お供え(おそなえ)には何が最適?相場やかけ紙のマナーを紹介

法事・お墓
お供え(おそなえ)には何が最適?相場やかけ紙のマナーを紹介
法事の時にどんなお供えを持っていけば良いか悩んだことはありませんか?持っていく品物だけではなく、かけ紙や渡すタイミングなど、さまざまな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。今回は、お供えの定番やマナーについて詳しく解説していきます。

お供えの基本をチェック

まずはお供えに適した品物や相場をはじめとする、基本的なマナーや一般的な事柄をチェックしていきましょう。

お供えはどんなものが良い?

お供えには、基本となる五供(ごくう)というものが存在するのをご存知でしょうか。五供とは、線香などの「香」、生花の「花」、ロウソクを指す「灯燭(とうしょく)」、お茶や水などの「浄水」、ご飯や食物の「飯食(おんじき)」といった5つのものを指します。これを元に持参するお供えを考えれば、失敗はないと言えるでしょう。

一般的にお供えとして持参するのは、食べ物やお香、花といった消費されるものが適しているとされています。日持ちして小分けにできるものは、おすそ分けもしやすいのでおすすめです。

お供えの相場

お供えを購入する際、金額に迷われる方も多いのではないでしょうか。相場は、お香典を別で渡す場合は3千~5千円、渡さない場合は5千~1万円程度が一般的とされています。
また、地域差や慣習によっては法事のお供えの代わりに、現金を渡すといったケースも見られます。お供えとして渡す現金は、お供物料(おくもつりょう)と呼ばれます。

お香典はお供物料とは違うのかと疑問に思った人もいるかもしれません。お香典はお線香やロウソクを購入するためのお金であり、お供物料とは分けて考えられることが多いのです。

お供えを持っていく時

どういった時にお供えを持参する必要があるのか、迷う人も多いと思います。基本的には四十九日や一周忌など、大きな区切りとなる法事に持参するものと考えて良いでしょう。

法事は三回忌、七回忌など、年を重ねる毎に規模や人数が縮小されていく傾向にあります。招待された時は、限られた人数に入れてもらえたとも言えるでしょう。そのため、たとえ年月が経っていてもお供えを持参するのがおすすめです。

お供えに避けた方が良いもの

五供に則していれば何を持っていっても良いというわけではありません。
たとえば食べ物の場合ですと、魚や肉などの殺生を連想させるものはタブーとされています。また、ニンニクやネギのように、臭いのキツイものも避けて選ぶようにしてください。

花の場合も、食べ物と同様に香りが強すぎるものは避けた方が良いでしょう。さらに、バラなどの棘があるものは、触ると痛みを感じることからお供えには相応しくないとされています。
鉢植えタイプのお花も、お供えには選ばない方が良いでしょう。鉢植えは根があることから、不幸が「根付く」といった意味を持つと考えられる場合もあるためです。

お供えの定番

ここからは、お供えの定番をご紹介します。定番とはいえ、選ぶときのポイントがあるので是非参考にしてみてください。

食べ物

お供えを食べ物にする際の定番といえば、フルーツかお菓子です。フルーツは、ももやブドウなど、縁を連想させる丸いものを選ぶのがおすすめです。日持ちしないものは避けるようにし、盛り合わせを選択するときは、お店の方にお供え用と伝えて奇数個にしてもらいましょう。

お菓子を持参する場合は、生菓子等ではなく、日持ちするクッキーやおせんべいが一般的です。小分けにされていて、お下がりにしやすい点もメリットです。見た目や色が派手なものは避け、オーソドックスなものを選ぶと良いでしょう。
お通夜・法事にお勧めの日持ちするお菓子は、こちらの記事を参考にしてください。

お供えに花を選ぶ際に覚えておきたいのは、「四十九日までは白い花」ということです。胡蝶蘭やユリ、リンドウやキンセンカなど、落ち着いた印象の白い花が定番となっています。

基本的に、四十九日以降は色のある花を送っても大丈夫ですが、あまりにも鮮やか過ぎるものは避けておいた方が良いでしょう。その際には、落ち着いた色味のものを、奇数で選ぶようにしてください。お花屋さんにお供えであることを伝え、花選びやアレンジメントをお願いするのもおすすめです。

お線香

香りは故人にとって非常に大切なものであるという考え方から、お線香もお供えに選ばれることが多いです。ロウソクとセットになっているものもあるので、好みで選ぶのも良いですね。
また、お線香と一口に言っても現在は香りにもさまざまな種類があり、デザインのバリエーションも豊富に存在します。故人の好みが分かるようでしたら、それに合わせたお線香をお供えとして送るのもおすすめです。

知っておきたいお供えのポイント

お供えは、どんなものを持っていくかだけではなく渡すタイミングやかけ紙にも悩みますよね。ここからは、お供えに関してよく疑問に思われるポイントを解説していきます。

お供えを渡すタイミングは?

お供えはいつ渡せば良いのか考えたことはありませんか?お供えを渡す最適なタイミングは、到着して、玄関などで迎え入れられたときです。
「ご仏前にお供えください」などの挨拶をして、渡すと良いでしょう。渡すときは、袋や風呂敷から取り出して品物だけを渡してくださいね。

万が一、入り口で渡しそびれてしまったとしても、勝手にご仏前にそなえることは絶対に避けましょう。ご家族の許可なくご仏前にそなえることは、失礼にあたるためです。

かけ紙のマナーは?のし紙とは違う?

お供えを送る際、のしはどうすれば良いのかと悩む人もいると思います。実は、お供えなどの弔事用はのし紙ではなく、かけ紙を使う、とご存知でしたか?のしとは、慶事の際に使われる縁起物の意味(デザイン)を持つため、法事などの弔事には使用されません。

お供えにつけるかけ紙には、内かけと外かけが存在します。法事に出席せずにお供えを送る場合は内かけを、持参する場合は外かけを選ぶと良いでしょう。

また、かけ紙に印刷されている水引の色にはいくつかの種類があるので注意してください。通夜や葬儀の際は黒白のものを、法事では黒白、黄白、双銀のいずれかを選ぶと良いでしょう。地域差も存在しますが、お盆では黄白が一般的とされています。

表書きには何と書く?

お供えの表書きには、何と書けば良いのでしょうか。お香典ですと、仏式の場合は御霊前・御香典・御香料・御弔料・御仏前・御供というようにいくつかの種類が存在しますが、御霊前か御仏前のどちらかがほとんどと考えておいて良いでしょう。

御霊前と御仏前のどちらを使うかは、故人が仏様になる時期で変わってきます。仏教のほとんどの宗派は四十九日ですが、浄土真宗は故人が亡くなってすぐに仏様になると考えられているため、御仏前のみを使用するのが一般的です。

神式の場合は、御霊前・御玉串料・御榊料のいずれかを使用します。キリスト教の場合は御霊前か御ミサ料、プロテスタントの場合は弔慰料と書くため、出席前に確認しておくと良いでしょう。

送り主の名前は、フルネームで書くのがマナーとなります。連名にする場合は2人なら中央に代表者のフルネームを書き、左隣に連名を記載しましょう。3人以上になるときは、右から順に書いていきます。

表書きの墨の色は、四十九日までは薄墨を、それ以降は黒墨を使用するのが一般的なマナーとなっています。

お供えのお返しはどうする?

法事に招く立場の方でよく悩まれるのが、お供えのお返しに関することです。香典返しと同様に、お供えも半額~3分の1程度が一般的な相場と考えて良いでしょう。

表書きは、水引が印刷されているかけ紙に「志」や「満中陰志」と書きます。西日本では「粗供養」と書くなど地域差も見られますが、「志」はどの宗教でも使える表記なので、迷ったときは「志」を使用するのがおすすめです。

供養の気持ちが伝わる心を込めたお供えを

お供えは供養の気持ちを表すもの。故人のことを想って送るお供えは、ご家族もありがたく感じるものではないでしょうか。マナーを守って、より深くいたわりの気持ちを伝えたいですね。