お葬式(葬儀)の流れ|危篤から散会まで10ステップを確認

ご家族の通夜・葬式準備
お葬式(葬儀)の流れ|危篤から散会まで10ステップを確認

この記事はこんな方におすすめです

葬儀全体の流れを知りたい喪主や遺族の人
通夜から告別式までの日数を知りたい人
お葬式といえば通夜や告別式を思い浮かべ、その前後を意識する機会は少ないでしょう。万が一に備えて危篤から散会(お葬式の終了)までの流れを把握しておけば、いざという際の心の負担も和らぐかもしれません。この記事では、お葬式の流れやお葬式後に必要な手続きを解説します。あわせてよくある質問も紹介しますので、今後に備えるための参考にしてください。

【危篤から散会まで】お葬式の流れ

危篤から散会まで、故人が亡くなってからの流れと日程を解説します。少人数でおこなう家族葬の場合も基本的な流れは同じです。それぞれのタイミングで必要なことを確認してみてください。

1. 危篤

身近な人が危篤になったら戸惑うものですが、できるだけ冷静でいることが大切です。入院中であれば、家族や親族、親しい友人に一報を入れます。事前に連絡リストを作っておくのも良いです。
患者に付き添うために休みが必要な場合は、自身の職場にも連絡を入れます。連絡をする際は、焦らず相手にわかりやすく伝えるように心がけると良いです。
また、危篤の場合、夜間に連絡が入る事も想定されます。どの電話に掛かってくるのか?や
 携帯であれば、手元近くに置いて就寝すると良いかも知れません。

2. 逝去

医師による死亡確認後、家族や親族、友人、知人、菩提寺に訃報を知らせます。死亡診断書・死亡届の受け取りや、病院への支払いも済ませます。

3. 葬儀社手配

臨終後、速やかに葬儀社を手配します。故人の遺体は病室から病院内の霊安室へと移動されますが、霊安室は数時間しか滞在できないため、遺体のお帰り先(安置場所)を決めておく必要があります。葬儀社に依頼して遺体を安置場所まで搬送してもらうのが一般的です。寝台車も葬儀社が手配してくれます。死亡届の手続きや供物の手配なども、葬儀社に依頼できることが多くあります。
今日亡くなったらいつお葬式かは火葬場の空き状況にもよります。ほとんどのケースで葬儀社が確認してくれるので、相談をしてみると良いでしょう。

4. 安置

葬儀社が手配できたら、遺体を安置場所に搬送します。死亡後24時間以内は法律で火葬できないので、自宅や斎場、専用の保管施設など、遺体を安置する場所の手配が必要です。
遺体を安置場所に移動したら、葬儀社と打合せをおこないます。喪主や施主の担当者を決め、葬儀の形式や参列者の人数、宗教の確認、全体的な予算について話し合います。通夜や葬儀の日程や内容を決めたら、職場や近隣などの関係者に連絡を入れることも必要です。

5. 納棺|遺体を清めて棺に納める

葬儀の前に、遺体を清めて納棺をおこないます。納棺師が故人に末期の水を含ませ、湯かんなどで遺体を清めます。宗派により異なりますが、旅支度をさせたり死装束を着せたりします。最後まできれいにしてあげたいからと、死化粧を頼みたい場合はプランの内容を確認して依頼すると良いです。
納棺師がいなければ遺族がおこないます。故人が愛用していたもので故人と一緒に棺に納めたいものがあれば、準備をします。ただし、貴金属や金属を含むもの、ガラスは棺には入れられないため、注意が必要です。火葬場によっても入れられないものが異なるため、事前に確認をしておくと安心です。

6. 通夜

受付開始の2時間前までには斎場に入ります。役割や段取り、席次などを確認します。通夜の進行は葬儀社側の司会者やスタッフがおこなうので、わからないことがあれば、聞いておくと安心です。
通夜では読経とともに喪主から焼香をおこないます。通夜振る舞いを用意している場合は、焼香を終えた参列者に案内をし、もてなします。参列者だけではなく、宗教者の方へのお声かけも必要です。宗教者の方が通夜振る舞いを辞退された場合は、御車代と一緒に御膳料も渡します。
通夜振る舞いを含めて数時間程度で終わるのが一般的です。一般参列者が帰宅後、葬儀式や告別式の確認をします。

7. 葬儀・告別式

葬儀や告別式を開始する1時間前に斎場に到着し、段取りや打ち合わせをおこないます。弔辞・弔電の氏名や順番が合っているか、確認をおこない、会葬御礼品や受付の準備を済ませていると安心です。
葬儀・告別式では、焼香と合掌をおこないます。式後、最後のお別れの挨拶とともに、生花で故人の周りを彩る別れ花をおこないます。

8. 出棺・火葬・収骨

別れ花をした後、棺の蓋を閉じ、出棺準備をします。遺族や親族で棺を霊柩車に乗せ、火葬場に搬送。火葬場到着後、炉の前で納めの儀をおこない、棺を火葬炉に納めます。火葬をするには火葬許可証が必要です。葬儀式や告別式の後は、慌ただしく、火葬許可証を失念しやすいので、葬儀社に預けておくと良いでしょう。
火葬後、遺骨を拾って骨壺に収めます。これを収骨と言います。収骨は、喪主から血縁の深い順番に2人1組でおこないます。地域でマナーや習慣が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
収骨後に埋葬許可証を受け取ります。埋葬許可証は納骨時に必要なため、厳重に保管してください。
火葬場に行く方は、車の手配やその後の会食の有無について事前に確認しておくとよいでしょう。

9. 初七日法要・精進落とし

火葬後、自宅や斎場に戻って初七日法要をおこないます。初七日法要は、本来、故人が亡くなって7日目におこなうものですが、近年は遠方から参列する人への配慮から、葬儀当日におこなうケースが増えています。
初七日法要後は、僧侶やお世話になった方々を喪主が招き、精進落としという会食の場を設けるのが一般的です。

10. 散会

精進落としを終えたら、お葬式は散会です。最後に喪主が散会の挨拶をします。宗教者や参列者に、通夜から告別式、火葬、初七日法要まで滞りなくおこなうことができたことの感謝とお礼の気持ちを伝えます。

お葬式後に必要な手続き

お葬式が終わった後もさまざまな手続きが必要です。遺族にとって心身ともに疲労が重なりやすい時期ですが、届け出期限もありますので早めに対応することをおすすめします。
ここでは一部を紹介いたします。

優先度の高いもの

市区町村や公的機関への届け出は優先度が高いです。事前に、受付時間や必要書類を確認しておけば、スムーズに手続きをおこなえます。
手続き項目 期限 手続き先
年金受給の停止
(受給権者死亡届の提出)
国民年金は14日以内、その他は10日以内 市区町村役所の国民年金課または社会保険事務所
「世帯変更届(住民異動届)」の届出 14日以内 市区町村役所
「国民健康保険証」の返還 14日以内 市区町村役所
「介護保険資格喪失届」の届出 14日以内 市区町村役所の福祉課など
雇用保険受給資格者証の返還 1ヶ月以内 雇用保険を受給していたハローワーク
相続の放棄 3ヶ月以内 住所地の家庭裁判所
所得税準確定申告、納税 4ヶ月以内 住所地の税務署
相続税の申告、納税 10ヶ月以内 住所地の税務署

相続確定後におこなうもの

相続確定後、早めに手続きするものを紹介します。
手続き項目 手続き先
不動産名義変更 地方法務局
預貯金の名義変更 契約先窓口
自動車所有権の移転 運輸支局
クレジットカードの解約 契約先窓口
各種公共料金の名義変更 それぞれの会社

名義変更・解約

期限は決まっていませんが、早めに手続きするのが望ましいものを紹介します。
手続き項目 手続き先
電話の名義変更・解約 契約先
運転免許証の返納 警察署
パスポートの失効手続き 都道府県旅券課

補助金・給付金他

手続きすることでもらえるかもしれない補助金や給付金もあります。
手続き項目 期限 手続き先
国民年金の一時死亡金請求 2年以内 市区町村国民年金窓口
国民健康保険の葬儀費用請求 2年以内 市区町村国民健康保険窓口
国民年金の遺族基礎年金請求 5年以内 市区町村国民年金窓口
生命保険の死亡保険金請求 3年以内 保険会社窓口

お葬式の流れについてよくある質問

最後にお葬式の流れに関してよくある質問を紹介します。
Q
亡くなってからお葬式までの日数はどれくらい?
A
故人が亡くなってから、通夜までの日数は平均2日です。葬儀までは2~4日。通例は亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬式をおこなっています。ただし時期や地域によっても異なります。

亡くなってからお葬式までの日数に、何日から何日までといった決まりはありません。宗教者や斎場、火葬場の都合によって1週間以上あく場合もあります。また、ご遺族が遠方にいるなど、ご遺族の都合も日数にかかわります。
Q
お葬式の忌引き休暇は何日間?
A
お葬式の忌引き休暇は、配偶者の場合は10日間、実父母や子どもの場合は5〜7日間が一般的です。日数の数え方は、会社や学校によって異なります。故人が亡くなった当日を1日目とするか、翌日を1日目とするか事前に確認しておくと安心です。会社や学校へは訃報が合った時点で、なるべく早めに電話かメールで連絡をします。詳しくは忌引き休暇についての記事も参考にしてください。
Q
お葬式の香典はいくら用意すればいい?
A
お葬式の香典は親が3万~10万円、祖父母が1万~5万円、友人や知人、仕事関係は5,000円~1万円が目安です。香典袋は金額や宗教によって異なります。書き方も香典袋によって違いがあるため、詳しくは香典についての記事もチェックしてみてください。

大切な人との別れに備えてお葬式の流れを知っておこう

大切な人との突然の別れに際して悲しみの中でも、いろいろな手続きや手配が必要です。危篤から散会までのお葬式の流れを知っておくと、いざというときに慌てずにすむかもしれません。万が一に備えてお葬式の流れや必要な手続き、手配を確認してみてはいかがでしょうか。

監修:1級葬祭ディレクター 瀬戸隆史

家族葬のファミーユにて新入社員にお葬式のマナー、業界知識などを伝える葬祭基礎研修の講師を務める。
【保有資格】1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定制度)/サービス介助士、訪問介護員2級養成研修課程修了