仏教がわかれば、お寺との関係も変わる? 各宗派の特徴をおさらい!
仏教とは、仏様が説いた教えのことです。仏教はインドで生まれ、中国に渡ったのち、日本には538年に伝わったとされています。仏教は聖徳太子の手によって広まり、多くの寺院が建立されました。平安時代には最澄が天台宗を、空海が真言宗を開き、鎌倉時代には浄土宗や臨済宗、浄土真宗、日蓮宗などが生まれ、日本で独自の発展を遂げたのです。
釈迦が開宗した仏教は、日本で様々な宗旨・宗派に分かれました。今回は、なかでも代表的な仏教八宗について見ていきましょう。
最澄は天台宗、弘法大師は?
最澄(伝道大師)が「天台宗」を開いたのは806年のことです。天台宗は、「法華経」に基づき、円・密・禅・戒の四宗を融合した総合仏教で、総本山となる比叡山(延暦寺)では浄土宗の法然や浄土真宗の親鸞、曹洞宗の道元などが学びました。のちに最澄の弟子の円仁・円珍により密教色が濃くなり、真言宗の「東密」に対比して、「台密」と呼ばれたのです。
「真言宗」は、空海(弘法大師)によって開宗され、密教をその教えの重きとし、現世の姿で成仏できるという「即身成仏」を提唱しました。
庶民に親しまれた浄土系の教えとは
平安時代における仏教は貴族中心に栄えており、庶民に浸透するのは鎌倉時代になってからです。特に法然が説いた「浄土宗」は、念仏を唱えて極楽浄土に往生するというわかりやすさで庶民の支持を得ました。法然の弟子・親鸞もその流れを汲みつつ、自力よりも他力、つまり仏の力を信じ、すべてを任せる教えを説きます。親鸞が唱えた浄土真宗からは、「浄土真宗本願寺派」「真宗大谷派」を含め、真宗十派の分派が生まれています。
南無の意味とは? 武士に愛された禅宗と日蓮宗について
数あるなかで、武士に支持されたのが坐禅を主とする禅宗です。代表的なのが、栄西による「臨済宗」と道元の「曹洞宗」ですが、坐禅で悟りを開く教えは同じでも、その内容は異なるものでした。臨済宗では師匠によって与えられた課題「公案」に集中するのに対し、曹洞宗では壁に向かって無心に坐禅を行う「只管打座」を重視するのが特徴です。
そして「南無妙法蓮華経」という唱えで知られるのが「日蓮宗」です。法華経を経典とし、お題目を唱えることで悟りが得られると説いています。「南無」とは「帰依する」という意味のサンスクリット語の音写で、「南無~」は「~を帰依する」つまり「~を信じる」ということです。ちなみに天台宗や浄土宗は「南無阿弥陀仏」、臨済宗や曹洞宗は「南無釈迦牟尼仏」と唱えます。菩提寺との関係が希薄となっている昨今。「宗派はどちらですか?」と尋ねられても、即答できる方は少ないかもしれません。ただ、いざご葬儀となると、お寺のお世話にならざるを得ない場合も多いでしょう。今回のように、家の宗派の成り立ちを知れば、興味をもつきっかけとなるのではないでしょうか。
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日々摘花(ひびてきか)
~まいにちを、たいせつに~
「日々摘花(ひびてきか)」は、様々な分野の第一線で活躍する方々に、大切な人との別れやその後の日々について自らの体験に基づいたヒントをいただくインタビュー記事です。