四十九日の数え方。法要日程の決め方や宗派別の違いを解説

法事・お墓
四十九日の数え方。法要日程の決め方や宗派別の違いを解説
四十九日とは、死去した日から49日目のことですが、実は地域で数え方が違い、四十九日法要の日も異なります。いつを1日目とするのか、四十九日の数え方について解説します。また法要の日程の決め方や宗派による違いと注意点も紹介します。

四十九日の数え方

死去してから49日目におこなわれる、四十九日の法要。あの世へ旅立った魂に対して冥界の王が審判を下し、今後の行先が決まると考えられています。葬儀後におこなう大切な法要なので、日にちの数え方を間違えないよう注意が必要です。そこで、ここでは四十九日の数え方や地域での違いについて紹介します。

基本的な四十九日の数え方

四十九日とは、死去した日から数えて49日目を指します。死去した日を1日目として49日目を算出し、法要の日程を決めるのが基本。全国的には、命日に48日を足して四十九日を計算します。例えば、3月4日に亡くなった場合、4月21日が四十九日に当たります。

関西での四十九日の数え方

関西では、死去の前日を1日目として計算する場合があります。これは、お逮夜(たいや)に法要をおこなう関西古来の習わしが理由。お逮夜とは、四十九日を始めとした忌日(供養日)の前夜のことです。そのため、死去した日に47日を足して四十九日を計算します。

四十九日の早見表

<死去した日を1日目とした場合>
法要 読み方 日数
初七日 しょなぬか・しょなのか 7日目
二七日 ふたなぬか・ふたなのか 14日目
三七日 みなぬか・みなのか 21日目
四七日 よなぬか・よなのか 28日目
五七日 いつなぬか・いつなのか 35日目
六七日 むなのか・むなのか 42日目
七七日(四十九日) なななぬか・なななのか(しじゅうくにち) 49日目
<死去した日の前日を1日目とした場合>
法要 日数(死去した日から数えて)
初七日 6日目
二七日 13日目
三七日 20日目
四七日 27日目
五七日 34日目
六七日 41日目
四十九日 48日目

前倒しも多い四十九日法要の決め方

四十九日がいつになるかは死去した日に決まりますが、法要は当日でなくとも構いません。参列者の都合がつかないなどの理由で49日目に法要をおこなうのが難しい場合もあるためです。ここからは、四十九日の法要をおこなう日程の決め方を紹介するので、迷ったときの参考にしてください。

日程の決め方

「四十九日を計算したところ、平日だった」など、参列者の予定が合わない日が49日目に当たることがあります。都合をつけるのが難しいときは、休日を選ぶのがおすすめです。
法要は先延ばしにせず、早めにおこなった方が良いとされています。四十九日以前の最も近い休日を選び、参列者の都合をつけてもらうとスムーズ。なお、日程を繰り上げる場合は、1週間以内に収めます。

時間の決め方

法要の時間帯は、午前と午後どちらでも問題ありません。参列者や会場を始めとした関係各所の予定をすり合わせて、時間を決めます。
ただし、居住地によっては「法要は午前中におこなうべき」と考えることもあるので、親戚や僧侶などに確認しておくと安心です。法要を終えてから食事会を開催する場合、午前10時〜12時に法要をおこない、昼食に移るプランが主流。希望通りのスケジュールになるよう、早めに予約を取ることが大切です。

宗派による四十九日の違い

仏教では、ほとんどの宗派で四十九日の法要をおこないます。死去した日を1日目として日数を計算するのが一般的ですが、宗派によっては異なる場合も。ここでは、宗派による四十九日の違いを解説します。

浄土宗・曹洞宗・日蓮宗

仏教には、死去してから49日間を中陰(ちゅういん=あの世とこの世の狭間にいる期間)とする考え方があります。多くの宗派では、死去した日から数えて49日目を満中陰として四十九日の法要をおこない、喪に服す期間を終えるのが基本です。

浄土真宗・真言宗

浄土真宗や真言宗において、人は死去後すぐに成仏するとされています。死去した日から49日目を四十九日とし、他の宗派と同様に法要をおこないますが、意味合いは異なるので混同しないよう注意が必要。亡くなった人のためではなく、遺族が心の整理をつけたり、納骨をしたりする節目の日と捉えられています。

四十九日法要で避けるべき日や注意点

実際より早めにおこなわれることも多い四十九日の法要は、日程を決める際に気を付けておきたいことがいくつかあります。ここでは、避けるべき日や注意点を紹介するので、間違えのないよう予定を立ててください。

49日より後に延ばさない

まずは、正しく49日目を算出してください。もし都合の悪い日に当たった場合は、49日より後に延ばさず、日程を繰り上げて法要の予定を立てると良いと言われています。
四十九日は死去後の審判がくだされ、魂が仏になれるか否か決まる日。法要を先延ばしにすると、亡くなった人の魂がさまよってしまうため、早めの日程に定めることが大切です。

3ヶ月にまたがらないようにする

四十九日の法要が3ヶ月をまたぐのは、忌まわしいという考え方があります。「始終苦労が身に付く(始終苦が49、身が3とつながる)」と考えられたのが由来。しかし、死去した日がその月の後半(15日より後)だと、四十九日は3ヶ月にまたがります。特に月の終わりは、日程を7日繰り上げても3ヶ月をまたぐのは避けられません。
言葉の捉え方の問題なので、絶対に3ヶ月がNGではありませんが、古くからの言い伝えを守る人がいる場合は心配りを忘れないでください。死去してから35日目の五七日に法要をおこなうなどの対応が有効です。

日程は早めに決める

大切な人を失った後は、悲しみを抱えながらたくさんの手続きなどに追われます。やるべきことが多く、四十九日の準備にまで手が回らなくても不思議はありません。
会場を決めたり、参列者を招待したり、四十九日の法要に関する作業はさまざまです。先延ばしにすると、後で追い詰められてしまう場合も。納骨とも関連し、葬儀の次におこなう大切な法要なので、余裕を持って予定を立ててください。可能であればお葬式の際に、親戚やお寺、葬儀社などに相談しておくのが良さそうです。

四十九日までの過ごし方

亡くなった人と遺族、どちらにとっても節目となる四十九日。49日目を迎えるまでの生活にも配慮し、亡くなった人を偲びます。ここでは、遺族の主な過ごし方を紹介するので、大切な人を供養するために役立ててください。

七日ごとに忌日法要をおこなう

死去した日から49日目までは、亡くなった人の魂を鎮めるため、7日ごとに忌日法要をおこないます。遺族にとっては、故人を失った心痛と向き合い、気持ちを整理する意味合いもある大切な儀式です。初七日は僧侶に来てもらいますが、二七日~六七日までは家族のみで故人を供養します。

お線香と水は毎日お供えする

四十九日を迎えるまでは、水と線香を毎日供えてください。あの世へ到達するまでの旅の間、亡くなった人は食事ができないと考えられています。乾いた喉に水を与え、魂の食事とされる線香を絶やさないことで「安らかな旅になりますように」と祈ります。

四十九日法要、位牌、納骨の準備をする

四十九日の法要は、葬儀後におこなう法要のなかでも大きなものになるため、きちんとした用意が欠かせません。やるべきことを整理して、四十九日を迎えてください。
日程以外の四十九日の準備(意味や用意するもの)については下記の記事で詳しく紹介しています。
■仏壇や位牌
仏壇がない場合は、四十九日の前に購入します。買ってから間もない仏壇や位牌は、魂が依り憑く場所にはならないとされます。四十九日の法要で僧侶に来てもらい、同時に魂を入れる儀式をおこなうこともあります。
■納骨
四十九日の法要では、納骨をおこなうのが一般的です。遺骨を家に置いたままだと、亡くなった人が成仏できないと言われているので、つつがなく納骨ができるよう段取りを決めておきます。

お祝いごとや参拝は控える

四十九日の法要が終わるまでは、以下のことを控えます。
■お祝いごと
結婚式やお正月などの幸せ・喜びに関連した催しは、避けます。四十九日までは、亡くなった人を思い喪に服す期間。お祝いは、故人に対して思いやりを欠くものだと捉えられます。
■お中元やお歳暮
お中元やお歳暮は、季節の変わり目を喜ぶものとされています。ただし、四十九日を終えれば、喪中にお中元やお歳暮を手配しても差し支えありません。
■神社への参拝
神道において、死は不浄なものと捉えられています。清らかな場所に死を引き連れるのは礼儀に反するため、神社は避けてください。四十九日を終えた後なら、喪中でも参拝できます。
このほか四十九日の期間である忌中に避けることは下記の記事でご紹介しています。

ふさわしい日に四十九日法要をおこない、故人の旅立ちを見送ろう

四十九日は、亡くなった人と残された人の両方にとって節目となる日。四十九日を過ぎると、魂はあの世へ向かい、家から離れると言われています。そう思うと寂しい気もしますが、同時に新しい人生を歩んでいくことも意味します。正確な四十九日の日数を把握することは、つつがなく法要を執りおこない、気持ちを新たにできる第一歩です。

この記事の監修者

瀬戸隆史 1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定・葬祭ディレクター技能審査制度)
家族葬のファミーユをはじめとするきずなホールディングスグループで、新入社員にお葬式のマナー、業界知識などをレクチャーする葬祭基礎研修などを担当。