなります。
準確定申告を必要とする被相続人(故人様)の条件は次の通りです。
・個人事業主であった場合
・不動産所得があった場合
・年間給与が2.000万円以上の場合
・各種保険の一時金、満期金を受け取った場合
・高額医療費の対象となる医療を受けていた場合
原則として、国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金も所得とみなされるため、これらによる収入が400万円以上で、かつ年金以外の所得が20万円以上ある場合は、確定申告が必要になる場合もあります。これ以下であれば、準確定申告は不要ですが、ケースによっては還付金が発生する場合もあります。源泉徴収票を確認してみるなどして、申告の有無を正しく判断しましょう。
準確定申告の期間は意外に短い!?
確定申告では、期限内に手続きを行わなくてはなりません。万一、申告期限内に申告を行わないと、期限後申告として延滞税が発生しますので注意が必要です。無申告という判断が下されると、無申告加算税というペナルティが課されます。
準確定申告の申告期限は、相続開始の事実を知った日の翌日から4カ月以内です。たとえば、相続人が自分の相続を知ったのが5月20日であれば、それから4カ月後の9月20日までに、故人様の納税地にある税務署に確定申告書を提出しなくてはなりません。
また、確定申告の期限は毎年3月15日までですので、お亡くなりになった日によって申告内容が異なります。たとえば、お亡くなりになったのが3月16日〜12月31日までであれば、その年の収入について確定申告すればよいだけです。一方、翌年1月1日から同年3月15日までの間に亡くなった場合は、前年度分の所得に加えて当年度分の所得もあれば、合わせて準確定申告をしなければなりません。申告する場所は、お亡くなりになった方の納税地の税務署です。
手続きに必要なものを把握しておこう
準確定申告の用紙は、一般の確定申告書と同じです。申告書の上部に相続人の氏名、個人番号(マイナンバー)を記載し、確定申告書の前に「準」と書き加えます。住所・氏名欄にはそれぞれ、被相続人と相続人の情報を記して相続人の方の印鑑で押印します。手続きに必要な書類もほとんど変わりません。準確定申告に必要なものは次の通りです。
・相続後に送付される公的年金に関する源泉徴収票
・医療費に関する領収書
・社会保険料に関する領収書
・生命保険料に関する控除証明書 など
相続人が2人以上いる場合は、連署で手続きをします。その場合は「確定申告書付表」とすべての相続人の方のマイナンバーや本人確認書類が必要となります。連署をしなくても手続きはできますが、申告の内容を他の相続人の方に通知しなければなりません。
※「確定申告書付表」は、国税庁のサイトからダウンロードできます。相続税の申告が必要な方は、準確定申告が必要になるケースが高くなります。申告が必要になる可能性が高い場合は、誰がいつまでにどんな手続きをすればよいのか、調べて把握しておくとよいでしょう。いざというときに慌てないためにも、該当する可能性があれば早めに調べておくことをおすすめします。
準確定申告など、ご葬儀後の手続きはたくさんあります。ご不明点などあれば、家族葬のファミーユのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。メールでのお問い合わせ・資料請求(無料)はこちらのフォームからどうぞ。
日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。
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